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公開日 2026/06/12  更新日 2026/06/15

法律事務所の集客にマーケティング視点が必要な理由

法律事務所の集客にマーケティング視点が必要な理由

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。多業界において25年以上BtoB、BtoCのマーケティングを行ってきました。また、個人で立ち上げた勉強会をはじめ、区が主催している講座や専門学校など、マーケティング講師としても多業界の人たちと関わってきました。そこで感じたことは、業界が異なっていてもマーケティング視点は必要とされているということです。

そこで、本シリーズでは、7回にわたって法律事務所の経営に役立つマーケティングの考え方を紹介していきます。

  • 第1回 法律事務所の集客にマーケティング視点が必要な理由 ←今回はここ
  • 第2回 法律事務所の集客を成功させるために整理したい3つのポイント【3C分析】
  • 第3回 法律事務所の新規顧客を獲得するための集客施策3選
  • 第4回 法律事務所のオンライン集客で意識したい2つのポイント
  • 第5回 法律事務所の新規顧客を受任につなげる顧客育成施策2選
  • 第6回 法律事務所の受任率を高める相談・商談に役立つマーケ視点3つのポイント
  • 第7回 法律事務所の顧客維持を高める3つのコミュニケーション

 

法律事務所の経営において、「集客」は以前よりも重要なテーマになっています。ホームページを作成する、広告を出す、セミナーをするなど、施策に取り組んでいる法律事務所も増えていることでしょう。こちらのコラムでも、集客方法について紹介してきました。

 

他にも検索すれば、多くの記事を見つけることができるでしょう。記事を参考に施策を実施している法律事務所も多いかもしれません。一方で、施策を実施しても思うような効果が出ずに悩んでしまうこともあるでしょう。この記事では、そんな悩みに役立つマーケティング視点について説明します。

 

  • 法律事務所の集客環境はどう変わっているのか
  • マーケティングとは何か
  • 集客にマーケティング視点が必要な理由

 

法律事務所の集客環境はどう変わっているのか

まずは、法律事務所における集客環境の変化を整理してみましょう。多くの記事では、弁護士数、法律事務所数が増えたことにより、「集客」をせずに、受任数を維持、増加していくことが難しくなっていることを伝えています。これは大きな環境の変化といえるでしょう。

しかし、集客環境の変化は、弁護士・法律事務所の数の増加だけではありません。相談・依頼する側も変化が起きています。自分の行動を振り返ってみましょう。「必要なもの」「解決したい課題」などがあれば、まずやることはネットでの検索ではないでしょうか。どの業界の商品・サービスにあっても、対象が一般消費者(BtoC)、組織・法人(BtoB)であってもまずは「ネットで検索」の主流は変わらないのではないでしょうか。ネットで検索して、検討して、候補に残って初めて「問い合わせ」にはつながることになります。弁護士や法律事務所を探すときも、相談者・依頼者は同様の行動をとるでしょう。

そして、検索で情報を得るのは自所のホームページだけとは限りません。情報がまとまり、整理されているポータルサイトやおすすめサイト、口コミサイトにSNSと、今は情報であふれています。しかも、生成AIの進化により、AIにおすすめの法律事務所について質問することも増えていくといえるでしょう。

つまり、法律事務所を取り巻く集客環境の変化は、法曹界だけにとどまらない大きな枠組みで考える必要があるのです。

 

法律事務所の集客にマーケティング視点が必要な理由

大きな集客環境の変化もあり、法律事務所にもマーケティング視点が求められています。なぜマーケティング視点が必要なのかについて、以下の流れで説明します。

  • マーケティングとは何か
  • マーケティング視点とは
  • 集客にマーケティング視点が必要な理由

 

マーケティングとは何か

そもそもマーケティングとは何でしょうか。

日本マーケティング協会の定義では「マーケティングとは、顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。」となっています。
日本マーケティング協会 ホームページより

マーケティングによって行いたいことが網羅されている定義ですが、マーケティングって何?という初心者には内容が盛りだくさんに感じるかもしれません。ここでは、講師として「マーケティングとは」の話をするときによく使っていた、「マネジメントの父」と称されるピーター・ドラッカーのマーケティングの定義「マーケティングの究極の目標は、セリング(売り込み)を不要にすることだ」をもとに考えていくことにします。 「セリングを不要にする」ということはどういうことでしょうか。売り込みをしなくても売れるようにすることと解釈できます。これをわかりやすくまとめると、マーケティングとは「売れる仕組み」を作るということになります。では「売れる仕組み」を作るにはどうしたらいいのでしょうか。それに必要なのがマーケティング視点になります。

 

マーケティング視点とは

「マーケティングとは売れる仕組みを作ることです」と言われて、とっさに何をすればいいのかがわかる人は少ないでしょう。逆の立場(購入する立場)になってみると、わかりやすくなります。自分が商品やサービスを購入するときのことを考えてみましょう。

・気に入ったから購入した
・広告、SNS、口コミをみて購入した
・他と比べて自分の好みや条件に合っていたから購入した
・流行っていたから、購入した

購入する際の主な理由はこんなところではないでしょうか。これは、一般消費者だけではなく、組織や企業であっても、似たようなことがいえます。ただ、一般消費者と異なり、組織・企業は購入に関与する人が多い、高額になりやすい、組織全体や今後のことを考えるため合理的に購入を決める、購入検討期間が長いという点においては注意が必要です。消費者向け(BtoC)、組織・企業向け(BtoB)の違いについては、第4回「法律事務所のオンライン集客で意識したい2つのポイント」で詳しく説明します。


では、商品・サービスを提供する側から見るとどうでしょう。消費者、企業が購入する理由がわかったとしても、それらをすべて提供することは難しいといえます。例えばコスメを製造販売している会社が、自社の顧客が「美容にいい外食がしたい」という要望があると知ったからといって、飲食店をいきなり始めることには無理があるでしょう。つまり、自社の技術、リソースから提供できる商品・サービスはどんなもので、消費者や企業のどんな希望にならこらえられるのかを考えることが売れる仕組みの第一歩になります。

自社で提供する商品・サービスについて、消費者や企業がその存在を知り、自分たちが求めているものだと理解し、興味をもって初めて自社の商品・サービスは選択肢の中に入ることになります。これが売れる仕組みにつながります。

つまり、売れる仕組みを作るためには、「自社の商品・サービスが」

・どのような対象者に
・どのような価値を提供し
・どのような方法で知ってもらうか

を決めて施策を考えることになります。それにより、先ほどの購入する時の4つの理由を満たすことができるでしょう。

法律事務所でいえば、「自所のサービスが」

・どのような相談者・依頼者の
・どのような課題・問題を解決できるのか
・どのような方法で自所の存在&解決できることを知ってもらうのかということになります。

マーケティング視点とは、このように「自所が提供するサービスを利用する相談者・依頼者のことを考えて(立場に立って)、自所が選ばれるための方法を考えていく」ことを意識し、実践していくための思考法なのです。

 

集客にマーケティング視点が必要な理由

マーケティング視点において、特に重要なのが「自所が提供するサービスを利用する相談者・依頼者のことを考えて(立場に立って)」というところになります。なぜでしょうか。

業界に限らず、マーケターは自社の商品・サービスのことはよく知っており、商品・サービスに自信もあるでしょう。すると、これだけすばらしい商品・サービスなのだから、広告を打てば簡単に理解してもらえる、購入してもらえると思い込んでしまうことがあります。もちろん、マーケターであれば購入する相手を意識していることでしょう。しかし、自社の商品・サービスに詳しくなりすぎる、愛着を持ちすぎると、自分が購入する立場だったら本当にこのような広告文・方法で興味を持つのか、心が動くのかという検証が甘くなってしまう可能性があります。そのような場合、知らず知らずのうちに相手のことより、自社の都合で物事を考えてしまっていることに気が付かないということは起こりうるのです。

法律事務所においても同様に、自所の実績のすばらしさやこんな課題も解決に導いたと自信があるのではないでしょうか。だからといって、そのことが法律の知識が十分ではない人たちに簡単に伝わるとは限らないということは意識しておく必要があります。

集客がうまくいっていないと思ったら「相談者・依頼者のことを考えた(立場に立った)、自所が選ばれるための伝え方」になっているかと考えてみましょう。これが集客にマーケティング視点が必要な理由です。

 

マーケティング視点を取り入れて法律事務所の集客を改善しよう

自分たちの商品・サービスの質を高めることに注力することは大事なことです。でもどんなにすばらしい商品・サービスでも購入され、利益が出なければ、継続的に提供をすることはできません。購入されるためには、購入する人たちのことを考え、その立場に立って発想する=マーケティング視点が欠かせないといえるでしょう。

法律事務所においても同様です。今回紹介したマーケティング視点を取り入れて、相談者・依頼者が自所の価値に気づき、受任につながる集客方法を考えていきましょう。

LEALA(レアラ)は幅広い法律事務所業務に対応した生産性と依頼者満足度の向上を実現する案件管理システムです。マーケティングにも活用できます。各ポータルサイトや各種広告施策からの流入・受任・売上比率をリアルタイムに可視化し、マーケティングの結果を定量データとして分析、効果的な施策を導き出すことが可能です。他の法律事務所の案件管理の事例だけでなく、マーケティングとしてどのように活用しているのかについてご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事

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