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弁護士の請求書の書き方まとめ|必要な明細や作成・送付方法を紹介

弁護士の請求書の書き方まとめ|必要な明細や作成・送付方法を紹介

この記事では、弁護士の請求書の書き方について解説します。

弁護士がクライアントから報酬として得るお金には、着手金や報酬金、手数料、相談料などさまざまな種類があります。報酬を請求するうえでは、請求書の明細や書き方について詳しく把握しておかなければなりません。

この記事では、弁護士の請求書に必要な報酬の明細や書き方、作成・送付方法について詳しく解説します。請求書の作成・管理でお悩みの導入の方は、ぜひ最後までお読みください。

 

    • そもそも弁護士の請求書と他の書類の関連性は?
    • 弁護士の請求書に必要な報酬の明細
    • 【項目別】弁護士の請求書の書き方
    • 弁護士の請求書の作成・送付方法

     

     

    そもそも弁護士の請求書と他の書類の関連性は?

    請求書は、提供されたサービスや商品に対する支払いの詳細を記載した書類です。この仕組みは弁護士業界も同じで、依頼人に対して提供された法的サービスに関する費用を示します。

    特に、弁護士の請求書には着手金や成功報酬、タイムチャージの報酬など、さまざまな費用があります。着手金は、弁護士が仕事を開始する前に依頼人から受け取る一定額のお金であり、成功の有無にかかわらず支払われます。

    弁護士はサービスの提供に際して発行した受領書や領収書などを管理・参照し、請求書を作成する必要があります。発行した受領書や領収書などと連携させ、既に支払われた費用を重複して請求しないようチェックが必要です。

    また、請求内容に関しては、弁護士と依頼人との間で交わされた契約書の範囲内でなければなりません。つまり、契約書で合意されたサービスや費用以外の請求はできません。契約時には、提供されるサービスや費用の詳細について、会議の中で共有しておくことが大切です。

    弁護士の請求書は、提供された法的サービスの詳細とそれに対する費用を正確に反映するものである必要があり、受領書や領収書、契約書と連動して管理されることが望ましいといえます。
    請求書の手続きを適切に実施することで、明確で公正な取引が保証されるでしょう。

     

     

    弁護士の請求書に必要な報酬の明細

    ここでは、弁護士の請求書に必要な報酬の明細について解説します。
    順番に見ていきましょう。

    • 着手金
    • 報酬金
    • 手数料
    • 預り金
    • 相談料
    • 日当
    • 顧問料
    • 実費明細

     

    1.着手金

    着手金は、弁護士が依頼者の案件を引き受け、作業を開始する際に受け取る報酬です。契約を結ぶ際に前払いで支払われます。

    ポイントは、着手金は案件の結果にかかわらず同じ金額が支払われることです。依頼者が訴訟に勝利した場合も、望む結果を得られなかった場合も、着手金の返金は原則としてありません。

    2.報酬金

    報酬金は、依頼の結果に基づいて支払われる費用です。成功報酬とも呼ばれ、弁護士が依頼者の案件で成功した場合、または一定の成果を達成した場合にのみ発生します。

    例えば、和解金を獲得した場合や、訴訟で勝訴した場合などに支払われます。報酬金の金額や計算方法は、事前に弁護士と依頼者との間で合意された契約によって決定されます。

    3.手数料

    手数料は、弁護士が案件を処理する過程での事務的な手続きで発生する経費を指します。例えば、以下の業務に掛かる費用が含まれます。

    • 裁判所・公的機関への書類提出
    • 遺言書の作成
    • 遺言の執行
    • 会社の設立

    契約前に、手数料の計算方法や予想される費用の総額、支払い条件などについて明確に話し合うことが重要です。弁護士のサービスの透明性を確保し、後で予期せぬトラブルや誤解が生じるのを防げるでしょう。

    4.預り金

    預り金は、弁護士が依頼者の案件において今後生じると考えられる費用をカバーするために、事前に預かる金額です。

    預り金は、案件処理の過程で必要となる手数料や、外部の専門家に支払う費用など、予測される経費を前もって確保するために使用されます。
    実際の費用として後から精算し、余剰分があれば返金されます。

    5.相談料

    相談料は、弁護士に相談する際に発生する費用です。初回相談やその後の具体的なアドバイスを求める際に発生することがあります。

    相談料は、相談の内容や時間、弁護士の専門性によって異なります。一部の弁護士や法律事務所では、初回の相談を無料で提供している場合もありますが、その後の詳細な法律相談や案件の検討には料金が発生することが一般的です。
    相談料を支払うことで、依頼者は弁護士の専門的な意見やアドバイスを受けられます。

    6.日当

    弁護士の日当とは、弁護士が案件の処理のために事務所から移動することによって、時間的に拘束される際に支払われる費用です。裁判所に出廷するごとに支払われる出廷手当と、出張するごとに支払われる出張日当があります。

    日当は、宿泊費や交通費とは別に支払う必要があります。弁護士が1日に投じる時間と労力を補償するためのものであり、事前に設定された金額や、実際に費やした時間に基づき計算します。

    7.顧問料

    顧問料は、特定の期間で弁護士が顧問として提供する法律サービスに対して支払われる報酬です。企業や団体が法的な相談やサポートを定期的に必要とする場合に、顧問として弁護士と契約を結ぶことがあります。

    顧問料は、事前に契約したサービスの範囲内で、法的アドバイスや文書作成、契約のレビューなど、幅広いサポートを行います。依頼者は契約期間中、必要に応じていつでも法律相談できる点がメリットです。

    顧問料は通常、月額や年額で定額が設定され、契約に基づいて定期的に支払われます。ただし、顧問契約の範囲外で発生した法律事務や訴訟手続きは、別途費用が発生する場合があります。

    8.実費明細

    実費明細は、案件処理に際して実際にかかった費用を具体的に列挙したものです。以下のような、案件に必要なさまざまな経費が含まれます。

    • 交通費
    • 宿泊費
    • 書類作成・郵送費
    • コピー代

    弁護士は上記の費用を前払いで支出することがあり、後に依頼者に対して実費を請求します。実費明細には、各項目の詳細な説明とともにそれぞれの費用が明確に記載することで、依頼者が費用の内訳を理解しやすくなっています。

     

     

    【項目別】弁護士の請求書の書き方

    弁護士の請求書の書き方を項目別に見ていきましょう。
    ここでは、弁護士・法律事務所向け 案件管理システムLEALA(レアラ)に登録した情報を反映させたサンプル請求書を基に、必要な項目や書き方などのポイントを解説します。

     

    項目

    主な書き方

    ポイント

    1. 宛名

    • 受け取り側の会社名または個人名・屋号を記載する
    • 個人宛であれば「様」、会社や部門宛の場合は「御中」と記載する
    • 会社名が前株なのか後株なのかを必ず確認する
    • 宛名と敬称は1文字空けて表記する

    2.発行日

    • 請求書を受け取る相手の締め日の日付を記載する
    • 請求書を作成した日や印刷した日にはしない

    3.請求番号

    • 社内で管理するために付ける通し番号を記載する
    • 番号の付け方は社内で統一する

    4.弁護士・法律事務所の情報

    • 送付する側の会社名または個人名・屋号を記載する
    • 押印はなしでも問題ない

    5.明細

    • 項目と金額、対応する消費税額を記載する
    • その項目の消費税が8%か10%かを区別する

    6.適用税率

    • 複数の税率が適用される場合、それぞれの数値を記載する
    • 明細部分と同様に、消費税が8%か10%かを区別する(※1)

    7.税率ごとに区分した消費税額

    • 適用税率ごとの合計金額を記載する
    • 税抜なのか税込なのかを統一して記載する

    8.小計・税金・合計

    • 小計には税抜の金額を記載
    • 小計に消費税・源泉徴収税を合わせた合計金額を記載する
    • 小数点以下が切り捨てか切り上げか事前に決定する
    • 「円」か「¥」を統一する

    9.請求金額

    • 合計金額を転記する
    • 合計金額に誤りがないか確認した後に転記する

    10.振込先

    • 振込に必要な以下の情報を記載する(※2)
    • 口座情報はミスがないか複数回確認する

    11.支払期限

    • 期限は通常、月末や翌月末に設定する
    • 振込手数料の負担に関することを記載する
    • 発行日と日付の表記方法は一致させる

    12.登録番号(※3)

    • 法人番号を有する課税事業者:「T」(ローマ字)+法人番号(数字13桁)
    • 上記以外の課税事業者(個人事業者など):「T」(ローマ字)+数字13桁(注)
    • 番号に誤りがないかを確認する
    • 請求書に関連する文書(契約書・注文書など)と一致しているかを確認する
    • 登録番号の使用期限が有効かどうかを確認する

    13備考

    • その他伝達すべき事項があれば記載する

    ※1:2024年4月現在
    ※2:金融機関・支店名・口座種別・口座番号・口座名義
    ※3:13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号を指す


    請求書は、弁護士または法律事務所から提供されたサービスに対して、依頼者が適切な支払いを行うための重要な文書です。

    だからこそ、請求書には正確かつ抜け漏れなく、必要な情報が記載されていることが重要です。
    また、インボイス制度に対応している事業者は、「登録番号」や「適用税率および税率ごとに区分した消費税額」を請求書に明記することを忘れてはいけません。

    インボイス制度に必要な情報を自動で請求書に反映できるシステムを活用することで、効率的かつ正確に請求書の発行業務が可能となるでしょう。

    インボイス制度の要件を満たした請求書発行なら「LEALA」

    インボイス制度に対応した請求書の発行が可能な案件管理システムなら、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムがおすすめです。

    LEALAに登録した会計情報を反映させたインボイス制度対応の請求書が出力できるため※、二重入力することや抜け漏れなく請求書を発行できます。また、チャット機能を活用すれば、案件情報に紐づけて書類作成や修正の依頼、依頼状況などの確認の連絡が行えます。

    正確に抜け漏れなく請求書管理を行いたい方は、弁護士・法律事務所向けクラウド業務管理システムLEALA(レアラ)をご検討ください。
    ※参考:インボイス制度の要件を満たした請求書発行機能をリリース。

     

     

    弁護士の請求書の作成・送付方法

    ここでは、弁護士の請求書を作成し送付する方法について解説します。
    下記3つの方法を順番に見ていきましょう。

    • 請求書用紙で作成する
    • Excel(エクセル)やWord(ワード)で作成する
    • クラウド業務管理システムで作成する

     

    請求書用紙で作成する

    弁護士の請求書は、請求書用紙で作成できます。書式が予め設定された用紙に必要な情報を手書きすることで、請求書を作成します。
    請求書用紙のメリット・デメリットは、主に以下の通りです。

    メリット

    デメリット

    • 物理的な文書として直接手渡しできる
    • 受領の確認が簡単に行える
    • 電子機器が使えない状況でも作成できる
    • 請求書のコピーを保管する必要がある
    • 作成や修正が手間で時間がかかる

    送付方法は、郵送と直接手渡しが一般的です。
    請求書用紙は文房具店やオフィス用品店で容易に入手できるうえに、特別なソフトウェアが不要で直感的に扱えるため、すぐに使い始められるでしょう。

    Excel(エクセル)やWord(ワード)で作成する

    弁護士の請求書は、Excel(エクセル)やWord(ワード)で作成できます。
    ExcelやWordのメリット・デメリットは、主に以下の通りです。

    メリット

    デメリット

    • テンプレートから自由にカスタマイズできる
    • 一度設定すれば繰り返し使用できる
    • 管理が容易で修正や再送も簡単にできる
    • 計算ミスが減らせる
    • 基本的な操作知識が必要になる
    • フォーマットの崩れなどが発生するおそれがある
    • セキュリティ面で注意が必要である

    送付方法は、メールやFAXを通じて電子送付するのが一般的です。

    インターネット上には数多くあるテンプレートを無料で利用することも、最初からデザインすることも可能です。計算ミスを減らし、見やすい請求書を作りたい人におすすめの方法です。

    クラウド業務管理システムで作成する

    弁護士の請求書は、クラウド業務管理システムで作成できます。弁護士・法律事務所向けクラウド業務管理システムなら、会計管理から請求書の作成までを一括で管理できるため、業務効率化に大きく貢献します。

    クラウド業務管理システムのメリット・デメリットは、主に以下の通りです。

    メリット

    デメリット

    • 請求書の作成から管理、追跡までを一元化できる
    • 外出先でもアクセスでき、場所を選ばず作業できる
    • 共有や共同作業も簡単にできる
    • システムの導入・維持に費用がかかる
    • 操作に慣れるまでに時間がかかる場合がある
    • インターネット接続やシステムへの依存度が高まる

    付方法は、システム内での直接送付や、メール・クラウドでの共有も可能です。
    特に中規模から大規模事務所や多数のクライアントを持つ事務所などは、請求書が多く管理が煩雑になりやすいため特におすすめの管理方法です。

     

    インボイス制度の要件を満たした請求書発行なら「LEALA」

    2023年10月から導入されたインボイス制度により、それまでの「区分記載請求書」で記載していた内容に加え、以下3つの事項の記載が必要になりました。

    • 登録番号
    • 適用税率
    • 税率ごとに区分した消費税額

    インボイス制度の要件を満たした請求書発行が可能な業務管理システムを導入したい方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムがおすすめです。

    LEALAは、数百名規模の法律事務所から5名以下の法律事務所までご採用いただいている弁護士業務を効率化する業務管理システムです。
    顧客・案件管理はもちろん、書類作成や会計管理、登録情報の分析などの法律事務所業務を一元化することができ、加えてインボイス制度の要件を満たす3つの事項を反映させた請求書の発行が可能です。

    具体的には、LEALA上の事務所情報にインボイス登録番号を登録すれば、登録番号は請求書出力時に差し込みが可能です。
    また、会計データを登録する際には、入力した金額を基に適用税率や税率ごとに区分した消費税額も自動で設定がされます。

    クラウド案件管理シェアNo.1である Salesforceを基盤に採用することで、世界トップクラスのセキュリティのもとで大切な情報を管理することができますので、インボイス制度対応の請求書発行業務を効率化したい方は、ぜひLEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムをご検討ください。

     

     

    弁護士の請求書に関するよくある質問

    ここでは、弁護士・法律事務所の請求書に関するよくある質問に回答していきます。
    疑問の解消にお役立てください。

    • 請求書の保管期間はどれくらい?
    • 弁護士報酬から源泉徴収がなされることはある?
    • インボイスの影響でアソシエイト弁護士の請求書に影響はある?

     

    請求書の保管期間はどれくらい?

    請求書、特に弁護士の請求書は重要な財務記録の一部であるため、一定期間保存する必要があります。一般的に、請求書の保管期間は、最低でも7年間です。

    請求書は原則、相手から受け取った原本を保存・保管します。会計処理が完了したら、タグ付けやファイリングなどの作業を行い、保管します。
    また、紙の請求書をスキャンし、電子データとして保存する方法もあります。

    弁護士報酬から源泉徴収がなされることはある?

    弁護士が個人事業主として働いている場合、報酬から源泉徴収を行う必要が生じることがあります。なぜなら、弁護士の報酬が「報酬・料金」に分類され、一定の条件下で支払いを受ける際に税金が事前に差し引かれるからです。

    ただし、実際の適用条件や手続きは複雑であるため、ケースごとに確認する必要があります。

    インボイスの影響でアソシエイト弁護士の請求書に影響はある?

    アソシエイト弁護士は事務所から給与を得ているため、消費税の申告はありません。そのため、請求書に大きな影響はないといえます。
    ただし、個人で課税事業者を対象とする案件を扱う場合は、インボイス対応の可否を確認しましょう。

     

     

    弁護士の請求書はテンプレート化がおすすめ

    弁護士は常に忙しく不在がちですので、事務局と連携して効率的に請求管理を行うことが重要です。
    請求書発行業務を効率的に行いたい方は、インボイス制度に対応した請求書を発行できるLEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムがおすすめです。

    LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムは、システム上に登録した情報を反映させた書類出力をはじめ、案件情報に紐づけてチャットで所内コミュニケーションができるため、書類作成や修正の指示も円滑に行うことができます。
    また、会計情報を反映したインボイス制度対応の請求書が出力できるため※、抜け漏れを防ぎ、正確な請求書の発行をサポートします。


    さらに、別途カスタマイズ※にて法律事務所それぞれの書式を追加したり、英文や外貨にも対応した請求書の作成も可能です。
    多くの書式が搭載されているのでテンプレートを活用して書類作成を簡便化し、事務局の業務負担を軽減します。

    インボイス制度の要件を満たした請求書の発行をはじめ、書類管理や会計管理を効率化したい方は、弁護士・法律事務所向けクラウド業務管理システムLEALA(レアラ)をぜひご検討ください。

    ※請求書などの書式のカスタマイズにつきましては、直接レアラまでお問い合わせください
    ※参考:インボイス制度の要件を満たした請求書発行機能をリリース。
    ※参考:【成功事例】請求書の作成時間を1/5に効率化|ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所

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