弁護士費用におけるタイムチャージとは?メリット・デメリットも解説
この記事では、弁護士費用におけるタイムチャージについて解説していきます。
タイムチャージとは、弁護士が作業する時間や拘束される時間に応じて報酬が決まる方式です
弁護士費用の請求方法には、タイムチャージの方式による請求のほかに、あらかじめ案件に着手する際に一定の金額を着手金として支払い、問題解決後に成功報酬を支払う着手金・報酬金方式もあります。
この記事では、弁護士費用をタイムチャージ方式にするメリットやデメリットについても詳しく解説します。タイムチャージ方式の導入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
- そもそも弁護士費用は2種類ある
- 弁護士費用におけるタイムチャージとは
- 弁護士費用をタイムチャージ方式にするメリット・デメリット
- 弁護士費用のタイムチャージ管理なら「LEALA」
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そもそも弁護士費用は2種類ある
そもそも、弁護士に依頼するときの費用には以下の2種類があります。
それぞれの特徴や、含まれる費用の内訳を紹介します。
- 弁護士報酬
- 実費
弁護士報酬
弁護士報酬とは、弁護士が提供する法的サービスに対して支払われる費用です。弁護士報酬の内訳は、主に以下の通りです。
- 着手金
- 報酬金
- タイムチャージ
- 手数料
- 法律相談料
- 日当
- 顧問料
弁護士報酬は、弁護士がクライアントのために行う法律相談、訴訟手続き、書類作成、交渉などの法律業務の対価として設定されます。
弁護士報酬には主に2つの計算方法があります。一方は、弁護士が案件処理に費やした時間に基づいて報酬が計算されるタイムチャージ方式です。もう一方は、事前に決められた金額を基にした着手金と、事件解決後に支払う成功報酬からなる方式です。
実費
実費とは、弁護士が案件に対応する過程で実際にかかった費用のことを指します。実費の内訳は主に以下の通りです。
- 収入印紙代
- 書類の郵送費
- コピー代
- 訴訟費用
- 交通費
実費は、弁護士が提供する法的サービスの質や時間とは直接的な関係がなく、必要に応じて実際にかかった分だけを支払う形になります。
弁護士費用におけるタイムチャージとは?
先述した通り、弁護士報酬にはタイムチャージ方式と、着手金・報酬金方式があります。
タイムチャージ方式では、弁護士が提供する法律サービスの対価を、その案件に費やした実際の時間に基づいて計算します。算出方法は、弁護士が案件に関わる際にかかる時間を記録し、その時間に対して事前に決められた時間当たりの料金を乗じます。
- 弁護士費用=作業時間×時間当たりの料金
タイムチャージ料金の目安は、1時間2〜5万円です。タイムチャージ方式は、特に、契約時点ではどの程度の業務時間が必要となる目処がつきにくいような仕事や、着手金・報酬金方式では妥当な金額が算定しにくい場合、あるいは企業との顧問契約などで選ばれることが多いといえます。
着手金・報酬金方式との違い
そもそも着手金・報酬金方式とは、着手金として弁護士が業務を開始するために初期費用が前払いされ、成功報酬として案件が解決した際にクライアントが成果に応じた追加費用を支払う方式です。
タイムチャージ方式と着手金・報酬金方式との違いを表にまとめると、以下の通りです。
比較項目 |
タイムチャージ方式 |
着手金・報酬金方式 |
特徴 |
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メリット |
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デメリット |
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適した場面 |
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上記の通り、タイムチャージ方式と着手金・報酬金方式は、費用の計算方法や適した場面で特に違いがあるので、弁護士業務における実際の業務負担とのバランスを考慮して、どちらの方式とするかをクライアントに説明・協議することが重要です。
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弁護士費用をタイムチャージ方式にするメリット
ここでは、弁護士費用をタイムチャージ方式にするメリットについて解説していきます。順番に見ていきましょう。
- サービスにおける透明性の向上につながる
- 作業時間を正確に反映できる
- 案件の進行状況や要求に応じて作業を調整しやすい
サービスにおける透明性の向上につながる
タイムチャージ方式では、弁護士が案件に費やした実際の時間をもとに費用が計算されます。クライアントは、具体的な作業内容とそれに要した時間を把握できるため、透明性が高まり弁護士に対する信頼感が増します。
また、弁護士が正確に登録したり、具体的な作業内容が記載されたタイムチャージレポートを添付することで、透明性を担保できるでしょう。
作業時間を正確に反映できる
弁護士の作業時間を正確に反映して、弁護士費用が適正になることが、タイムチャージ方式にするメリットの1つです。
普段は着手金・報酬金方式で依頼を受けている法律事務所であっても、作業工数の目処が立ちにくい案件では、タイムチャージ方式で受任する場合もあります。なぜなら、仮に着手金30万円とした場合に、実際の案件対応の業務時間に50時間を要すると、費用対効果が合わないことになってしまいます。タイムチャージ方式であれば、弁護士の作業時間に見合った報酬を受領できるため、費用対効果で心配する必要はありません。
また、事故態様に大きな食い違いのある交通事故の物損事故のように、訴訟での請求額が少ない場合も、作業時間を反映した適正な報酬を受領できる可能性があります。例えば、訴訟の対象額50万円の数パーセントを乗じた額を着手金として設定したり、保険会社から受け取った額の数パーセントを報酬金にしたりする場合、弁護士報酬が数万円にしかならず、労力に見合わない結果となってしまいます。
タイムチャージ方式を選択することで、法律事務所が労力に見合った適切な報酬を受領できるでしょう。
案件の進行状況や要求に応じて作業を調整しやすい
タイムチャージ方式では、案件の進行に応じて必要な作業の量を柔軟に調整できます。
クライアントから追加の要望がある場合や、予期せぬ事態が発生した場合でも、迅速に対応することが可能です。柔軟性が高いので、案件の最終的な成果に対する満足度を高められるでしょう。
また、途中で方針変更が必要になった場合でも、スムーズに対応できます。クライアントは、自分の要望が変化してもそれに合わせてサービスを調整でき、より自分に合った法律サービスを受けられます。
弁護士費用のタイムチャージ管理なら「LEALA」
弁護士費用のタイムチャージ管理を正確かつ効率的に行うためには、案件管理システムの導入がおすすめです。案件管理システムを使用すれば、弁護士が案件に費やした時間を正確に記録できます。手動で時間を記録する際に生じがちな誤差を減らし、計算の精度を向上させられるでしょう。
また、複数の案件を同時に管理する場合には、それぞれの進捗状況を一元的に把握できるため、時間を最適に配分しより良いサービスを提供できるようになります。
どの案件管理システムを導入するかお悩みの方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムがおすすめです。
LEALAは、数百名規模から数名規模の法律事務所まで幅広くご採用いただいている、弁護士業務を効率化する業務管理システムです。
セキュリティに厳格な世界各国の政府系機関や大手金融機関等も利用しているSalesforceをシステム基盤に採用することで、世界トップクラスのセキュリティのもとで大切な情報を管理することができます。
主な機能は、以下の通りです。
- 案件ごとに紐づいたタイムチャージ管理
- カレンダーやストップウォッチからの半自動タイムチャージ登録
- タイムチャージの一括作成・編集
- 月ごとの稼働時間や作業内容などを反映させたタイムチャージ明細書の発行
- 弁護士毎のタイムチャージの売上や稼働工数などの集計
LEALAの案件管理システムは、正確かつ抜け漏れなくタイムチャージを記録できる機能が充実しています。
たとえば、案件に紐づけて予定を登録する際に、「タイムチャージに連携する」にチェックマークを入れるだけで簡単にタイムチャージを登録することができます。その他にも、ストップウォッチ機能で登録したり、タイムチャージ一括編集機能で登録・編集することが可能です。
登録されたタイムチャージは、取引先や案件、弁護士毎や日付などの条件を絞り込んで一覧表示できるため、必要な情報に素早くアクセスして確認・編集できます。作業内容や単価・時間などを一括編集できるだけではなく、実際にかかった作業時間や金額も残しつつ、ディスカウントなどで調整した作業時間や金額も記録できるため、「請求書やタイムチャージ明細書」には調整後の金額等を反映して、実際にかかった時間・金額は「所員の稼働工数管理」などにご活用することができます。
請求漏れを防止しタイムチャージ管理を簡便化させたい方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムの導入をぜひご検討ください。
※参考:カレンダーからのタイムチャージ半自動登録&一括編集を可能とする新機能をリリース
※参考:企業法務系機能
弁護士費用をタイムチャージ方式にするデメリット
次に、弁護士費用をタイムチャージ方式にするデメリットについて解説していきます。順番に見ていきましょう。
- 費用が事前に予測できずクライアントに受け入れられにくい
- 作業時間によってはクライアントとのトラブルのリスクがある
- 時間管理の手間がかかる
この記事では、法律事務所(弁護士)の顧客管理について解説していきます。 顧客管理とは、顧客の基本情報や事案の進行状況、重要な通信記録、会計情報などを体系的に管理することです。顧客情報を適切に管理することで、必要な情報にアクセスしやすくなっ[…]
費用が事前に予測できずクライアントに受け入れられにくい
タイムチャージ方式は、その案件でどれだけの費用がかかるのか事前に予測できないため、クライアントに受け入れられにくいデメリットがあります。クライアントがとある業務で弁護士を依頼した場合のことを考えてみましょう。
【依頼例】損害賠償請求事件 着手金:100万円 報酬金:受領額の10% 損害賠償金:2,000万円 |
上記のように、着手金・報酬金方式であれば、2000万円の損害賠償金を受領した場合に着手金100万円と報酬金200万円で合計300万円の弁護士費用がかかると予想できます。
一方で、タイムチャージ方式の場合、裁判がどれだけ続くのか、弁護士の業務がどれだけ時間がかかるのかわからない場合もあります。100万円の支払いで済むのか、長期化してより高額になるのかクライアントは把握できないため、タイムチャージ方式は受け入れられにくい場合があります。
作業時間によってはクライアントとのトラブルのリスクがある
クライアントの想定よりも作業時間がかかってしまった場合、支払いが高額になり、クライアントとトラブルになるリスクがあります。
タイムチャージ方式では、作業時間が費用計算の基準となります。弁護士が多くの時間を費やした場合、予期せぬ高額な費用がクライアントに請求されます。
特に、明確な見積もりやタイムチャージ方式での請求の上限額が提示されていない場合などでは、クライアントは最終的に請求された高額な弁護士費用に驚き、具体的な作業内容に説明を求められたり、信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
時間管理の手間がかかる
何かに対応するたびにタイムチャージ登録をしなければならないため、時間管理や作業効率の手間がかかる点が、弁護士費用をタイムチャージ方式にするデメリットの1つです。
弁護士は多くの業務に追われる多忙な日々を過ごしていて、「数分も無駄にしたくない」と考える人も少なくありません。あまりタイムチャージ方式を選択することがない弁護士の中には、タイムチャージ方式で記録をつけることについて、面倒に感じる場合もあるでしょう。
また、誤って実際には稼働していない時間を登録してしまうことは当然ながら避けなければならないですし、反対に稼働していたのに登録を忘れてしまうと売上も失います。
このように、クライアントと自分のために、タイムチャージ登録をミスなくこまめに行わなければならないことが、タイムチャージ方式にするデメリットといえます。
弁護士費用のタイムチャージは効率的に管理しよう
弁護士費用のタイムチャージは手間がかかるものの、クライアントに適正な金額を請求するために必要な作業です。弁護士費用のタイムチャージ管理を正確かつ効率的に行いたい方は、案件管理システムの導入がおすすめです。
案件管理システムを用いることで、事件に関するさまざまな情報を一元管理できるだけではなく、案件に紐づけてタイムチャージ登録・編集することや、タイムチャージ明細書の発行も可能です。また、弁護士が各案件に費やした作業時間や金額を正確に記録でき、タイムチャージの請求漏れを抑制します。
LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムでは、タイムチャージ機能を通じて、売上損失の回避や業務効率化の改善、稼働業務量の可視化を実現します。カレンダーやストップウォッチからの半自動タイムチャージ登録、一括作成・編集機能により、登録漏れを防ぎタイムチャージ管理を簡便化します。
タイムチャージ管理を効率化したい方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムの導入をぜひご検討ください。
※参考:カレンダーからのタイムチャージ半自動登録&一括編集を可能とする新機能をリリース
※参考:企業法務系機能