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公開日 2026/06/25  更新日 2026/06/26

法律事務所の新規顧客を獲得するための集客施策3選

法律事務所の新規顧客を獲得するための集客施策3選

 

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。本シリーズでは、7回にわたって法律事務所の経営に役立つマーケティングの考え方を紹介しています。前回はマーケティングの3C分析について説明しました。第3回の今回は、法律事務所の集客施策についてみていきます。

 

 

集客の方法については、ネット上の多くの記事で紹介されているでしょう。この記事では、マーケティング視点から、どのような相談者・依頼者に効果があるものなのか、それぞれの方法のメリットや注意点について整理していきます。これまでの施策の振り返り、今後の施策の参考にしてください。

 

  • 法律事務所のオンライン集客のポイント
  • 法律事務所のオフライン広告にポイント
  • 法律事務所の対面施策のポイント

 

法律事務所が集客のために考えたい3つの施策

集客のために考えたい施策について説明していきます。まず、「場所(オンライン、オフラインなど)」や対面か非対面の違いなどで整理すると、施策は主に以下の3つに整理できます。

・オンライン施策(自社メディア、広告、外部プラットフォーム)
・オフライン広告(DM、広告)
・セミナー・相談会・交流会などの対面施策


また「施策」とは別に、集客において重要なのが「紹介」になります。3つの施策の説明の後、「紹介」についても触れていきます。

まずは、3つそれぞれの集客施策についてみていきましょう。

 

法律事務所のオンライン集客施策(自社メディア、広告、外部プラットフォーム)

何かを探すとき、インターネットでの検索が主流になっている現在、オンラインでの集客施策は非常に重要であるといえます。ここでは、オンラインでの集客施策について紹介します。主なオンラインの集客施策として考えられるのは、以下の3つです。

  • 自社メディア
  • オンライン広告
  • 外部プラットフォーム

 

詳細についてみていきましょう

 

自社メディア

ホームページ、SNSなど自所で運用しているメディアを自社メディアといいます。相談しようと思う法律事務所があれば、相談者・依頼者のほとんどは、まずその法律事務所のホームページを確認するでしょう。また、ホームページから受ける印象によって、問い合わせするかどうかを判断する場合もあるため、ホームページは集客としてとても重要な位置づけといえます。

 

 

では、集客を意識したホームページを制作するには、どのようなことに注意しなくてはいけないのでしょうか。主に考えられるのは、以下の5つです。

  • デザイン
  • コンテンツ
  • SEO対策
  • SNSとの連携
  • 問い合わせ窓口としての役割

 

一つ一つ見ていきましょう

 

デザイン

ここでいうデザインとは、「ホームページのアクセス者に自所をどう思ってもらいたいかを表現する」という意味です。ホームページを開いたときにスクロールせずに表示される部分を、ファーストビュー(FV)といいますが、FVで印象は大きく変わります。FVで自所がホームページのアクセス者に持ってもらいたい印象を考えて、色や写真や画像、文字のフォントなどを決めていきましょう。相談しやすい親しみやすさだったり、信頼につながる誠実さだったり、頼りになると思われる堅実さだったりと、持ってもらいたい印象は法律事務所によって異なるでしょう。どういう法律事務所と思われたいかをしっかりと持って、デザインを決めましょう。また、アクセス者がFVでもった印象がスクロールしたり、他のページに遷移したりしても崩れないように、ホームページ全体の統一感を意識することも大切です。

 

コンテンツ

第一印象はFVである程度決まってしまいますが、第一印象が良いからという理由でその法律事務所に相談しようと即決する人(企業)はほとんどいないでしょう。相談者・依頼者は、法的な課題を抱えている人たちです。日用品などのように頻繁に購入するものであれば、ページの印象で興味深いから1回試してみる、というようなことはできるかもしれません。一方、法律事務所のホームページにアクセスする人は、自分の人生(企業の存続)に与える影響が大きい課題を持つ相談者・依頼者も多いでしょう。第一印象が悪くなければ、次にどんな法律事務所かを判断するために、ホームページを確認していく行動に移ることになります。

この時に大切なのがコンテンツ(ホームページの掲載内容)です。自所のホームページにアクセスした人は、法律事務所の何を確認できれば、相談したい、依頼したいと思うのでしょうか。第1回「法律事務所の集客にマーケティング視点が必要な理由」で紹介した「マーケティング視点」をもとに、相談・依頼するために参考になる内容が掲載されているかを考えてコンテンツを作っていきましょう。また、対象と考えている相談者・依頼者が最終的に問い合わせようと判断できる(背中を押せる)ようなページに遷移を促すリンクボタンなどの設置も忘れないようにしましょう。

 

SEO対策

ホームページを立ち上げれば、相談者・依頼者が見に来てくれるわけではありません。ネット上には山ほどのホームページが存在しています。そして、どのサイトも自分のサイトにアクセス者が多く集まってくれることを願っています。そのような中で、自所のホームページにたどり着いてもらうためには、施策が必要です。

一つは後ほど紹介するオンライン広告であり、もう一つがSEO対策です。SEO対策とは、自所のホームページにアクセスしてもらいたい人が検索のときに使用するキーワードを想定し、そのキーワードで検索した際に自所のホームページが結果の上位に表示されるようにするための対策です。そのために必要なことは3つ。まずは、自所のホームページにアクセスしてほしい人が検索すると思われるキーワードを決める。2つめは、そのキーワードが入ったコンテンツを作成する。そして、3つめがそのコンテンツおよび自所のホームページ全体の評価を高めることです。SEO対策の成果が出始めると、ホームページのアクセス者増加につながります。

 

 

SNSとの連携

興味深いこと、誰かに伝えたいことがあると拡散されるSNSは、自所を知ってもらい、集客につなげるには良いツールだといえます。しかし、SNSを運用するには注意が必要です。SNSは自所メディアの一つであるため、自所のホームページとかけ離れたイメージで運用すると、同じ事務所と思われず、集客施策としてはマイナスになってしまう可能性があります。SNSで自所の存在を知ってもらって、ホームページに誘導することで理解してもらうという流れをつくるなど、SNSとホームページとの連携を意識しましょう。また、SNSは定期的な発信をして初めてみる人が増えていくものです。そのため、定期的な発信ができるよう、スケジュールを立てて発信できるようにしましょう。それが難しいのであれば、安易にSNSを立ち上げるのはお勧めできません。そして、拡散されることで自所を知ってもらえることが魅力であるSNSは、逆に悪いイメージも拡散されてしまうというリスクもあります。悪いイメージにつながる不用意な発信をしないように気を付けましょう。

 

問い合わせ窓口としての役割

ホームページはアクセス者を増やし、自所を知り、理解してもらうという役割のほかに、問い合わせ窓口という集客で重要な役割も持っています。電話番号、メールアドレスの記載、問い合わせフォームの設置など、自所に興味を持ち、相談したい、依頼したいという人の受け口をしっかり作っておきましょう。

 

オンライン広告

自所のホームページへの誘導に、よく利用されるのがオンライン広告です。
検索したキーワードに連動して表示されるリスティング広告、SNS上で配信されるSNS広告、webサイトやアプリなどの広告枠に画像や動画などで表示するディスプレイ広告などがあります。

リスティング広告は、広告を出すキーワードを絞り込むことで、自所が求める対象に広告を表示することができ、SNSは登録されたプロフィールなどをもとに対象にしたい人に絞り込んで広告を表示することができます。またディスプレイも対象とする人が閲覧するであろうwebサイトやアプリを選択することで、対象とする人に広告を表示できます。

しかし、第2回「法律事務所の集客を成功させるために整理したい3つのポイント【3C分析】」でも紹介したように、対象としたい人(企業)が同じなら、他の法律事務所も同じキーワードを選択し、SNSでも同じようなプロフィールを持つ人を選択し、同じようなwebサイトやアプリに広告を出すでしょう。同じ対象を狙う事務所が増えれば、競争は高まります。競争に勝つためには広告費用を上げていく、競合とは異なるキーワードを狙う、表示されたときにクリックしたいと思わせる広告文を作成するなどの対策が必要になります。そして、これらの対策は継続的に行う必要があり、運用負荷がかかることを知っておきましょう。
広告はホームページに人を集めるには、重要な施策の一つです。一方で、効果を出すためには、費用や運用負荷も発生することは理解しておく必要があるでしょう。

 

外部プラットフォーム

自所のホームページに人を集める、自所のことを知ってもらうには、広告のほかにも外部のプラットフォームを利用するという施策があります。弁護士を紹介したポータルサイトをはじめ、比較サイトやQ&Aサイトなど、弁護士、法律事務所を探す人たち向けのプラットフォームがあります。外部プラットフォームに登録することで、SEO対策や広告だけではたどり着くことが難しい相談者・依頼者に自所のことを知ってもらうことが可能になります。プラットフォームによって特徴がありますので、自所が求める対象が閲覧していると思われる外部プラットフォームを選択し、うまく活用していきましょう。

 

 

法律事務所のオフライン広告(DM、広告)

自所の存在を知ってもらうには、オフライン広告も効果があります。主なオフライン広告には以下のものがあります。

 

  • DM
  • 雑誌広告
  • テレビ広告
  • 新聞広告
  • 交通広告

 

タイプ別にまとめて紹介します。

 

対象を絞ることができるDM・雑誌広告

オフライン広告では不特定多数の人にメッセージを届けるタイプのものが多い中、DMと雑誌広告は対象を絞り込むことが可能な媒体といえます。

DMは対象となる人に伝えたい内容を、郵送で送ります。自所が主催する、または共催する無料相談会やセミナーの案内などは確実に手元に届くDMは効果的だといえるでしょう。一方、DMの開封率は必ずしも高いとはいえません。メッセージが目に入りやすいようにハガキにする、または開封率を高めるために封筒に何のお知らせかを記載するなどの工夫が必要となるでしょう。

次に雑誌についてです。種類が多数あるファッション雑誌を考えても、雑誌が対象読者を絞って作られているものであることがわかります。自所が求める対象が購読する雑誌に広告を出稿すれば、存在を知ってもらうことができるでしょう。ただし、雑誌はそれぞれのカラー(特徴)があります。自所の広告が雑誌のカラーとかけ離れていると浮いてしまい、また寄せすぎると雑誌の記事や他の広告に埋もれてしまう可能性があるため、広告デザイン、メッセージに工夫が必要です。特に重要なことは、雑誌との調和を意識しすぎて自所が持ってもらいたいイメージとかけ離れた広告を作成してしまい、雑誌を見てホームページにアクセスした人が違う事務所と認識してしまうようなことが起こらないようにすることです。違う事務所と思ったら、そのアクセス者はスクロールすることなくホームページを離れてしまうでしょう。

 

不特定多数に存在を知らせるテレビ広告、新聞広告

どの時間帯のどのテレビ番組に広告を出稿するかで、ある程度の対象の絞り込みは可能ですが、雑誌やDMほど絞り込めることがないのがテレビ広告です。同様に新聞も地域を選択できるくらいかもしれません。ただ、法的な課題はいつ誰の身に降りかかるかわからないものです。そのため、目にしたことがある、耳にしたことがあることは、法律事務所を選択する際に重要な要素の一つになるでしょう。そういう意味では、テレビ広告、新聞広告は集客施策として効果があるといえます。一方、テレビ広告、新聞広告は出稿費用に加え、クリエイティブ制作費用が高額になることも多いため、マーケティング予算との相談で検討するかどうかを決めましょう。

 

継続的接触が可能な交通広告

交通広告には、ビルの屋上にある看板や電車内に貼られた広告(中吊り広告やつり革広告など)、電車内やタクシーで流れる映像広告などがあります。不特定多数が対象になることはテレビ広告や新聞広告と同様ですが、交通広告は継続的接触が可能という特徴があります。交通広告は通勤や通学で目にすることが多いものです。そのため、いつも通る道で目に入る看板、いつも乗る電車で流れる映像広告など、継続的に接触する可能性が高いといえます。継続して接触することは、それだけ記憶に残りやすいともいえるでしょう。相談者・依頼者が通勤する経路などがピンポイントで特定できる場合は、交通広告を検討するのもいいでしょう。

 

セミナー・相談会・交流会などの対面施策

集客施策の3つめとして、セミナー・相談会などの対面施策を紹介します。これまで紹介したオンライン施策、オフライン広告は対象となる相談者・依頼者との対面はなく、一方通行で自所のメッセージを伝えることが中心の施策です。一方、直接会うからこそ伝わるものもあるため、対面施策は集客施策としては検討していきたいものです。対面施策は大きく、以下の2つに分けられます。

 

  • 自所主催
  • 共催・外部主催

 

それぞれについて、説明します。

 

自所主催

自所で主催する無料相談会やセミナーです。自所で主催することのメリットは、自所が対象とする相談者・依頼者のことだけを考えて、内容を決めることができるという点です。無料相談も相談内容を絞って募集をかけることができ、またセミナーも他の参加事務所と強みがバッティングすることはないため、自由に自所の特徴や強みを伝えることができるでしょう。

一方で、自所主催で一番苦労するのが集客です。これまでにコンタクトのあった人にお知らせするだけでは十分な人数が集まらないかもしれません。他に宣伝方法についても検討する必要があるでしょう。自所主催はメリットは大きい一方で、魅力的で参加したいと思わせる内容にすること、集客方法を考えることができて初めて成り立つものであることを知っておきましょう。

 

共催・外部主催

集客への心配が軽減されるというメリットがある共催・外部主催について説明します。共催・外部主催には以下のようなものがあります。

 

  • 共催セミナー
  • 市や区などが主催する無料相談会
  • 交流会、勉強会など

一つ一つ見ていきましょう

 

共催セミナー

他の法律事務所、または企業と共催で行うセミナーです。一般的にはセミナーテーマに合わせてそれぞれのパートで講演するというスタイルです。企業のとの共催では、必ずしも法的な課題を持った参加者ばかりではない可能性があります。しかし、他の法律事務所、企業との共催セミナーのいずれの場合も、自所単独と比較し集客負荷が軽減することに加え、講演やセミナー後の個別相談を通じて、自所では集客できない相談者・依頼者と出会えることが魅力です。共催セミナーのテーマが、自所の良さを伝えられる内容であれば、積極的に参加の検討をしていくのがいいでしょう。

 

市や区などが主催する無料相談会

相談会は初めから相談事がある人が参加するため、依頼につながる可能性が高く、集客の機会としては大切な場となります。たとえ、その場の相談で終わってしまっても、印象が良ければ、何かあればこの先生にお願いしようという思いを相談者に持ってもらえる可能性もあり、将来の依頼者につながるかもしれません。

一方で無料相談は、話を聞くまで自所の得意とする業務分野の相談かどうかはわからない場合もあるでしょう。必ずしも自所が対象としたい相談相手ではないとしても、相談を聞き、内容を整理できれば、相談者の満足度を高め、信頼につながります。その信頼が将来の依頼者、紹介につながる可能性もあるでしょう。

 

交流会、勉強会

弁護士同士の交流会、勉強会は情報交換ができる貴重な場です。自所の業務分野を伝えていくことで、お互いに対象以外の分野の相談があったときに連絡を取り合うこともできます。異業種交流会においても、他の業界の人と知り合い、視野を広げるために大切な場所になります。ここでの名刺交換が、相談や紹介につながる可能性がありますので、交流会、勉強会は集客の大切な機会として、積極的に参加を検討するのがいいでしょう。

 

紹介による新規顧客獲得(信頼ベースの集客)

最後に「紹介」について説明します。施策として計画を立てることは難しいですが、「紹介」は集客の最高の手法です。「紹介」には、個人、企業ともに既存顧客からの紹介、士業同士のつながりの他、先述の異業種交流会で知り合った人からの紹介などがあります。

「紹介」の強さは、なんといっても自所のことを知っている、自所の良さを理解している人、企業が自所を勧めてくれるという点です。どんなに素晴らしい実績であっても自所が話すのと、それを経験、納得した他者が話すのでは、大きな違いがあります。企業の広告に比べ、口コミや比較サイトのほうが信用度が高いことが、そのことを物語っています。

紹介が集客の最高の手法であるからといって、紹介のお願いばかりをしていたら、相談者・依頼者がいなくて困っている事務所という印象を与えてしまう可能性があります。自然と紹介したくなるよう相談者・依頼者との関係構築を心掛けるようにしましょう。

自所に合った集客施策を選び、継続的に実行しよう

集客施策はそれぞれ特徴、メリット、注意点が異なります。すべての施策を試すには費用と労力が必要になるため、まずは自所が対応可能なところから、優先順位をつけて行っていきましょう。この際、前回紹介した「3C分析」が役に立ちます。分析結果のもと施策を実施すれば、結果の評価もしやすいでしょう。マーケティング視点を大切に、施策の選択、実施をしていきましょう。

次回はオンライン施策をするときに意識したい2つのポイントについて紹介します。

LEALA(レアラ)は幅広い法律事務所業務に対応した生産性と依頼者満足度の向上を実現する案件管理システムです。マーケティングにも活用できます。各ポータルサイトや各種広告施策からの流入・受任・売上比率をリアルタイムに可視化し、マーケティングの結果を定量データとして分析、効果的な施策を導き出すことが可能です。他の法律事務所の案件管理の事例だけでなく、マーケティングとしてどのように活用しているのかについてご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。資料一覧からダウンロードいただくことも可能です。

 

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事

 

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