公開日 2026/08/03 更新日 2026/08/03
法律事務所がシステム導入前に整理しておきたい5つのこと
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのセールス・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるためにおさえておきたいこと」を7回シリーズで紹介しています。第4回である前回は、大規模事務所がシステムを導入する時の主なきっかけについて説明しました。今回は、法律事務所がシステム導入をする前に整理しておきたい5つのポイントについて説明します。
- 第1回 「DXだから」でシステムを導入した法律事務所が失敗するただ一つの理由
- 第2回 一般民事系の法律事務所がシステム導入を検討し始める“共通点”とは
- 第3回 企業法務系の法律事務所が「システムに頼りたい」と感じる理由とは
- 第4回 大規模法律事務所がシステムに求めるものはなぜ違うのか
- 第5回 法律事務所がシステム導入前に整理しておきたい5つのこと ←今回はここ
- 第6回 システム導入がうまくいく法律事務所に共通する3つのこと
- 第7回 システム導入がうまくいく法律事務所は、導入前に何をしているのか
第1回「「DXだから」で管理システムを導入した法律事務所が失敗するただ一つの理由」で紹介したように、システムの導入には目的、どんな課題を解決したいかを明らかにすることが大前提です。そして、システムを導入したら、業務の効率化をはじめシステムを導入した恩恵をたぶんに受けたいと思うのは当然のことといえるでしょう。
それには、目的をはっきりさせること以外に重要なことがあります。ここでは、LEALAのセールス・シニアマネージャーがお客様対応のなかで感じた、システム導入をスムーズに進め、システム導入を成功に導くために、事前に整理しておきたい5つのポイントを紹介します。整理することで、システム導入の検討時、サービス提供会社を決める時に役立ててください。それがシステム導入を成功に導くことにもつながるでしょう。
- これまで使用していたツールの整理の仕方
- 情報公開制限の整理の必要性
- ツールの整理からわかる業務フローのボトルネック
事前に整理したい5つのポイント
システムを導入する目的、どんな課題を解決したいかを決めるだけでは、システム導入が成功するわけではありません。システム導入前の事務所の状況を整理しておく必要があります。システム導入をスムーズに進めるために整理しておきたいポイントは以下の5つになります。
- ポイント1. どの情報をどのツールで管理しているのか
- ポイント2. 人によって異なるツールを使っていないか
- ポイント3. 情報の公開範囲はどうなっているか
- ポイント4. そのツールを使い続けてきた理由は何か
- ポイント5. 業務フローの中で各ツールはどのようにかかわっているか
一つ一つ詳しく説明していきます。
ポイント1. どの情報をどのツールで管理しているのか
「情報ごとに使用しているツールが異なり、点在している情報を一元化したい」というのがシステム導入の最大の目的となっている法律事務所も多いでしょう。ただ、この目的を持った時点では、業務効率が上がらないのは、何かあるたびに、該当する情報が蓄積されているツールを確認しなくてはならない、どこになんの情報があるかわからなくて、そのたびにツールを探すという手間を何とかしたいという現状を何とかしたいという気持ちが強いといえます。
サービス提供会社に問い合わせる時は何とかしたいという気持ちが強く、どの情報を一元管理したいのかまで、整理できている法律事務所ばかりではないかもしれません。どの情報を一元管理したいのか、そもそも、各情報が管理されている、蓄積されているツールは何なのかを整理しておくことをお勧めします。
一元化したい情報と情報を蓄積しているツールが整理されていれば、問い合わせやその後のサービス提供会社との打ち合わせ、情報移管の方法や移管情報のデータ量による移管の見積書の策定などがスムーズに進むことでしょう。
ポイント2. 人によって異なるツールを使っていないか
情報の一元管理を求めるほとんどの法律事務所が、多数の所員(少なくても2人以上)が在籍しているのではないでしょうか。ポイント1でどの情報をどのツールで管理しているかを整理することを紹介しました。情報を管理している、蓄積しているツールを整理する時に、確認しないといけないのが、同じ情報でも人によって異なるツールを使っていないかという点です。例えばメールの送受信に、ある所員はGmailを使い、別の所員はoutlookを使っているなどです。自分が普段当たり前のように使っているツールだと、他の人が別のツールを使っている可能性について考えてみたこともないかもしれません。しかし、システムで情報の一元管理を行う場合は、誰がどのツールを使っていて、同じツールに統一できるかの確認は必要になります。ツールを整理する際には、事務所内全員のツールを確認するようにしましょう。
ポイント3. 情報の公開範囲はどうなっているか
事務所ではどのような情報があり、どのツールで管理、蓄積されているかを整理できたら、次に必要なことは情報の公開範囲です。事務所内の誰もが閲覧可能、または閲覧できないと困る情報もあれば、経営者のみ、一部の所員のみにしか閲覧、更新できないようにしたいという情報もあるでしょう。この閲覧権限、更新などの編集権限への対応の必要性が、ツールやファイルの数を増やしてしまった要因のひとつである事務所も多いかもしれません。
情報の整理をするとき、各情報について公開範囲はどうするのかも一緒に整理をしておきましょう。システムを導入する際に最初に設定しておくと、安心して使用開始に進めるでしょう。
ポイント4. そのツールを使い続けてきた理由は何か
現在使っている複数のツールのうち、気に入っているものもあるかもしれません。なんでそれを使っているのかを考えておくのも大切です。あるツールが流行りだしたのでなんとなく契約し、そのまま使い続けているという場合もあるかもしれません。使用していて問題があれば途中で別のツールに変更している可能性が高いため、なんとなくでも使い続けていることには、それなりの理由があるはずです。なぜ、どんなところが気に入って使い続けているのか、本当にそのツールにこだわる必要はあるのか、代替可能であるかなどを洗い出してみましょう。
システムに移行した後に、どうしても気に入って使っていた機能がないことに気が付いて、別のシステムに乗り換えたいと思っても簡単にできるものではありません。システム導入は対応も費用も負荷の大きいものです。ツールやアプリと同じような感覚で導入はできないことを意識しておきましょう。そのためにも、どこにこだわって、何が気に入ってそのツールを使い続けているのかを深堀しておくことで、システムの機能で代替ができるのかの確認を事前にすることができ、システム導入後に慌てることはなくなるでしょう。
ポイント5. 業務フローの中で各ツールはどのようにかかわっているか
システム導入によって実現できることは、情報の一元管理だけではありません。情報が一元管理されることで、システムの中で法律事務所の業務をすべて行っていくことが可能になります。つまり、システムによって、法律事務所の業務フローを体現していくことになります。これまで使用してきたツール、アプリが自所の業務フローのどの時点でどのようにかかわっていたのかを整理することで、業務フローのボトルネックを見つけることが出来たり、システムに求めることが整理できたりします。
例えば、業務フローがうまくいっていないと感じる理由、ボトルネックが、ツール自体だとわかることもあれば、誰もが同じようにデータ登録に同じツール、例えばエクセルを使っている場合でも人によって登録の仕方が異なることでデータ整理に時間がとられるというツール以外の課題も見えてくるかもしれません。
また、業務効率を進める際の自所の業務フローの中で特に求めているものを再整理することも可能になります。例えば業務フローのどこでどんなツールを多用していたかにより、自所が多く扱う案件を進める際に重要視される対応が、例えば「受任前の顧客からの情報収集と整理」なのか「受任後の進捗管理や処理」なのかが再認識できるかもしれません。それがわかると、自所が多く扱う案件が重視していることに対応できるシステムであることが選択要因として大切なものとなるでしょう。
これらの5つのポイントを整理して、効率化を目指せる業務フローはどういうものかについて意識を持っておく、これがシステムを導入する前には必要です。
これまでの努力で積み上げた業務フロー変更への抵抗感を考慮する

どの情報をどのツールで管理していたのか、情報の公開範囲など、5つのポイントを整理していく作業は負荷の高いものです。しかし、作業以上に負荷が高いのは各所員の気持ちの整理かもしれません。ツールは増やしたくて増やしてきたわけではなく、各業務を少しでも効率化したい、使い勝手がいいものを使用したいという、自所の業務を思って行動してきた結果といえます。
システム導入前に、5つのポイントを整理していく中で、改めてこれまで頑張って業務フローを組んできたことに気が付くかもしれません。システムを導入することで、これまでの頑張りが無駄になるのではないかという心理的抵抗は、自所の業務を何とか効率化したい、成果をあげたいと考えてきた所員であればあるほど、あって当然のことといえます。一方で、システムを導入することで、新たな課題が出てくるたびに他のツールを探すなど課題解決に向けて悩む必要が今後なくなることになります。これまで頑張ってきたからこそ、課題がわかり、その課題が解決できるシステムを選択できる、そのように気持ちを整理することで、失敗しないシステム導入をしていくことができるのです。
事前整理を後回しにするほど、システム導入は難しくなる
システムを導入するということは、これまで使用してきたツールの洗い出しや課題の整理が必要になります。5つのポイントを整理していくことで、この課題を解決するためにこのツールを入れた、ツールを使うことで業務フローを少し変更したなど、これまでの課題と向き合ってきた自所の姿が見えてくるでしょう。整理ができている状態だからこそ、システムに求めることもはっきりしてきます。求めるものがはっきりしてくれば、自所にあったシステムの選択ができ、導入までの道のりも短縮されることでしょう。5つのポイントを整理して、システム導入を成功に導きましょう。
次回はシステム導入を成功させるために心がけたい3つのことについて説明します。
LEALA(レアラ)は法律事務所の案件管理システムです。Salesforceを開発基盤としているため、連携可能なアプリ数は5,000※を超えています。例えば、Gmail, Outlookのメール連携も可能です。そのため、LEALAではGmail、 Outlookでのメールのやりとりも、電話、タスク、日程調整等の他の対応履歴とともに案件毎に紐づいて記録することができ、確認工数の削減や属人化防止につながります。ツールやアプリの利用状況を整理してあれば、LEALAを導入する際、使い続けたいツール、アプリとLEALAは連携できるのかの確認、また連携できなくても、なぜ使い続けたいのかがわかれば、代替案も提案できます。
LEALAにご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。資料をご覧になりたい方はこちらです。
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
金 大翔
株式会社レアラ セールス シニアマネージャー
複数社で営業・事業開発に従事後、コンサルティング業務を経てレアラに参画

