法律事務所における電話対応のコツは?弁護士業界での課題も解説
この記事では、法律事務所における電話対応のコツを解説していきます。
法律事務所では相談希望者や依頼者、その相手方、裁判所などさまざまな相手と電話する機会があります。相談を依頼に繋げたり依頼者により良い対応をしたりするためには、対応の仕方が重要なポイントになるでしょう。
この記事では、法律事務所における電話対応のコツに加え、課題について詳しく解説します。
法律事務所の電話対応を効率化できる案件管理システムについても紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
- 法律事務所における電話対応の主な種類
- 法律事務所における電話対応のコツ5選
- 【弁護士】法律事務所における電話対応の課題
- 法律事務所の電話対応を効率化させるなら案件管理システムがおすすめ
法律事務所における電話対応の主な種類
法律事務所における電話対応は、相手の属性によって分類できます。電話対応の主な種類は以下の通りです。
順番に解説していきます。
- 相談希望の電話対応
- 依頼者からの電話対応
- 依頼者の相手方からの電話対応
- 裁判所からの電話対応
- 弁護士からの電話対応
相談希望の電話対応
相談希望の電話対応は、新しいクライアントや潜在的なクライアントからのもので、「法的な問題を抱えていて相談したい」という内容が中心です。
対応の際はまず、早く相談に繋げることが重要です。待たせてしまうと他の事務所に行ってしまうおそれがあります。
相談に繋げたら、相手の話を丁寧に聞き、どのような問題であるかを理解することが大切です。
相手がどのような助けを求めているのかを正確に把握し、より適した弁護士に繋げられるよう、事務所内の専門分野や弁護士のスケジュールを把握しておく必要があります。
依頼者からの電話対応
既に依頼を受けているクライアントからの電話対応は、案件の進捗確認やアドバイスの依頼など内容が多岐にわたります。
依頼者からの電話対応では、主に以下を明らかにすることが重要です。
- 電話した目的
- 弁護士に伝えてほしいのか
- 弁護士と話がしたいのか
- 返電が必要なのか
- 返電がスケジュールの面で可能なのか
依頼者からの電話対応は、依頼者の情報をすぐに確認し、担当の弁護士や他の担当者に速やかに繋ぐことが重要です。
依頼者の相手方からの電話対応
依頼者の相手方からの電話対応は、特に慎重さが求められます。相手方の情報や用件を正確に把握し、適切に対応することが重要です。
依頼者の相手方からの電話の際は、事務局での対応が不適切な場合も多く、正確に担当弁護士に繋ぐ必要があります。弁護士が不在の場合でも、担当事務局が弁護士の対応方針に従った適切な対応をとる必要があります。
裁判所からの電話対応
裁判所からの電話においても、対応の正確さと早さが求められます。裁判所からの問合せや通知には、法律事務所にとって重要な情報が含まれています。特に注意深く聞き取り、必要な対応を行わなければなりません。
裁判所からの電話を受けた際は、主に以下の確認を取りましょう。
- どの弁護士への問い合わせか
- どの裁判所・誰からの連絡か
- 該当する事件番号
また、用件は必ずメモし担当者に正確に伝えることが重要です。
弁護士からの電話対応
弁護士からの電話対応では、案件に関する情報交換や意見の調整が主な目的です。専門的な用語が頻繁に使用され、話題は具体的で専門的な内容に集中しがちです。
ポイントは、単なる伝言であれば別として、弁護士に繋ぎ、弁護士同士での直接の会話が望ましい場合が多いでしょう。
法律事務所における電話対応のコツ5選
ここでは、法律事務所における電話対応のコツ5選を解説していきます。
順番に見ていきましょう。
- 丁寧な受け答えを意識する
- 電話の内容はしっかりと適切にメモする
- 弁護士に繋ぐかどうかは慎重に判断する
- クレームは冷静に対応する
- 不確かな情報を断言しない
丁寧な受け答えを意識する
電話対応の基本は、丁寧な受け答えを心がけることです。
受話器を取る際のあいさつから、相手の名前や会社名を正確に把握し、適切な敬語を使用することが重要です。また、相手の話を遮ることなく一言一句丁寧に聞き、理解を示す姿勢を見せることが信頼を築く上で欠かせません。
対応時には、相手が伝えたいことを正確に理解し、わからない部分は適宜質問や確認を行うことで、相手に安心感を与えられるでしょう。
電話の内容はしっかりと適切にメモする
電話でのやり取りの内容は、後の対応や引継ぎのためにも正確に記録しておく必要があります。
相手が話している間に重要な情報をメモすることで、後で内容を思い出す際の誤解を防ぎ、スムーズに業務を進められるでしょう。
後で確認できるように、メモには以下の内容を記載しましょう。
- 電話対応した日時
- 電話の相手の氏名
- 会社名
- 連絡先
- 相談内容
電話の終了後はメモを基に必要な対応を行い、弁護士や他のスタッフ間で共有することで、対応漏れを防ぐことができるでしょう。
弁護士に繋ぐかどうかは慎重に判断する
電話での問い合わせに対して、すべての電話を直接弁護士に繋ぐわけにはいきません。事務所の業務効率と弁護士のスケジュールを考慮し、どの電話を弁護士に繋ぐべきか慎重に判断する必要があります。
事務的な問合せに対しては、熟練のスタッフや事務員でも対応できる場合が多くあります。重要な案件や緊急を要する相談のみを弁護士に繋ぐことで、弁護士の時間を最も効果的に活用できます。
クレームは冷静に対応する
クレームや不満を持つ人からの電話には、冷静に対応することが重要です。
感情的になっている相手であっても、話を注意深く聞き理解を示すことで、状況を落ち着かせられるでしょう。状況を落ち着かせつつもクレームの内容は正確にメモし、適切な解決策を提案するか、担当者に伝えることが大切です。
不確かな情報を断言しない
法律事務所のスタッフとして、電話で提供する情報は正確である必要があります。
不確かな情報を提供すると、相談者や依頼者の誤解を招き、トラブルの原因になりかねません。最悪のケースでは、事務所の信頼性を損なうおそれもあります。
情報が不確かな場合はその旨を正直に伝え、正確な情報を持っている担当者に相談するか、内容によっては後ほど情報を確認して折り返し連絡することを話しましょう。
【弁護士】法律事務所における電話対応の課題
法律事務所における電話対応の課題について、弁護士の視点から解説していきます。
順番に見ていきましょう。
- 事務員などのスタッフの負担軽減
- 受電漏れによる機会損失の防止
- 業務効率化の向上
事務員などのスタッフの負担軽減
法律事務所における電話対応は、事務員やその他のスタッフにとって大きな負担となりがちです。スタッフの負担をどのようにして軽減させるのかは、法律事務所にとって大きな課題です。
電話による問合せは日頃から数多く発生するため、対応するために業務を頻繁に中断しなければならず、作業効率が低下するおそれがあります。
また、法律事務所が取り扱う情報の性質上、センシティブな対応が多く精神的な負担が大きいことも事務員の負担が大きくなる原因です。
スタッフの負担を軽減するためには、電話対応のための専門チームを設置したり外部のコールセンターと契約したりするなどの方法が考えられます。
受電漏れによる機会損失の防止
受電漏れは、新たなクライアント獲得のチャンスを逃す原因となります。特に、新規の相談者からの問合せが漏れると潜在的な依頼を逃すことになり、事務所にとって大きな損失となります。
受電漏れによる機会損失を防ぐためには、電話対応システムの導入や、電話が常に適切に対応される体制を整えることが重要です。
また、電話対応の品質を確保するための研修を定期的に実施することも効果的です。
業務効率化の向上
電話対応の効率化は、法律事務所の業務全体の効率化に直結します。
電話対応に関するマニュアルの策定や、案件管理システムの導入によって、電話対応を効率的にミスなく行えるようになるでしょう。
電話対応にかかる時間を短縮し、情報を正確に記録し共有できるようになれば、結果として業務全体の生産性が向上します。
法律事務所の電話対応を効率化させるなら案件管理システムがおすすめ
法律事務所の電話対応を効率化させたい方は、案件管理システムを導入することをおすすめします。案件管理システムを導入すると、主に以下のメリットが得られます。
- 情報を一元管理できる
- 対応履歴が管理できる
- 案件の進捗状況がわかる
- タスク・スケジュールを管理しやすくなる
案件管理システムを用いると、クライアントや案件に関連する情報を一元管理でき、容易にコンフリクトチェックが行えます。
また、電話での問合せに対して、事務所毎に必要な情報を事前に登録しておくことで抜け漏れなくヒアリングでき、クライアントに対して素早く正確な情報を提供できるようになります。
電話対応においてクライアントとの認識の齟齬をなくすために、通話内容を記録することはとても重要です。
案件管理システムを使用することで、案件や顧客(取引先)の情報に紐づけて通話内容等の対応履歴や依頼内容を記録できます。
各案件管理システムによって備わっている機能は異なりますが、弁護士・法律事務所向けに開発されたクラウド業務管理システムLEALA(レアラ)なら、前述した内容はもちろん、以下のメリットを得られます。
- 電話を受けてすぐに検索して適切な担当に繋げる
- ヒアリング事項が備わっているので聞き漏れがない
- 担当が不在であっても電話の相手方の情報が確認できる
- 電話内容を記録し、タスクとして担当者に通知できる
LEALAはシステムの基盤にSalesforceを採用しており、Salesforceと連携可能なアプリ数はグローバルで5,000種類を超えています。そのため、LEALAを基軸にシステムを一元化して、中長期的かつ統合的なデジタルシフトが可能となります。
また、LEALAはCTI連携などアプリ連携数にも実績があるため、様々なクラウドツールと連携して業務を一元管理することで、電話対応のみならず法律事務所業務の効率化を促進させることができます。実際に、CTIをはじめとする様々なクラウドツールを利用して業務効率化した法律事務所様の成功事例をご紹介いたしますので、ご関心がある方はチェックしてみてください。
電話対応のみならず法律事務所業務を効率化させたい方は、弁護士・法律事務所向けクラウド業務管理システムLEALA(レアラ)の導入をご検討ください。
様々なクラウドツールを一元化して、 なくてはならない事務所の基幹システムに。
弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所 上野支店様
※CTIとは、電話とコンピュータを連携させる事で、電話がかかってきた時にクライアント情報をコンピュータに表示させる事を可能にするシステムです
※各システムとLEALAを連携する要件に関しましては、直接お問い合わせください
※参考:FAQ 他のシステムとの連携はできますか?
法律事務所の電話対応に関するよくある質問
ここでは、法律事務所の電話対応に関するよくある質問に回答していきます。
疑問の解消にお役立てください。
- クレーム対応の電話はかけ直しをすべき?
- 弁護士向けの電話代行サービスってなに?
- 法律事務所の電話対応で役立つスキルは?
クレーム対応の電話はかけ直しをすべき?
クレーム対応の電話をかけ直すべきかどうかは、状況によります。
- 弁護士がついていない相手方からのクレーム
- 依頼者が弁護士の対応に不満を抱いた場合
上記など、電話の相手方によっても対応が異なります。
相手が感情的になっている場合や、対応に時間を要する場合は、一度落ち着く時間を設ける意味でもかけ直しを提案することが有効な場面もあります。
かけ直しの際には、具体的な時間を提案し、相手の都合も尋ねることが重要です。相手も準備を整える時間が持てるので、より建設的な対話が可能になる可能性があります。
弁護士向けの電話代行サービスってなに?
弁護士向けの電話代行サービスは、法律事務所の代わりに専門のスタッフが電話対応を行うサービスです。電話代行サービスを利用することで、法律事務所は電話対応の手間がなくなり、より専門的な業務に集中できるようになります。
電話代行サービスのスタッフは、通常の問合せ対応や予約の受付など、さまざまな電話対応を代行します。法律事務所の業務効率が向上すれば、サービスの質も上がることも期待できるでしょう。
一方で、電話代行サービスの担当では内容を把握していないため、知っている事務局にすぐ繋がるだろうと期待して連絡するクライアントの期待には十分に応えられないかもしれません。
また、電話代行で伝言された内容をあらためて担当の事務局が聞き取りし直さなければならない場合には、余計に煩雑となってしまう場合もあるかもしれません。
電話対応は事務所の顔ともいえる重要なものですので、電話代行サービスにはメリット・デメリットがあることを考慮して、事務所にとって適切なサービスの利用を検討する必要があります。
法律事務所の電話対応で役立つスキルは?
法律事務所の電話対応で役立つスキルとして、以下が挙げられます。
- 聞き取り能力
- コミュニケーションスキル
- 問題解決能力
相手の言っていることを正確に理解する能力は、電話対応において非常に重要です。適切な情報提供や問題解決へ繋がります。
また、相手に対して丁寧かつ明確に情報を伝える能力は、信頼関係の構築に不可欠です。特に、専門用語を避けわかりやすい表現を使うことが大切です。
電話対応では、さまざまな問題やクレームにも対処する必要があります。状況を迅速に把握し、適切な解決策を提案する能力が求められます。
法律事務所での電話対応は業務効率化が”カギ”
法律事務所での電話対応は、どの案件についての誰からの電話であるか確認するだけではなく、電話の内容を正確に把握する必要があります。スタッフの負担を軽減させ、受電漏れによる機会損失を防ぐためには、業務を仕組み化して効率化することが重要です。
法律事務所の電話対応を仕組み化して効率化したい方は、案件管理システムの導入がおすすめです。電話対応の際に必要な情報を事前に設定しておくことで抜け漏れなくヒアリングできたり、通話相手の情報を検索して即座に把握できます。
終話後は案件や顧客(取引先)情報に紐づけて通話記録を残すことで、事務所全体で案件の進捗状況や依頼されたタスクなどを確認できます。電話対応業務を効率化することで、クライアントの満足度向上にもつながるでしょう。
どのシステムを導入するかお悩みの方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムがおすすめです。
LEALAは、数百名規模から数名規模の法律事務所まで幅広くご採用いただいている、弁護士業務を効率化する業務管理システムです。分野や規模問わず全国様々な法律事務所に導入いただいており、実務のフローに沿った機能開発に現役弁護士が携わっています。
前述の内容はもちろん、コンフリクトチェックや顧客・案件管理、タスク管理、スケジュール管理、書類管理、会計管理、売上などの経営情報や流入経路別受注率などのマーケティング情報など柔軟に分析できます。
業務品質向上と業務効率化をどちらも実現したい方は、ぜひLEALAのクラウド業務管理システムの導入をご検討ください。