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公開日 2026/07/30  更新日 2026/07/30

大規模法律事務所がシステムに求めるものはなぜ違うのか

大規模法律事務所がシステムに求めるものはなぜ違うのか

 

 

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのセールス・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるためにおさえておきたいこと」を7回シリーズで紹介しています。第3回である前回は「企業法務系法律事務所が管理システムを導入するきっかけ」について紹介しました。今回は「大規模法律事務所が管理システムを導入するきっかけ」について紹介します。

 

 

一般民事系、企業法務系と業務分野によってシステムを導入する主なきっかけが異なることを見てきました。業務分野だけではなく、法律事務所の規模によっても導入のきっかけは異なります。大規模事務所は中小規模の事務所とどのような点でシステムに求めることが異なるのでしょうか。大規模法律事務所が、システム導入を検討するきっかけについて紹介します。

 

  • オンプレミスによる課題にはどんなものがあるか
  • 自所運用から生まれる課題にはどんなものがあるか
  • システム老朽化の課題にはどんなものがあるか

 

大規模法律事務所がシステムを導入するきっかけ

大規模の法律事務所では、自所で開発したシステムを使用しているところも多いでしょう。自所でシステム開発会社に依頼し、自所に合わせたオリジナルのシステムを開発しているのであれば、他社が提供しているシステムを導入(切り替え)の検討するきっかけなどないと思われるかもしれません。しかし、大規模事務所だから、自所での開発だからこその課題もあるのです。システム導入(切り替え)のきっかけにつながる、主な以下の3つの課題についてみていきましょう。

・オンプレミスによる課題
・自所運用による課題
・システムの老朽化による課題

 

置き型オンプレミスによる課題

自所で開発しているシステムの場合、置き型オンプレミスを使用している場合もあるでしょう。置き型のオンプレミスでは、自所の独自の業務フローに合わせて柔軟なカスタマイズができること、データが社外に出ることがないため情報漏洩のリスクが低減できること、そして社内専用回路で使用できるためインターネット環境に左右されないというメリットがあります。

一方で、以下の2つの課題があります。

 

  • 社内にいないと使えない
  • メンテナンスの負荷がかかる

 

それぞれ見ていきましょう。

 

社内にいないと使えない

メリットである、「データが社外に出ることがないため情報漏洩のリスクが低減できる」の裏返しで、社内にいないとデータを見ることができないというのが1つ目の課題です。移動しながら、外出先で、そして在宅ワークでデータを閲覧することができないというのは、リモートワークが増えてきた現在では、業務をしていくうえで大きな課題といえるでしょう。

 

メンテナンスの負荷がかかる

システムは一度構築したら、それで永遠に使用できるというものではありません。置き型オンプレミスの場合は、サーバーのメンテナンスが必要になります。データが増えれば容量増加へ対応が必要になるなどサーバーの保守、セキュリティツールの更新、故障対応など、対応への労力だけでなく費用負担も決して少ないとはいえないでしょう。サーバーのメンテナンスの負荷が課題となります。

 

自所運用による課題

自所で開発したシステムであれば、運用も自所で行っている法律事務所も多いでしょう。すべて自所で行えば、自所に適した開発・運用ができるというメリットがあります。一方で、すべて自所で行うが故の課題もあるといえるでしょう。以下の2点について説明します。

 

  • 弁護士はシステムの専門家ではない
  • 十分なメンテナンスを行う余裕がない

 

弁護士はシステムの専門家ではない

業務フローや課題など現在ある自所の課題を解決するためには、どのような機能が必要かということは、課題を持っている当事者である弁護士が一番わかっていることでしょう。そのため、自所に必要な機能を備えた自所に最適なシステムを構築することができるといえます。一方、法律事務所、弁護士は法律の専門家ですが、システムの専門家ではありません。そのため、開発(の指示)・運用ともに知見が十分ではないまま、対応する可能性が高いといえます。

例えば、開発でいえば、システムを構築していく際には、今後の発展性を考えて最初はできる限りシンプルな作りにすることが大切だったりします。その作りがその後の運用に影響を与えることもあるでしょう。また、システムは一度構築したら、それで終わりということはありません。業務を進めていくうちに、新たな課題が出てきて、それを解決するための機能が必要になることもあります。運用には、このような新しい機能のシステム追加についても対応範囲に含まれます。これらをシステムの知見が十分でないまま行っていくと、快適なシステム環境を維持していくことが難しくなる可能性が高いといえるでしょう。

また、開発時点で、その後の運用でどのようなことが起きるかを想定して対応の流れを作っておくことも必要であるといえます。例えば、今後、新たな機能を追加したいという要望に備えて、要望はどの部署がまとめて、どのようにシステムに反映していくかなど、システムのバージョンアップにおける所内の仕組みを決めておくと、運用しやすいといえます。しかし、システムの専門家ではない弁護士にそのような仕組みの準備まで求めるのはかなり厳しいことだといえるでしょう。

このように、開発時だけでなく、運用面においてもシステムの専門家ではないことによる弁護士への負荷が大きいといえるのです。

 

十分なメンテナンスを行う余裕がない

弁護士業務は非常に忙しいといえます。システムの開発時も、弁護士業務と並行し、厳しい状況の中で対応していたのではないでしょうか。そのため、システムの専門家ではないという課題を除いても、今後のバージョンアップのための所内の仕組みつくりまで考えている時間的な余裕はなかったかもしれません。開発が終わっても運用は続き、忙しい弁護士業務と並行して対応しなければならないことに変わりはないといえるでしょう。

一方で、バージョンアップのための所内の仕組みがなく、また運用への対応が十分にできない状況が続くと、本店ではそのやり方かもしれないけど支店では違うなど、現場で勝手にカスタマイズしてしまう可能性も出てきます。新たに機能を追加したい、現在の機能の使い勝手を改善したいなど要望が出てきても、仕組みがなければ各部署、支店で対応してしまうことは不思議なことではありません。そして、業務フローの統一などを目指して自所開発したシステムが、いつの間にか、フローが統一されないシステムになっていたということも起こりえるのです。

自所に適したシステムを開発したとしても、運用への十分な対応が続けられず、結局部署や支店ごとにカスタマイズが起きてしまうと、他社が提供しているシステム導入への切り替えのきっかけになるといえるでしょう。

 

システム老朽化による課題

一度構築すればシステムは永遠に万全であるということはありません。システムも老朽化します。老朽化で困ることは主に以下の2つといえます。

 

  • 業務への影響
  • セキュリティ

 

それぞれ見ていきましょう。

 

業務への影響

システム自体が老朽化すると、業務に影響が出る可能性があります。老朽化が進めば、業務中にシステムがダウンする、データを頻繁にバックアップする必要性が出てくる、現状の機能に不具合が出ても修復に時間がかかるなどの現象が出てくるかもしれません。そのような課題を感じているシステムでは、もし新たに必要な機能が出てきても、追加へのハードルは高いといえるでしょう。特に、業務効率化のため、法律事務所においても活用され始めた生成AIなどの新機能を搭載する際、自所開発のシステムを利用している場合には外部AIとの連携などに膨大な開発コストがかかる可能性があります。

動いている案件が多い大規模法律事務所では、システムの老朽化による業務への影響は特に深刻な課題といえるのではないでしょうか。システムの老朽化を遅らすために必要なメンテナンスも、弁護士業務が忙しく十分対応できない状況にあるのかもしれません。それに加え生成AIなどの新機能搭載への対応に莫大なコストが必要となるなら、他社が提供するシステムへの切り替えの検討を考えても不思議ではないでしょう。

 

セキュリティ

事務所の規模にかかわらず、法律事務所が扱っている情報を考えると、セキュリティは重要だといえるでしょう。その中でも大規模事務所のセキュリティに対する意識は、中小の法律事務所の比にならないかもしれません。

例えば、法律事務所は規模が大きくなればなるほど、弁護士、パートナー、事務局、パラリーガル、情シスなど役職や役割が分業されています。そのため、外部に対してのセキュリティだけでなく、役割別に閲覧範囲を制限できるファイアウォールが求められます。

外部、内部ともに高度のセキュリティを実現するには、使用しているセキュリティツールのバージョンアップや見直しが不可欠です。システム自体の老朽化は、最新のセキュリティへのバージョンアップにも限界がある可能性もあります。

膨大な案件を抱える、セキュリティを気にする、また多様な役職、役割の所員の業務をスムーズに行うことを求める大規模事務所にとっては、老朽化したシステムを使用していることは大きな課題であり、他社が提供しているシステムを導入するきっかけとなるのです。

 

自所開発に限らず、大規模法律事務所の課題解決に適したシステムを検討する

システムにはそれぞれ特徴があります。大規模法律事務所だからこその課題に対応しているかどうか、自所に適したカスタマイズができるかどうかなどを確認し、システムを選択しましょう。法律事務所の業務に対応し、メンテナンスの負荷を考慮しなくてよくなれば、法律事務所本来の業務に集中できるようになるでしょう。

次回は、システム導入前に整理しておきたい5つのポイントについて紹介します。

 

LEALA(レアラ)は多数の大規模法律事務所の導入実績がある業務基盤システムです。Salesforceを開発基盤に採用することで、世界最高水準のセキュリティ環境を提供します。継続した機能アップデートも実施しており、また法律事務所業務に知見のある専任の担当者が、データ移行支援をはじめ、要件定義からシステム導入〜定着後も伴走支援するので安心です。カスタマイズ対応も行っていますので、一般に提供されているシステムでは対応できない自所独自のルールなどがありましたらご相談ください。
LEALAにご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。資料をご覧になりたい方はこちらです。

 

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事

監修/協力

金 大翔
株式会社レアラ セールス シニアマネージャー
複数社で営業・事業開発に従事後、コンサルティング業務を経てレアラに参画

 

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