弁護士のスケジュール管理の課題とは?タスク管理方法やポイントも紹介
この記事では、弁護士がスケジュール管理を行ううえでの課題について解説します。
弁護士は日常的に多くの業務があるため、スケジュール管理は非常に重要です。しかし、手帳などを使用した従来の管理方法のままではさまざまな課題に直面します。
この記事では、弁護士のスケジュール管理・タスク管理の主な方法や効率化させるポイントについても詳しく解説していきます。スケジュール管理・タスク管理でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
- そもそもスケジュール管理とは?
- 弁護士業界におけるスケジュール管理の主な課題
- 弁護士のスケジュール管理・タスク管理の主な方法
- 弁護士のスケジュール管理をより効率化させるポイント
- 弁護士のスケジュール管理は一元化を意識することが重要
そもそもスケジュール管理とは?
そもそもスケジュール管理とは、日々の業務や会議、裁判の期日など、全てのタスクを抜け漏れなく実行するために時間を管理することです。スケジュールを効率的に管理することは、弁護士にとって、業務の質を保ち依頼者へ迅速に対応するために不可欠です。
弁護士の1日のスケジュール例
弁護士の1日のスケジュール例は、以下の通りです。
なお、下記のスケジュールは一般的な例であり、実際には日によって変動する点に注意が必要です。
時刻 |
業務内容 |
10:00〜11:00 |
出社・クライアントとの打ち合わせ |
11:30〜12:00 |
Web裁判 |
12:00〜13:00 |
電話連絡やメール返信 |
13:00〜13:45 |
昼食など |
13:45〜14:00 |
クライアントへ電話 |
14:00〜15:00 |
クライアントと打ち合わせ |
15:00〜16:00 |
所内会議 |
16:00〜17:00 |
契約書レビューや雑多な連絡 |
17:00〜18:00 |
クライアントと打ち合わせ |
18:00〜20:00 |
訴状や準備書面の起案→帰宅 |
上記スケジュール例を参考に見てみると、ほとんど1日のスケジュールが打ち合わせで埋まっており、スキマ時間で電話やメールの連絡をしたり、事務局やアソシエイトへ指示を出したりします。日中にまとまった時間をとれないことも多く、早朝もしくは夜の時間に書面を作成する人も少なくありません。
上記のように、弁護士の業務はクライアントとの打ち合わせからWeb裁判、所内会議、書類作成まで多岐にわたります。多くの打ち合わせや日程調整があるとはいえ、裁判などは時間に遅れるようなことがあってはならないため、特に注意して管理しなければなりません。
また、訴状の書類作成などの期日までに完了させなければならないタスクも多く、抜け漏れがないようにタスクやスケジュールが管理できるツールを導入することが重要です。
弁護士業界におけるスケジュール管理の主な課題
ここでは、弁護士業界におけるスケジュール管理の主な課題を解説していきます。
以下の4つの課題を順番に見ていきましょう。
- 複数案件を管理する必要がある
- リアルタイムに情報を所内に共有する必要がある
- 予定通り行かないときに柔軟に対応する必要がある
- スケジュールを漏れなく管理・把握する必要がある
複数案件を管理する必要がある
弁護士は一度に多くの案件を持っている場合がほとんどであり、複数案件の情報を適切に管理しなければなりません。
日本弁護士連合会が2014年に実施した調査によれば、現在取り扱っている事件数は10件以上40件未満の範囲に当てはまる人が半分程度を占めています。
それぞれの案件には異なる期限、会議日、裁判の日程などが設定されているため、正確に把握し対応することが求められます。案件ごとに異なる優先度を設け、適切な時間配分をすることが重要ですが、容易ではないのが現実です。
※参考:弁護士白書2015年版|日本弁護士連合会
情報をこまめに共有する必要がある
弁護士の各案件は、1人で対応するわけではありません。共同で対応している弁護士や事務局(秘書)などと情報共有する必要がある点も、スケジュール管理の課題の1つです。
非弁行為に該当するおそれもあるので、事務局は弁護士の指示なく業務を行えません。弁護士の指示と承認のもとに動く必要があり、情報共有やコミュニケーションが非常に重要です。
また、スケジュールの変更があった場合、すぐに共有しなければ業務に支障をきたすおそれもあります。
予定通り行かないときに柔軟に対応する必要がある
弁護士業界では、何らかの理由でスケジュール通りに進まないこともあります。決まり切った時間で予定が終わらなかったときに、ほかのスケジュールを柔軟に変更しなければなりません。
予定通り行かない理由としては、主に以下が挙げられます。
- クライアントとの深刻な打ち合わせによって想定よりも時間が長くなる
- クレーム対応などではトラブルの相手方との電話が長くなる
- 想定より裁判の和解期日が長くなる
想定よりも予定が長引いたり、期限が短くなったりしてスケジュール通り進まなかったときに、その状況を即時に共有し、他の予定を変更するといった柔軟性も必要です。
スケジュールを漏れなく管理・把握する必要がある
弁護士は裁判所の期日やクライアントとの打ち合わせ、証拠の提出期限など、重要なスケジュールが数多くあります。
特に、会議や裁判日、締切日などが漏れて対応ができないとクライアントの信頼を失うことに直結します。
多数の案件、多忙なスケジュールの中で、漏れなく遅れなく対応しなければなりません。特に、多忙な業務の中で約束した返電を失念してしまったり、予定が長引いて返電が相手の業務時間内に行えないなど、経験のある方も多いのではないでしょうか。
スキマ時間で対応する業務を漏らさず行うためには、スケジュール管理が非常に重要です。
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弁護士のスケジュール管理・タスク管理の主な方法
ここでは、実際にスケジュール・タスクを管理するために弁護士がどのような方法を用いているのか解説していきます。
下記4つを順番に見ていきましょう。
- 手帳・カレンダー
- ホワイトボード
- Excel(エクセル)・Word(ワード)
- タスク管理・案件管理ツール
手帳・カレンダー
手帳・カレンダーは、従来から活用している弁護士が多いスケジュール管理方法です。
弁護士専用の手帳として、「訟廷日誌」と「弁護士日誌」の2種類があります。どちらの手帳も、担当する事件を一覧で見ることが可能であり、裁判所名や当事者の名前などの詳細を記入するページがあります。
また、訟廷日誌には、裁判申立の手数料や税金の算定方法など、弁護士業務に役立つ情報が載っている訟廷便覧が付いています。
手帳やカレンダーは、すぐにメモを取りやすく携帯しやすいメリットがありますが、スケジュールの共有が難しい点がデメリットとして挙げられます。
ホワイトボード
事務所内にホワイトボードがあり、その日の弁護士の予定を共有するケースもあります。
ホワイトボードはメンバー全員が同時に見れ、案件の進行状況や期限、会議のスケジュールなどを大きく書いて共有できます。変更があった場合には、すぐに消して更新することが可能です。
一方で、弁護士は紙の手帳を持ち歩き、事務所にいる人はホワイトボードでスケジュールを確認します。そのため、紙の手帳とホワイトボードを同期させる必要がある点が少々手間な作業だといえます。
Excel(エクセル)・Word(ワード)
Microsoft OfficeのExcel(エクセル)やWord(ワード)は、弁護士業務における書面の提出期限の管理やタスクの一覧表の作成に広く利用されています。
ExcelやWordは、自分やチームが使いやすいようにカスタマイズでき、案件やタスクに合わせて詳細な管理表やリストを作成できます。ファイルをオンラインで保存すれば、検索が容易です。また、クラウドストレージを通じて情報を共有できます。
一方で、ファイルを体系的に管理するシステムがないとファイルが散乱しやすくなります。
ExcelやWordの高度な機能をフルに活用するには一定の知識が必要であり、ExcelやWordを得意とする人がいない事務所では活用が困難といえるでしょう。
タスク管理・案件管理ツール
近年は、複数案件を正確かつ効率的にこなしていくために、タスクや案件管理ツールを採用する弁護士・法律事務所が増加傾向にあります。
クラウド業務管理ツールを活用すれば、スケジュール管理のみならず、弁護士業務を一元管理することが可能です。クラウド業務管理ツールはどこからでもアクセスでき、リアルタイムな情報共有が実現します。
- 案件やタスクの状況確認・登録
- リアルタイムに事務所全体のスケジュールを把握
- タイムチャージの登録・管理
- 抜け漏れを防止する期限通知
- 案件毎に紐づいた所内チャットと対応履歴
- 経費登録や預り金の精算
- 請求データの作成・インボイス対応の請求書の発行
- 売上などの経営情報や弁護士毎の稼働工数などのデータ分析
スケジュール管理を一元化するなら「LEALA」のクラウド業務管理システム
『LEALA(レアラ)』は、数百名規模から数名規模の法律事務所まで幅広くご採用いただいている、弁護士業務を効率化する業務管理システムです。分野や規模問わず全国様々な法律事務所に導入いただいており、実務のフローに沿った機能開発に現役弁護士が携わっています。
LEALAのスケジュール管理では、案件と紐づけて予定を登録できたり、予定に紐づけて半自動的にタイムチャージ登録ができるため、登録抜け漏れを防止することができます。
また、LEALAのシステム基盤にSalesforceを採用することで、Googleカレンダー※などのアプリとも連携が可能です。スケジュール管理をはじめたとしたシステムを一元化して、中長期的かつ統合的なデジタルシフトを実現できます。
さらに、案件ごとに依頼者情報やメール・通話などの活動記録、ファイルや会計情報などが自動的に紐付けられるため案件管理も効率的に行えます。案件情報に紐づけてチャットでコミュニケーションができるため、各案件に関する過去の連絡にも素早くアクセスできます。
法律事務所の業務効率化と業務品質の向上のどちらも実現できる、レアラのクラウド業務管理システムをぜひご検討ください。
※GoogleWorkSpaceビジネスプランをご契約の場合のみ連携可能
※参考:FAQ 他のシステムとの連携はできますか?
※参考:一般民事系機能|LEALA(レアラ)
弁護士のスケジュール管理をより効率化させるポイント
ここでは、弁護士のスケジュール管理をより効率化させるポイントを解説していきます。
下記4つを順番に見ていきましょう。
- 事務全体のスケジュールを抜け漏れなく把握する
- 対応する人が責任を持ってタスク化する
- タスクが完了したことをわかりやすくする
- 複数の管理ツールを使用しない
事務全体のスケジュールを抜け漏れなく把握する
スケジュール管理をより効率化させるためには、事務全体のスケジュールを抜け漏れなく把握することが重要です。
事務所全体のスケジュールを一元管理することで、全員が予定を共有し、重要な期限や会議、裁判の日程などを見落とすことを防げます。
対応する人が責任を持ってタスク化する
各タスクに対して明確に責任者を設定し、その人がタスクの進行管理を行うことが重要です。
タスクを明確にすることで、何がいつまでに必要なのかが一目でわかり、作業の優先順位をつけやすくなります。また、責任者を設定することで、自分の持つタスクに対してより注意深くなり、見落としを防げるでしょう。
各個人がどのようなタスクを抱えているか把握するためには、タスク管理ツールを使い、期限や進捗状況を可視化することが効果的です。
タスクが完了したことをわかりやすくする
タスクが完了したことを法律事務所全体で認識できる仕組みを導入することで、スケジュール管理をより効率的に行えます。
タスクが完了していないことがわかれば周囲が担当者に声かけしたりサポートしたりできますが、状況が不透明であれば、周囲が対応することは困難です。
そのため、たとえばパートナー弁護士が、アソシエイト弁護士や事務局のタスク進捗状況・期限遵守ができているか確認するために、タスクの一覧化やタスク完了時に通知が行く仕組みがシステムに備わっているか確認することも重要です。
LEALA(レアラ)なら、依頼したタスクや自身が抱えているタスクの一覧化に加え、タスクの進捗確認・完了通知が可能です。
複数の管理ツールを使用しない
スケジュール管理ツールは、複数使用しないことをおすすめします。
複数のツールを併用すると情報が散乱し、管理が煩雑になりがちです。また、ツールごとに情報が異なってしまうとどの情報が正しいかわからなくなってしまいます。情報が一元化できる管理ツールの利点も損なわれてしまうでしょう。
可能であれば、事務所全体で1つのツールを導入し、すべての情報を一元化しましょう。ツール選定の際には、使いやすさや機能性、セキュリティ面を考慮することが重要です。
弁護士のスケジュール管理は一元化を意識することが重要
弁護士は日頃から多忙なスケジュールであるため、管理する際はそれだけで完結するツールを選ぶことが重要です。また、法律事務所全体の情報をリアルタイムに把握できるようコミュニケーションの面でも優れたツールを導入することをおすすめします。
LEALAは、現役の弁護士が開発した法律事務所向けのクラウド業務管理システムです。
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案件に紐づいた予定をリアルタイムに所内全体で把握でき、予定をタスクとして通知させたり、期限管理としてお使いいただくことで抜け漏れを防止して事務所の生産性を向上させます。
スケジュール管理をはじめとする法律事務所業務を一元管理したい方は、LEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムの導入をご検討ください。