公開日 2026/10/15 更新日 2026/10/15
法律事務所ごとに運用が異なるのに、なぜパッケージを勧めることができるのか
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのプロダクト(開発)・シニアディレクターへのインタビューをもとに「法律事務所がパッケージを賢く活用するために知っておきたいこと」について4回シリーズで紹介していきます。前回はパッケージのシステムを使用する意味について紹介しました。今回は、法律事務所ごとに運用が異なるのに、なぜパッケージのシステムを勧めることができるのか、その理由について紹介します。
- 第1回 法律事務所がパッケージのシステムを使用する意味とは
- 第2回 法律事務所ごとに運用が異なるのに、なぜパッケージを勧めることができるのか ←今回はここ
- 第3回 法律事務所がパッケージの運用に合わせるメリットとは
- 第4回 法律事務所が長く使えるパッケージは、どう進化しているのか
法律事務所によって、業務の進め方は異なっているといえるでしょう。法律事務所内でも、支店や部署、弁護士によって業務の進め方が異なる場合もあるかもしれません。このように運用の仕方が異なるのに、レアラではパッケージのシステム『LEALA(レアラ)』を勧めています。「自社のサービスだから勧めている」では伝えられていない理由があります。ここでは、その理由について説明します。パッケージのシステムの導入に悩んでいる法律事務所の参考になることを願っています。
- パッケージシステムの汎用性の意味
- パッケージシステムを勧める理由
パッケージのシステムにおける汎用性とは
第1回「法律事務所がパッケージのシステムを使用する意味とは」では、開発も改善も汎用性を意識して行っていることを紹介しました。「汎用性」と聞いて多くの法律事務所や弁護士がイメージするのは、「どの法律事務所でも使用できるシステム」ということでしょう。もしかしたら、「自由が利かないシステム」とイメージしている人もいるかもしれません。そのような人たちに知ってほしいのが『LEALA(レアラ)』が考えるパッケージの「汎用性」です。ここでは、開発、改善における「汎用性」の考え方について紹介します。
各事務所の「正しさ」との向き合い方
自所のやり方が正しいと信じて、業務を進めている法律事務所が多いのではないでしょうか。一方で、各事務所の業務の進め方の「正しさ」が同じではないことも事実といえるでしょう。例えば、請求書のフォーマット一つを取り上げても、Wordを使用している法律事務所もあれば、Excelを使用しているところもあります。各事務所にとっては、それが正しくて、Wordでずっとやってきたから、Excelでずっとやってきたから、それ以外のものだと対応できないと思うのも不思議なことではありません。
請求書のフォーマットはもちろんパッケージのシステムである『LEALA』にもあります。そのため、『LEALA』にある標準のフォーマットをそのまま使ってくださいという思いはあります。
一方で、システム(プラットフォーム)はカスタマイズが可能です。どうしてもカスタマイズしたいという法律事務所の意向を無視することはできません。しかし、各事務所のやり方にすべて合わせていては、パッケージの汎用性が保たれなくなってしまいます。また、カスタマイズすることで、パッケージを使う価値を十分に享受できない可能性もあります。(パッケージを使う価値については、CSシニアマネージャーにインタビューしたコラム「法律事務所のシステム導入「それって必要ですか?」が成功のカギ」参照)
プロダクトチームでは、カスタマイズの可否や、どのようなカスタマイズをするかについて、各法律事務所の「正しさ」と向き合い、どういうふうに適用していくのか、システムの汎用性も考え、見極めながら実装しています。この向き合いは、その後のメンテナンス、改善にもつながることであり、パッケージのシステムを提供していくことにおいて、難しいポイントといえるのです。
例外のないシステムは使用されない
各法律事務所の「正しさ」と向き合えるのはなぜでしょうか。先述のように、パッケージの機能をそのまま使うことの価値を伝え、カスタマイズを拒否することも可能なはずです。しかし、『LEALA』では、開発当時から、各法律事務所の「正しさ」の存在を意識し、例外のないシステムは基本的に使ってもらえないという発想をもって開発、改善を進めています。
開発に携わっている弁護士から、各法律事務所には「正しさ」がある、だから汎用的なパッケージとして使用してもらうには、システム的な制御をがっつり作って、そのまま使用してもらうというのは適していないと言われたところから出発しています。基本的には緩い状態にして、各法律事務所で、必要な制御があれば、それを加えていく、間口は広げて制御するところはする、その方針が貫かれています。
間口を広げる、一方で制御するところはしていく、という開発の仕方は、自所開発など、ある事務所、ある企業向けに開発するシステムとの大きな違いであり、この違いについて、プロダクト・シニアディレクターが『LEALA』を開発することになって、これまでと異なった感覚だったと言っているほどです。固定のお客様向けの開発では入力制御を設けるとなれば、すべてにおいて入力制御を適用するのが当然のことであり、一方『LEALA』ではそれができないというのが大前提にあります。できるだけ制御は緩くして、本当に必須なところだけ、その制御を加える、その考えをもとに作られているのが『LEALA』の汎用性なのです。
積み上げてきたからこそのパッケージの良さ

各法律事務所の「正しさ」とシステムとしての汎用性。この2つの相反する課題に向き合いながら、積み重ねてきた開発、改善が『LEALA』のパッケージの良さになっています。具体的にはどのような良さがあり、なぜパッケージのシステムを勧めることができるのでしょうか。ここでは勧める理由を説明していきます。
カスタマイズしなくてもそのまま使える
カスタマイズが可能だからと言って、必ずしもカスタマイズをしなくてはいけないということはありません。独立したばかりで自所の「正しさ」がまだ見えていない、所員が増えてきた、業務が増えてきたなどの理由でこれまでの「正しさ」では業務が回らなくなってきた、パッケージのシステムを導入するのをきっかけに自所の「正しさ」を見直したいなど、「正しさ」は固定されたものではありません。
『LEALA』は、汎用性と各事務所の「正しさ」と向き合って、開発、改善を続けてきたパッケージです。個別にカスタマイズする必要がなければ、そのまま使うことで業務フローの改善や効率化を目指すことが可能なのです。
積み重ねてきたからこそカスタマイズしないでほしい機能がある
法律事務所の「正しさ」があるといっても、カスタマイズしてほしくない機能もあります。
代表的なものは、請求周り、利益相反確認(コンフリクトチェック)、そしてタイムチャージといった機能です。
請求は金額のズレなどがあってはならないものです。そうしないための改善を積み重ね、今に至っています。最終的に売上につながる請求周りだからこそ、時間も人も投下して作り上げた機能です。だからこそ、カスタマイズはしないで使用してほしい機能の筆頭になるのです。
利益相反確認(コンフリクトチェック)は、項目の定義の部分や取引先の管理の仕方など、これまで法律事務所の業務を見てきた中で、積み重ねて、こういう形がいいよねと出来上がってきた機能です。そのため、事務所によって違いはあるとしても『LEALA』の機能をそのまま使用してほしい、仮に自所の「正しさ」を求める場合でも、『LEALA』にあるものをベースにちょっとだけ調整というレベル感に収めてもらいたいと考えています。それが、積み上げてきたプロダクトチームからの願いです。
そして、タイムチャージ。これも上記2つに匹敵するほどの時間と人を使って積み重ねてきた機能です。まずは入力をできる限りさせない工夫をしています。カレンダーとの連携やストップウォッチなど、具体的にタイムチャージが何分という登録をせずに、直感的にやっていることがそのままデータとして反映されていく、法律事務所ではどのようなやり方がフィットするのかを考えていく中で、入力させないというこの方法にたどり着きました。
また、タイムチャージは請求に直結するものです。一方で登録した時間がそのまま請求になる場合ばかりではなく、登録された時間、調整をした時間、最終的に請求する時間があります。そして、時間の仕分けも作業種別によって様々であることが、法律事務所の業務を知ることでわかってきたことも、改善に力を入れてきた理由です。(タイムチャージの継続的改善についてはリリース「株式会社レアラ、業務基盤システム『LEALA』の機能「タイムチャージ管理」に4年間で90件の機能改善 法律事務所の“見えない負担”の軽減を支援」参照)
このように、各法律事務所の「正しさ」に向き合いながら、積み重ねてきた機能は、カスタマイズせずに使用してほしい要素がたくさん詰まっているのです。
パッケージのシステムを勧められるのは、各事務所の「正しさ」と向き合ってきた証
各法律事務所の「正しさ」の存在を知っているからこそ、制御をゆるい状態にして、間口を広くとる。一方で各事務所の「正しさ」を汎用性の中に取り入れていくことで、法律事務所の業務に沿ったシステムとして育てている、だからこそ、カスタマイズしないで使用してほしい機能も出てくるのです。各事務所の「正しさ」を認め、向き合うと同時に汎用性を常に意識してきたからこそ、今の『LEALA』があります。それが事務所ごとに運用が異なっても、パッケージを勧める理由となっているのです。
次回は、パッケージの運用に合わせることのメリットについて紹介します。
『LEALA』は、弁護士・法律事務所に最適化されたAIエージェント・業務基盤システムです。タイムチャージ管理や請求管理、スケジュール管理に書類管理、経営分析まで、幅広い弁護士業務を総合的に支援します。パッケージのシステムについて、もっと深く知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。資料一覧から、自所にあった資料を選んでダウンロードすることも可能です。
著者情報:
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
監修/協力:
池嶋慎也
株式会社レアラ プロダクト シニアディレクター
Salesforceをはじめ多数の開発・SI案件を牽引し、創業時よりレアラに参画