公開日 2026/08/20 更新日 2026/08/20
企業の担当者が注目する情報—法律事務所サイトの掲載状況
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。「企業法務系法律事務所 ウェブマーケティング実態調査 2026」の結果を、6回シリーズで紹介しています。第2回では、AIに推薦される企業法務系法律事務所のウェブサイトの共通点について紹介しました。第3回の今回は、36項目の実態調査の結果とBtoBサイトで効果が実証されている項目を比較してみえてきた業界の特徴について紹介します。
- 第1回 企業の法律事務所の探し方—「検索」から「AIに質問」へ
- 第2回 5つのAIの回答とは—推薦された法律事務所の共通点
- 第3回 企業の担当者が注目する情報—法律事務所サイトの掲載状況 ←今回はここ
- 第4回 企業法務系法律事務所サイトの実態—数字でみる全体像
- 第5回 AIに推薦される法律事務所—サイト情報との連動を実測
- 第6回 もし法律事務所サイトを見直すなら—36項目の4つのSTEP
企業の担当者は、依頼先を検討するとき、どのような情報を参考にするのでしょうか。国内外の調査からわかるBtoB(企業向けビジネス)のサイトにおける「顧客獲得への効果が示されている情報」は、企業担当者が注目している情報であるとも考えられます。ここでは、この企業担当者が注目する情報が企業法務系の法律事務所のウェブサイトにどのくらい掲載されているのかについて紹介します。
- BtoBサイトで効果が実証されている情報とは
- 70事務所のウェブサイトとの比較からみえた業界の特徴
BtoBサイトで効果が実証されている情報とは
企業法務系70事務所に行った本調査の36項目チェックリストは、筆者がBtoBサイトの調査及び多業界で自社サイトとしてBtoBサイトを運用してきた経験をもとに、一般的にBtoBサイトに求められることを洗い出し、企業法務系法律事務所向けに設計しました。この「求められること」36項目の中で、特に企業の担当者が注目する、意思決定に寄与する効果が高い項目は何なのでしょうか。それを知るために、筆者の経験だけに頼らず、公開されている国内外のBtoBマーケティング調査・研究を活用することにしました。活用した調査結果は以下のものです。
- BtoB企業の78%が、事例を意思決定に活用している(McKinsey/Scalify)
- ホワイトペーパー(専門知識をまとめた無料配布資料)は、リード(見込み顧客)獲得に有効という回答が42%(IDEATECH)
- 料金の透明性がある企業は、35%多くリードを獲得(HubSpot)
- 専門特化した事務所は、3〜10倍速く成長(Hinge Marketing)
上記のように、効果が実証されているということは、企業担当者の意思決定に寄与する効果が高いと読み替えられます。つまり、上記から読み取れる「実績」「費用」「専門性」は、企業の担当者が依頼先を検討するときに注目する項目であると解釈できるのです。企業法務系の法律事務所は、36項目チェックリストの中で、企業担当者が注目すると思われる項目についてどれくらい対応しているのでしょうか。調査結果の詳細を見ていきます。
70事務所のウェブサイトと比較してみえた業界の特徴
BtoBマーケティング調査・研究から得られた、企業担当者が依頼先を検討するときに注目すると思われる項目と、70事務所の調査結果とあわせると、「顧問先・取引実績」は14%、「資料DLコンテンツ」は7%と、効果が実証されている情報の掲載は、業界全体でまだ少ないことがわかりました。BtoBマーケティング調査・研究から得られた結果との、この違いは業界の特徴といえるのかもしれません。
興味深いことに、BtoBマーケティング調査・研究から得られた企業担当者が注目すると思われる項目は、本調査でAIが名前を挙げた事務所のウェブサイトにみられた共通点(第2回「5つのAIの回答とは—推薦された法律事務所の共通点」参照)とも重なる部分がありました。例えば、「実績や解決事例を掲載している」「強みや得意分野を打ち出している」などです。つまり、AIは企業担当者が注目すると思われる情報と同じ情報を推薦するための材料として収集しているともいえるのです。
この結果からわかることは、法律事務所がAIを意識したウェブサイトの運用を始めるということは、企業の担当者が注目する情報を掲載していくことでもあるということです。そして、これらは業界全体でウェブサイトの掲載情報として浸透していないことも、調査結果は伝えています。つまり、企業法務系法律事務所の業界で、これらの情報の掲載は、「これから広がっていく」可能性を秘めているのです。多くの事務所がこれから取り組む領域だからこそ、効果を考えると早くに取り組むことに意味があるのではないでしょうか。
AIからの推薦、および企業担当者からの注目を得るためには、ウェブサイトの早めの見直しが効果的
今回は、BtoBサイトで効果が実証されている情報と、70事務所のウェブサイトの現状を紹介しました。自所サイトを見直す必要があるかどうか迷っている法律事務所は、AIの推薦、および企業担当者から注目を得られる項目についてだけでも確認してみるのもいいでしょう。自所サイトの見直しを考えている事務所は、「何から載せるか」を迷ったときの判断材料のひとつとして、効果を得る可能性が高い「実績」「事例」「費用」「強み」を考えてみることをお勧めします。
次回は、70事務所の調査結果の全体像について紹介します。
この調査の結果はダウンロードが可能です。ご興味がありましたら、ぜひこちらからダウンロードしてください。また、調査結果の理解を深めていただくために、2026年9月16日(水)18:00より「AIはどの法律事務所を推薦するのか—実測データが示す“選ばれるサイト”の共通点」と題したセミナーを開催します。AIからの回答では、調査対象事務所だけでなく大規模事務所の名も挙げられています。質問によって挙げられる事務所がどう異なるかなどセミナーならではの情報もありますので、ぜひご参加をご検討ください。セミナー情報及び申し込みはこちらからご覧いただけます。
LEALA(レアラ)は幅広い法律事務所業務に対応した生産性と依頼者満足度の向上を実現する案件管理システムです。マーケティングにも活用できます。各ポータルサイトや各種広告施策からの流入・受任・売上比率をリアルタイムに可視化し、マーケティングの結果を定量データとして分析、効果的な施策を導き出すことが可能です。他の法律事務所の案件管理の事例だけでなく、マーケティングとしてどのように活用しているのかについてご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
資料一覧からダウンロードいただくことも可能です。
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
市場調査会社を含め調査業務の経験多数。本調査の設計・実査・分析を担当