公開日 2026/10/08 更新日 2026/10/08
法律事務所がパッケージのシステムを使用する意味とは
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。今回からレアラのプロダクト(開発)・シニアディレクターにインタビューした「法律事務所がパッケージを賢く活用するために知っておきたいこと」について4回シリーズで紹介していきます。LEALAの開発・改善をずっと牽引してきたディレクターの開発に対する考え方などから、パッケージのシステムを使用中、または導入を検討中の法律事務所にパッケージのシステムへの理解を深めていただける内容となっています。
レアラのカスタマーサクセス・シニアマネージャーにインタビューしたコラムと合わせて読んでいただくと、パッケージのシステムへの理解がさらに深まるかもしれません。
- 第1回 法律事務所がパッケージのシステムを使用する意味とは ←今回はここ
- 第2回 法律事務所ごとに運用が異なるのに、なぜパッケージを勧めることができるのか
- 第3回 法律事務所がパッケージの運用に合わせるメリットとは
- 第4回 法律事務所が長く使えるパッケージは、どう進化しているのか
第1回の今回は、「パッケージシステムを使用する意味」について紹介します。自所開発のシステムを使い続けるか、新たなツールを追加するか、それともパッケージシステムを導入するかを悩まれている法律事務所の参考になれば幸いです。
- 自所開発システムやツール利用における課題
- パッケージのシステム開発者がしていること
- パッケージはどのように継続的に改善を行っているか
自所開発システム・複数ツール利用における課題
パッケージのシステムを使用していない事務所は、自所で独自のシステムを開発して使用しているか、システムを導入せずに複数のツールを利用しながら業務の効率化を目指しているのではないでしょうか。ここでは、システムを使用する意味を紹介していく前に、自所開発システムや複数のツールを利用する際に、課題となる可能性の高い事象について、レアラのセールス・シニアマネージャーにインタビューしたコラムから紹介します。
自所開発システムにおける課題
「大規模法律事務所がシステムに求めるものはなぜ違うのか」では、自所開発システムの使用で課題になる可能性が高い事象として「自所運用による課題」について以下の2つを紹介しました。
1.弁護士はシステムの専門家ではない
システムの開発や改善をしていくには、今後の運用や機能追加を考慮していく必要があり、システムの専門家ではない弁護士には、その対応が難しいことが多い
2.十分なメンテナンスを行う余裕がない
システムのメンテナンスは、弁護士の本業ではないため十分な時間をメンテナンスに割くことは難しい。改善の仕組みができていない場合には、部署や支店が独自にカスタマイズを行ってしまう可能性もあり、統一したメンテナンスが難しい
そして、このような課題がパッケージのシステムの導入を検討するきっかけになることをお伝えしました。
複数のツール利用による課題
「一般民事系の法律事務所がシステム導入を検討し始める“共通点”とは」では、複数のツールを利用する時に課題になる可能性の高い事象として、「関連した作業をするのにデータのエクスポート、インポートが必要になる」を紹介しました。
請求書の発行ツールを導入した場合の例を挙げ、顧客データはExcelに、案件情報はまた別のツールで管理されている場合では、請求書発行のためにExcelから顧客データ、別のツールから案件情報をエクスポートし、請求書発行ツールにインポートするという作業が必要になる場合があります。そのため、効率化のために追加したツールのはずが、業務負荷を高める結果にもなりえるのです。
そして、「繋がっている業務、情報を一元で管理したい」というのが複数ツールを利用している法律事務所がパッケージのシステム導入を検討するきっかけであることをお伝えしました。
パッケージのシステム開発者がしていること

自所開発システムや複数のツールの使用で課題となる可能性が高い事象に対して、パッケージのシステムを使うと課題は解消されるのでしょうか。ここでは、『LEALA(レアラ)』の開発者がどのようなことを考えながらシステムの開発をしているのかを紹介することで、パッケージのシステムを使用する意味について考えていきます。
法律事務所の業務をシステムでどう表現するかを意識する
自所開発システムを使用している法律事務所も、複数のツールを使用している法律事務所も自所の業務を管理したい、効率化したいという思いは同じだといえるでしょう。そして、その業務を管理するにはどうすればいいのか、効率化するにはどうすればいいのかを考え、自所開発システムにどのような機能を入れるのか、どのツールを選択するのかを決めているのではないでしょうか。
パッケージのシステムである『LEALA』では、開発時に最も意識しているのが法律事務所の業務を理解し、システムでどういうふうに実現するかということです。例えば、実費預り金や利益相反確認(コンフリクトチェック)など履歴管理の部分のデータをどう表現するかなどがそれにあたります。どのように表現するかで使いやすさは変わってきます。使いやすいものでなければ、管理もできないし、効率化もできません。だからこそ、どう表現するかを意識して開発しているのです。
どう表現するのかの次に意識するのが、データの保存のしやすさです。情報の入力がしやすくてもデータとしてうまく保存できなければ、保存したデータの活用、つまり運用に影響するでしょう。そして、もう一つがメンテナンスのしやすさです。システムは一度作って終わりということはありません。メンテナンスは不可欠です。そのため、メンテナンスがしやすいかどうかは、開発者として意識するポイントとして重要になるのです。
使いやすく、保存しやすい、そして使い続けてもらうためにメンテナンスについても開発時から意識する、それが出来ているからこそ業務の管理、効率化を実現できるということです。
自所開発システムで課題となる可能性の高い「システムの専門家ではない」というのは、データの保存のしやすさへの意識を持つのが難しいこと、そして「十分なメンテナンスを行う余裕がない」というのは、そもそも開発時からメンテナンスを意識する必要があるという発想をもちにくいというのが課題につながる要因といえるのかもしれません。もし、自所開発システムで当てはまることがあったら、使いやすいように表現できているか、保存しやすくなっているか、先のメンテナンスのことまで考慮しているかを確認することをお勧めします。
業務のつながりを意識する
表現や保存、メンテナンスの他に、『LEALA』の開発者が意識しているのが、「業務のつながり」です。例えば「請求」では、案件の[受任形態]と依頼者の区分の組み合わせで、源泉徴収の要否が変わってきます。案件管理には、管理するために必要な入力項目を揃えることに加え、その項目と他のどの項目がどうつながって、最終的に請求書発行の際に必要な処理はどうなるかまでを意識して開発しないと正しい請求書の発行はできません。このように開発時には、一つの業務に必要な項目や処理だけでなく、業務のつながりも意識しています。
複数のツールを使っている法律事務所が課題と感じる可能性の高い「関連した作業をするのにデータのエクスポート、インポートが必要になる」というのは、ある業務を効率化したいという思いが強いと他の業務との関連まで考えが及びにくいというのが要因にあるのではないでしょうか。もし、ある業務を効率化するために入れるツールで、この前の業務やこの次の業務も効率化されるのか、やりやすくなるのかを考慮することができれば、インポート、エクスポートが必要だったとして、使い始めて課題と感じる前、使用開始前に問題ないことを確認することができるかもしれません。ただ、前の業務と後の業務でメインで担当している人が異なる場合では、そのような発想を持つこと自体が難しいといえるでしょう。新規ツールの追加を検討する時は、少なくとも前後の業務とのつながりを意識することをお勧めします。
このように自所開発システムや複数ツールを利用する際に、課題になる可能性の高い事象が、パッケージでは起こりにくい理由は、システムでの業務の表現の仕方や業務のつながりを意識して開発しているからといえるのです。
パッケージの継続的改善への考え方
パッケージのシステムは一度開発したら終わりではなく、使い続けてもらうためには、メンテナンスに加え機能の改善も行っています。『LEALA』では、「レアラ、法律事務所向け業務基盤システム『LEALA』のサービス継続率99%を2026年も達成 手厚いサポートと4年間累計424件の機能改善がお客様の業務定着を支援」というリリースにもあるように機能改善を継続的に行っています。
このリリースでは、お客様のご要望、運用課題の解決に向けての機能改善をしていると伝えていますが、実は機能改善にたどり着くのはお客様のご要望の他に2つのルートがあるのです。それは、どのようなルートなのでしょうか。
ここでは改善に至る3つのルートと、改善における考え方について紹介します。
パッケージのシステム改善のもとは3つのルート
『LEALA』が機能改善を含めシステムの改善に至るルートには3つあります。一つが、リリースで配信したようにお客様から寄せられるご要望や運用課題です。二つ目がカスタマーサクセス(CS)チームがお客様の要望をヒアリングして、お客様に提案する際に必要性を感じた新規機能や改善したい機能、また社内でお客様と同じシステムを使用しながら気が付く改善点です。そして三つ目がプロダクト(開発)チームがお客様の使用状況を見て、構成を見直したほうがメンテナンスや機能改善がしやすくなるなどシステムの将来、システム全体の視点で改善を検討するというルートです。つまり使用者視点のお客様、CSからの改善要望案と開発者視点の改善検討案によって、機能を含むシステム全体の改善が行われているのです。
ツールやシステムを利用している人であれば、機能改善などのバージョンアップは当たり前のように感じているのではないでしょうか。一方、その裏側ではどのようなルートで改善提案があるかまで、考えたことのある人はほとんどいないかもしれません。『LEALA』ではこのような3つのルートから届く使用者視点、開発者視点の改善要望によって、パッケージのシステムとして進化しているのです。
改善に対する考え方
改善提案には3つのルートがあることがわかりましたが、どのルートからでも要望があれば、すべて対応しているわけではありません。どの要望を改善するのか、改善の優先順位はどう決まるのか、ここでは『LEALA』の改善に対する考え方について紹介します。
どのように改善していくのかについてプロダクトチームでは2つの点を意識しています。一つが、パッケージとしての汎用性、そして、もう一つがシステムの将来性です。
パッケージとしての汎用性
パッケージのシステムは多くの法律事務所で使用されているものです。そのため、お客様やCSからの要望が個別のお客様向けの改善となるのではなく、システムとしてどのように汎用的にできるのか、要望されたお客様以外の事務所にも適用できるようにするにはどうするのがいいのかという観点から、どの要望を選択し、どのように改善するのがいいかを考えています。
システムとしての将来性
機能を含むシステムの改善は、現在システムを使用している法律事務所のことだけでなく、これからこのシステムを使用するであろう法律事務所に対して、最適なシステムとして案内ができるようにすることを考えます。また、使用状況を確認していくことで、システム開発当初にはわからなかった、例えば開発当初の設定ほど複雑な構造は求められていないことがわかれば、シンプルな構造へ変更をしていくことを検討します。それにより、将来のシステムのメンテナンスのしやすさにもつながるからです。現在のことだけでなく、今後システムを活用していく法律事務所、そしてシステムのメンテナンス性という将来を考えることで何をどう改善していくかを決めていく、それがプロダクトチームの改善に対する考え方です。
パッケージのシステム開発は、現在だけでなく将来も見据えている
パッケージのシステムがどのような考えのもとに開発、そして改善しているのかを見てきました。「システムの専門家ではない」「関連した作業をするのにデータのエクスポート、インポートが必要になる」というような自所開発システムや複数のツールを使っていることで課題となる可能性の高い事象は、先述のデータの保存や業務のつながりへの意識だけでなく、たとえ現在のシステム、業務のつながりのことを考えることはできても、将来のことを考える余裕がないことも大きな要因であるともいえるかもしれません。
パッケージのシステムは使いやすさ、データの保存のしやすさ、メンテナンス、業務のつながりを現在だけでなく将来も見据えて開発、改善しています。そのようなパッケージシステムの開発の仕方が、業務のつながりや将来のことを考える余裕のない状況において、課題を抱えながら自所開発システムや複数のツールを使い続けている法律事務所にとっては、パッケージのシステムを使用する意味となるのです。
次回は、事務所ごとに運用が異なるのになぜパッケージのシステムを勧めることができるのかについて紹介します。
『LEALA』は、弁護士・法律事務所に最適化されたAIエージェント・業務基盤システムです。タイムチャージ管理や請求管理、スケジュール管理に書類管理、経営分析まで、幅広い弁護士業務を総合的に支援します。パッケージのシステムについて、もっと深く知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。資料一覧から、自所にあった資料を選んでダウンロードすることも可能です。
著者情報:
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
監修/協力:
池嶋慎也
株式会社レアラ プロダクト シニアディレクター
Salesforceをはじめ多数の開発・SI案件を牽引し、創業時よりレアラに参画