公開日 2026/07/23 更新日 2026/07/23
一般民事系の法律事務所がシステム導入を検討し始める“共通点”とは
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのセールス・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるためにおさえておきたいこと」を7回シリーズで紹介しています。第1回である前回は「DXありき」でシステムを導入するとなぜ失敗する可能性が高いのかについて説明してきました。今回から3回にわたり、法律事務所がシステムを導入するきっかけについて紹介します。
- 第1回 「DXだから」でシステムを導入した法律事務所が失敗するただ一つの理由
- 第2回 一般民事系の法律事務所がシステム導入を検討し始める“共通点”とは ←今回はここ
- 第3回 企業法務系の法律事務所が「システムに頼りたい」と感じる理由とは
- 第4回 大規模法律事務所がシステムに求めるものはなぜ違うのか
- 第5回 法律事務所がシステム導入前に整理しておきたい5つのこと
- 第6回 システム導入がうまくいく法律事務所に共通する3つのこと
- 第7回 システム導入がうまくいく法律事務所は、導入前に何をしているのか
ほとんどの法律事務所では、「システムを導入して、業務効率を高めたい」というのが、案件管理システム、業務基盤システムを導入するきっかけであるといえるでしょう。これはどのような業務分野であっても、また規模の大小にかかわらず、あてはまる理由です。しかし、これからシステム導入を検討しよう、システム導入が必要か否か考えようとしている法律事務所にとっては、もっと具体的なきっかけが知りたい、理由が知りたいと思うのではないでしょうか。法律事務所を3つのタイプにわけて、システム導入のきっかけ、理由とは何であるのかを具体的に説明します。
・一般民事系法律事務所
・企業法務系法律事務所
・大規模法律事務所
今回は一般民事系法律事務所を取り上げ、一般民事系法律事務所に共通してみられる導入のきっかけについて紹介します。
- 一般民事系の法律事務所がシステムを導入するきっかけ
- 点在した情報を一元化したいがシステム導入のきっかけになる理由
- フォーマットの統一をはじめとした業務フローを一元化したいがシステム導入のきっかけになる理由
一般民事系の法律事務所がシステム導入を検討する共通のきっかけとは
一般民事系の法律事務所がシステムを導入するきっかけについてみていきましょう。一般民事系の法律事務所がシステムを導入するきっかけで共通しているといえるのは「情報の一元化をしたい」ではないでしょうか。一言で「情報の一元化」といっても具体的に解決したい課題は主に以下の2つのことといえます。
・点在した情報を一元化したい
・フォーマットの統一をはじめとした業務フローを一元化したい
それぞれについて詳しく説明していきます。
点在した情報を一元化したい
ここでは、そもそもなぜ情報が点在したのかについて考えてみましょう。そして、情報が点在化したことによって何が起こっているのかを整理していきます。
- なぜ情報が点在するようになったのか
- 情報が点在すると何が起きるのか
それぞれについて説明します。
なぜ情報が点在するようになったのか
まずは、なぜ情報が点在しているのかという理由を整理しましょう。現在、多くの法律事務所が複数のツールやアプリを使用しています。これが情報の点在する原因なわけですが、なぜ複数のツールやアプリを利用するようになったのでしょう。理由は「デジタル化の波」にあります。デジタル化の波により、2つの現象が起きました。
・市場に提供されるアプリ、ツールが増えた
・法律事務所がデジタル化を意識して、業務の効率化を目指した
それぞれについてみていきましょう。
市場に提供されるツール、アプリが増えた
デジタル化の波によって、ツールやアプリを開発してきた企業がこれまで以上に開発に力を入れるようになるのは当然のことといえるでしょう。そして、この波は新たな開発企業も誕生させたといえます。
結果、業務が効率化されるというツール、アプリが市場に多く提供されるようになりました。それぞれがどのような業務が効率化されるかを謳っているため、デジタル化の波により、業務の効率化や所員の負担軽減を意識し始めた法律事務所にとっては、多数の選択肢が与えられるようになったといえます。
法律事務所がデジタル化を意識して、業務の効率化を目指した
法律事務所の視点で考えてみましょう。デジタル化の波により、紙の削減や業務効率、所員の負担について、意識し始める法律事務所が増え、また、もともと意識の高かった法律事務所でも選択肢が増えたことで業務効率化にさらに力を入れるようになったといえるでしょう。
市場にはたくさんのツールやアプリがあふれています。コミュニケーションの効率化を図るには、このチャットツールを使ってみよう、紙で管理していたものをエクセルに入力して管理したら紙の削減だけでなく、業務負担も減るのではないかなど、あれもできるかもしれない、これにもトライしてみようなどと考え、ツールやアプリの導入をした法律事務所も多いのではないでしょうか。そして、気が付くとツールやアプリが増えていた、というのが現状といえるでしょう。
情報が点在すると何が起きるのか
便利なツールやアプリを入れて、業務が効率化され、所員の負担も軽減したのであれば、問題はないはずです。しかし、ツールやアプリが増えたことで、各ツールやアプリに情報が蓄積するため、情報が点在するという課題が生まれました。情報が点在すると、ある作業をするに複数のツールから情報を取ってこなくてはならなくなるなど、業務負荷がかかったり、業務が複雑になり、所員の負担も増えていく要素をたぶんに含んでしまったのです。
ツールやアプリは自所の業務効率化のために選択し、導入してきたものばかりなのに、なぜ業務が減らない、または業務負荷を増やしてしまうようなことが起きたのでしょうか。要因は大きく2つあるといえます。
・どこに何のデータがあるかの把握が必要になる
・関連した作業をするのにデータのエクスポート、インポートが必要になる
それぞれについて見ていきましょう。
どこに何のデータがあるかの把握が必要になる
たくさんのツールやアプリを使っていると、よくあるのが各データの所在がわからなくなるということです。普段よく更新をしているデータなら、このアプリにある、このエクセルファイルにあると、把握ができているでしょう。しかし、更新頻度が低いデータ、または更新頻度が高くても普段は他の所員が対応しているデータだと、どこにあるのかがわからなくなってしまう可能性があります。
担当者が不在中の問い合わせに対して、関連するファイルの場所がわからず、対応が大変だったという経験を持つ法律事務所も多いのではないでしょうか。ツールが増える、ファイルが増えることで、各データの所在の把握が難しくなってしまう可能性が高いのです。
関連した作業をするのにデータのエクスポート、インポートが必要になる
独立した業務であれば、データの保管場所はどこでもよく、その業務がやりやすいツールを選択すればいいといえます。しかし、実際は独立していない業務のほうが多いといえるでしょう。請求書の発行を効率化するツールを入れたとします。しかし、顧客データはエクセルに登録され、案件情報はまた別のツールで管理されていたらどうでしょう。請求書発行のためにエクセルから顧客データ、別のツールから案件情報をエクスポートし、請求書発行ツールにインポートする必要があるかもしれません。請求書発行はツールによりスムーズに発行できるようになったとしても、請求書発行のたびに、データのエクスポート、インポートが必要だとしたら、業務負荷を高める結果になる可能性があります。業務負荷が高くなれば、関連した情報を連携することができるシステムを導入を検討しようと思うようになるでしょう。
点在した情報を一元化する必要性
点在するようになった理由とそれにより起こっている課題を見ていくと、点在した情報を一元化する必要性と、それがシステム導入のきっかけ、理由になったことが納得できたのではないでしょうか。
自所にとって良かれと思って選択、活用してきたツールやアプリであっても、数が増えることで、データが点在し、所在の把握や業務上の連携が難しくなってしまう。これでは、効率化や負担軽減を目指したはずの対応の結果、効率化が思うようにできず、負担が逆に増えてしまったということにもなりかねません。そのような状況になってしまった法律事務所が「情報を一元化したい」という理由で、システム導入を考えるきっかけになることはうなづけるでしょう。
フォーマットの統一をはじめとした業務フローを一元化したい

情報を一元化したいという課題は、点在した情報を連携させたいということに加え、シートのフォーマットの統一などをはじめとした業務フローを一元化したいというものがあります。ここではフォーマットの統一に焦点を当て、以下について説明します。
- なぜフォーマットが統一されていないのか
- フォーマットが統一されていないと何が起きるのか
なぜフォーマットが統一されていないのか
これは法律事務所にかかわらず、どの企業においてもよくあることといえます。法律事務所で、各情報(例えば、売上や経費)の帳票に共通のフォーマットを用意していない場合、所員は各自が使いやすいフォーマットを使用するでしょう。また、事務所内で統一したフォーマットがあったとしても、調整可能なフォーマットであれば、知らず知らずのうちに各所員が自分の使いやすいように調整していき、最終的にはフォーマットがバラバラになっているということも起こります。つまり、各所員にとっては使いやすいフォーマットになっても、法律事務所全体でみると統一されていない状況になるのです。
フォーマットが統一されていないと何が起きるのか
各自が使いやすければフォーマットが統一されていなくてもいいのではないかと、思う人もいるでしょう。しかし、売上や経費などは各所員で完結するものではなく、法律事務所全体で管理していく必要があります。
例えば経費精算ひとつとっても、経理担当者はフォーマットがバラバラだと統合することが難しいでしょう。情報の入力の仕方が所員によって異なっていると、統合するためには各所員に確認する必要が生じたりと、手間がかかります。統合が進められなくなるたびに所員に確認するなど、1度で済む作業を何回もしなければ、事務所として正確に知りたい数字を導き出すことができないという経理の負荷が増え、業務が回らなくなるでしょう。その結果、請求書発行が遅れたり、事務所の状況を適時に把握できないという課題につながるのです。
業務フローを一元化する必要性
事務所としての形式が決まっている、そして各所員が変更できないフォーマットの統一により、データは統合しやすくなります。フォーマットは次にだれがどんな作業をするのかという業務の流れを考慮せずに作成することはできません。フォーマットを統一するということは、自所の業務がどのような流れで行われているかがわからなければできないということになります。その業務の流れが整理されていないままフォーマットの統一をしても、各自の流れに合わせてフォーマットを変更する、またはそのフォーマットを使わなくなる可能性が出てきてしまいます。
業務負荷の低減や事務所の全体像の適時把握のためには、統一したフォーマットが必要であり、そのフォーマットが活用されるためにも業務フローの確認、整理、そして統一が求められます。それを実現するためにシステムの導入を検討するというのも、導入のきっかけとして納得できるものといえるのではないでしょうか。
システムで情報を一元化し、“今はなんとか回っている”状態を続けるリスクを回避する
一般民事系法律事務所のシステム導入のきっかけについてみてきました。課題を見つけては解決できるツールやアプリを探して、導入してきた一般民事系の法律事務所は、ツールやアプリが増えてしまった理由や情報が点在してしまったことによる業務負荷について、うなづけることが多かったのではないでしょうか。「今は何とか回っている」状態を続けるほど、将来システムを導入する時の手間や費用の負担が増加します。このリスクを回避するために情報の一元化を目指しましょう。
次回は企業法務系法律事務所の多くがシステム導入を検討するきっかけとは何かについて紹介します。
LEALA(レアラ)は法律事務所・弁護士の成果を最大化する案件管理システムです。顧客管理・案件管理をはじめ、タイムチャージ管理や請求管理、スケジュール管理に書類管理、経営分析まで、幅広い弁護士業務、法律事務所の事務局業務を総合的に支援します。
一般民事系法律事務所に共通するシステム導入を検討するきっかけである「情報の一元化をしたい」という課題については、案件毎に依頼者情報や活動記録、ファイル、請求等の情報が自動的に紐付けられ簡便な事件管理を実現できるLEALAの機能で解決できます。また、業務情報についても一つのシステムに統合することで入力・確認・集計作業の負担を軽減できるようになります。他にも一般民事系の法律事務所の課題解決に役立つ機能がLEALAには多数あります。LEALAにご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。資料をご覧になりたい方はこちらです。
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
金 大翔
株式会社レアラ セールス シニアマネージャー
複数社で営業・事業開発に従事後、コンサルティング業務を経てレアラに参画

