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公開日 2026/04/14  更新日 2026/04/15

弁護士が副業するには?条件やメリット・デメリットをわかりやすく解説

弁護士が副業するには?条件やメリット・デメリットをわかりやすく解説

この記事では、弁護士の副業について解説します。

結論、弁護士が副業することは可能です。ただし、弁護士会への届出が必要な場合があることや、弁護士としてふさわしい業務でなければならないことなど、注意点がいくつかあります。

以下では、弁護士が副業するメリット・デメリットを詳しく解説し、実際に行われている副業の例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  • 弁護士が副業するには
  • 弁護士が副業するための条件
  • 弁護士が副業するメリット・デメリット
  • 弁護士の主な副業例

 

 

弁護士が副業するには

前述のとおり、原則として弁護士は副業が可能です。弁護士法の中で、弁護士が弁護士業務以外の業務を行うことを禁止する規定はありません。状況によっては、副業で得た知識や経験、人脈などを生かすことで、弁護士としてさらに活躍できるきっかけにもなるでしょう。

ただし、顧客の利益に反する副業を行ったり副業によって本業に支障が出たりすると、顧客との信頼関係を損なうおそれがあります。

また、副業を禁止している法律事務所もあるので、所属の事務所の規定を確認しましょう

 

弁護士会に届け出を提出する必要がある

弁護士が副業するためには、弁護士法第三十条に基づき、所属する弁護士会に届出を提出する必要があります。

【弁護士法第三十条】
弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。

一 自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき 商号及び当該業務の内容
二 営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この条において「取締役等」という。)又は使用人になろうとするとき その業務を営む者の商号若しくは名称又は氏名、本店若しくは主たる事務所の所在地又は住所及び業務の内容並びに取締役等になろうとするときはその役職名

※引用:弁護士法|e-Gov 法令検索

なお、「自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき」が具体的に何にあたるのかは定められていません。一般的には、NPO法人など非営利活動や、株式などの個人資産の運用を行うことは該当しないといわれています。

その他にも、さまざまな規定や手続きが存在するので、詳しくは所属弁護士会に確認することをおすすめします。

 

弁護士が副業する前に注意すべきこと

弁護士が副業を検討する場合、業務区分を確認することが重要です。前提として、弁護士にとっての「副業」は、大きく以下2つの区分に分けられます。

  • 弁護士業務以外の副業
  • 勤務先以外の副業

    勤務先以外の副業とは、弁護士業務を本業とは別で受け持つことであり、弁護士業務以外の副業をすること以上に注意すべき点があります。

    弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準では、以下の行為が指導・監督の対象になっています。

    • 情報の不当利用
    • 利益相反行為
    • 係争権利を譲り受ける行為
    • 勧誘等
    • 地位の不当利用
    • その他品位を損なう行為

    ※参考:営利業務及び公務に従事する弁護士に対する弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準|日本弁護士連合会

    また、労働契約法第三条四項においては以下の記述があります。

    【労働契約法第三条四項】
    労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

    ※引用:労働契約法|e-Gov 法令検索

    上記は「労働者は会社の利益に反する競業行為を差し控える義務を負う」と解釈されます。つまり、弁護士業務としての範囲内で副業する場合、利益相反や同業者間での競業禁止の問題が発生する場合があります。

    このように、勤務先以外で弁護士業務を行う副業は、一歩間違えると弁護士としての評価や本業に影響を及ぼすおそれがあるので注意が必要です。

    具体的には、以下のような項目を事前に確認しておくことをおすすめします。

    • 個人受任が許可されているか
    • 個人受任における先方が勤務先の顧問先企業に該当していないか
    • 勤務先に報酬の何割を納めなければならないか など

     

     

    弁護士が副業するメリット

    ここでは、弁護士業務以外の副業をした場合に得られるメリットについて解説します

    • 本業以外の知識や経験が得られる
    • 人間関係が構築できる
    • 収入が安定しやすい

      順番に見ていきましょう。

       

      本業以外の知識や経験が得られる

      副業を通じて得られる知識や経験は、弁護士業務においても役立つ場合があります。

      例えば、不動産投資を副業として行う場合、不動産に関連する契約書の作成や法的なリスク管理に関する実務的な知識が得られます。

      副業を通じて知識や経験を得ることで、クライアントへ質の高いサービスを提供することにつながるでしょう。質の高いサービスを提供できれば、相談・依頼がさらに増えるかもしれません

       

      人間関係が構築できる

      副業を通じて新しい人間関係を構築できることも、メリットの1つです。異なる業界や職種の人々と接することで、人脈が広がり、ビジネスチャンスが増える可能性があります。

      例えば、ライティング業務を副業として行う場合、編集者や他のライターとの関係が築かれます。また、メディア出演を副業にする場合、共演者との交流が生まれるだけでなく、出演している姿を見た人から相談される可能性もあるでしょう

      人脈の広がりが、弁護士としての活動にも良い影響を与えることがあります。

       

      収入が安定しやすい

      弁護士業務は依頼件数によって収入が左右されることが多いため、副業と両立できれば収入を平準化しやすい点も重要です。特に繁忙期と閑散期の差が大きい人にとっては、副業によって月々の固定収益を確保できる可能性があることは大きなメリットです

      例えば、授業のコマ数が大きく変動しない予備校の講師や、執筆する記事数が大きく変動しないライティング業務を副業にすると、収入の見通しを立てやすくなるでしょう。

      収入源が多角化し経済的な安定に繋がる点は、副業の利点といえます。

       

       

      弁護士が副業するデメリット

      弁護士の副業にはメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。

      • 休日の確保が困難になる
      • 弁護士業務への集中力や注意力を削ぐおそれがある
      • 弁護士としての評価が下がるケースがある

        順番に見ていきましょう。

        休日の確保が困難になる

        副業することで、休日の確保が困難になるデメリットも考えられます。

        弁護士業務自体は多忙になりがちで、特に案件が重なる時期には休息を取る時間が限られてしまいます。それに加えて副業するとなれば、さらに休みを取る余裕がなくなるでしょう。

        例えば、平日に弁護士業務を行い週末に副業する場合、連続して働き続けることになり、肉体的・精神的な負担が増すことになります。

        長期的に見ると健康を損ねるリスクも高いので、慎重なスケジュール管理が重要です。

         

        弁護士業務への集中力や注意力を削ぐおそれがある

        副業に過度な労力を割くことで、精神的な疲労や集中力の低下を招き、本業である弁護士業務の質に影響を及ぼすおそれがあります。

        当初はスキマ時間で取り組む予定であっても、副業の比重が予期せず増大してしまうと、結果として裁判の準備やクライアント対応への注意力が散漫になるリスクが生じます。

        本業に100%の力を注げない状況が続けば、些細なミスからクライアントの信頼を損ない、弁護士としてのキャリアにも悪影響を及ぼしかねません。自身のキャパシティを冷静に見極め、本業のパフォーマンスを維持できる範囲での活動を心がける必要があります。

         

        弁護士としての評価が下がるケースがある

        副業の内容や成果によっては、弁護士としての評価が下がるケースがあることもデメリットです。

        例えば、弁護士業務とは全く関係のない副業に時間を割いていることが目立つと、同業者やクライアントから「本業に集中していない」と捉えられることがあります。

        また、メディア出演など多くの人の目に触れる副業をする場合、不用意な発言が炎上につながり、弁護士としての評価に影響するおそれがあります。

         

         

        弁護士の主な副業例

        ここでは、弁護士が一般的に行っている主な副業を紹介します。

        • YouTuber
        • 書籍出版
        • メディア出演
        • ライターや監修者
        • 監修者講師

          順番に見ていきましょう。

           

          YouTuber

          YouTubeに動画を投稿することで収入を得る「YouTuber」を副業として選ぶ弁護士もいます。

          弁護士資格を持つYouTuberとして、法律に関する情報をわかりやすく解説する動画を公開しているケースが多く見られます。例えば、交通事故や離婚、相続などの日常生活で直面する法律問題や、時事問題に対する法的な見解などをテーマにした動画が人気の傾向です。

          YouTuberのメインの収入源は、再生回数に応じて得られる広告収入や、企業から依頼を受けて商品やサービスを紹介することで得られる収入です。

          弁護士資格を持つYouTuberの中には、登録者数が170万人を超えるチャンネルもあります。YouTuberとしての収入だけでなく、自身の専門性をアピールする場として活用でき、本業での集客にもつながるのが、YouTuberの大きな魅力です。

          ただし、前述したとおり不用意な発言などによって炎上のリスクもあるので、弁護士であってもより慎重な行動が求められます。

           

          書籍出版

          弁護士が書籍を出版することも、人気のある副業の1つです。

          例えば、離婚問題などの一般的な問題について法律の基礎知識を解説する書籍や、ビジネス法務などの分野に特化した専門書を執筆することが考えられます。

          出版によって得られる印税収入が、書籍出版の収入源です。

          また、弁護士としての信頼性や権威を高められるほか、執筆する中で自身の法律知識を整理することにつながるのが、書籍出版の大きなメリットです。

          ただし、書籍出版は所属する企業名を出す必要があるので、許可の有無や条件などを事前に確認することが重要です。

           

          メディア出演

          弁護士がテレビやラジオ、インターネット番組などのメディアに出演することも、副業の1つです。

          ニュース番組を中心に、法律問題についての専門的な解説が必要な場面で弁護士のニーズがあります。メディアに数多く出演する弁護士の中には、芸能プロダクションに所属している人もいます。メディア出演で得られる収入は、主に出演料です。

          また、メディア出演を通じて自身の知名度が高まり信頼性が向上することで、本業の集客力が高まることが期待できます。

          メディア露出は当然ながら多くの人の目に留まるので、YouTuberと同様に発言や行動に注意する必要があるでしょう。

           

          ライターや監修者

          弁護士としての知識を活かして、法律関連の記事やコラムを執筆するライター業や、他の著者の書籍や記事を監修する仕事も、副業として人気があります。

          得られる収入は受注先の執筆料(成果報酬など)によって異なります。弁護士は法律に関して専門性や権威性があり、報酬額の相場は通常のライターと比較して高い傾向にあるでしょう

          ライターや監修者としての業務を通して、弁護士としての見識を広く社会に提供できるほか、ライティングスキルも向上させることが可能です。また、執筆や監修は提出期限さえ厳守すれば時間や場所を問わず行えるため、弁護士の多忙な働き方にマッチしやすいといえます。

           

          講師

          法科大学院や大学、司法試験予備校、セミナーなどで講師を務めることも、副業の選択肢の1つといえます。

          例えば、法科大学院や大学の法学部で非常勤講師として法律を教えたり、企業向けのコンプライアンス研修の講師を務めたりすることが可能です。

          講師業を通じて得られる報酬だけでなく、授業準備を通じて自身の知識を再確認し、さらに深められるのが魅力です。また、授業は1コマからできるケースもあり、司法試験予備校であれば夕方や夜間に授業を行うことも多いので、本業の合間で行えるのも講師の魅力といえます。

          ただし、書籍出版と同様に事前の許可などに注意が必要です。

           

           

          弁護士の副業に関するよくある質問

          ここでは、弁護士の副業に関するよくある質問に回答します。

          • 弁護士は副業で飲食店を経営できる?
          • 弁護士の副業において違反するとどうなる?

            疑問の解消にお役立てください。

             

            弁護士は副業で飲食店を経営できる?

            弁護士が副業として飲食店を経営することは可能です。弁護士法には、飲食店を経営することを禁止する規定はありません。

            来客が気軽に相談できる窓口を設置し、弁護士が運営を行うカフェというブランディングを行っているケースもあります。飲食店を経営する過程で得た人脈が本業の集客につながることも期待できます。

            ただし、飲食店経営は営利を目的とする業務に該当するため、弁護士会に届出を提出しなければなりません。また、弁護士としての本業に影響を与えないようにすることが前提です。

            飲食店の経営は時間と労力がかなり必要になるため、本業に支障が出ないようにスケジュールを管理しましょう。場合によっては、日頃の運営はスタッフに任せる必要があるでしょう。

             

            弁護士の副業において違反するとどうなる?

            弁護士が副業して違反が発覚した場合、弁護士会から指摘を受けるケースがあります。特に、弁護士会に届出を行わずに副業を開始したり、副業が弁護士業務に悪影響を及ぼしたりすると、懲戒処分を受けるリスクがあります。

            違反することがないよう、弁護士会に届出を提出するほか、副業の内容が弁護士としてふさわしいものであることを事前に確認しましょう。

            不明点があれば、所属弁護士会に問い合わせることをおすすめします。

             

            弁護士の副業はあくまで本業に影響しないことが重要

            弁護士が副業すれば新たな知識や経験、人間関係を築くきっかけになります。副業で得たことを活かせば、弁護士としてさらにステップアップできる可能性もあるでしょう。

            ただし、副業は本業に支障をきたさないように注意が必要です。時間と労力が大きくかかる副業をすると本業に注力できなくなり、弁護士としてのキャリアに悪影響が及ぶリスクがあります。

            副業に興味がある方は、本業に支障が出ないように注意しながらやっていくことが重要です。本業が効率化できれば、副業できる可能性も増えるでしょう。

             

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