経営視点でも効果を実感
山下先生:経営面で特に大きいと感じているのは、必要なアクションを迅速に取れるようになったことです。状況をタイムリーに把握できるようになったことで、事務所全体の売上やクライアントごとの売上、月別の売上などをすぐに確認できるようになりました。また、私たちにとって特に大きいと感じているのが、弁護士の勤務状況や稼働状況を可視化できる点です。弁護士が早く入力してくれることで請求業務が進むのはもちろんありがたいのですが、私たちはタイムチャージの入力を、請求のためだけでなく、勤務状況を把握する手段としても活用しています。たとえば、特定の弁護士に負荷が集中していないか、忙しすぎる状況になっていないか、またどのような案件が集まっているのかといった点を、タイムリーに確認できます。私自身も日々何度も確認しています。井端が設定してくれた私のお気に入りレポートの中には、弁護士の Work Time / Adjusted Time を確認できるものがあり、弁護士がどの程度稼働しているのかを把握できます。条件を設定すれば、月単位だけでなく直近一週間といった期間でも簡単に確認できるため、誰が特に忙しいのか、誰に業務が集中しているのかを把握しやすくなっています。
また、特定の弁護士名で絞り込むと、その弁護士がどの案件にどれだけ時間を使っているのかも確認できます。そうすると、最近の稼働状況や忙しさ、きちんと時間が入力されているかといった点まで把握できますし、「最近はこの種の案件が多いので別の案件も任せてみよう」「この案件を担当してもらうことで新たなチャレンジになるのではないか」といった判断にもつなげることができます。こうした情報はアサインメントにも活用できますし、一覧で俯瞰して確認できることで、業務の偏りを防ぎながら、本人のモチベーションにも配慮した仕事の頼み方ができるようになっています。
さらに、経営面では、所員がしっかり数字を出していることが見えることで安心感にもつながりますし、稼働が少なくなってきたと感じた際には、営業活動を強化するなど、状況に応じた切り替えがしやすくなりました。これが一つ目の効果です。二つ目は、クライアント対応の迅速化です。たとえば見積もりを提示している案件で、その金額を超えそうな場合には、できるだけ早くクライアントにご連絡することが非常に重要です。未請求一覧を見ると金額の状況もすぐに把握できるため、先回りしてご連絡し、クライアントの状況に応じた対応を取りやすくなりました。三つ目は、所員にとって、事務所がDXに対応しているという安心感や一体感を持てることの重要性です。同じシステムを使い、便利なツールが一元化されていることで、事務所が変化に柔軟に対応し、所員の働きやすさを考えて効率化を進めているという実感につながっているのではないかと思います。特に若い世代ほど、そうした変化に敏感に反応しているように感じます。私は、こうした点が所員のエンゲージメントやリテンションにも大きく役立っていると考えています。
導入前との比較で売上向上効果を確認
山下先生:実際にLEALAを導入したのは2024年11月です。2025年1月から4月までの売上と、その1年前にあたる2024年1月から4月までの売上を比較しました。私たちが見ている指標は、基本的には弁護士が働いた時間に対してどれだけ請求できたかという点です。時間単位で比較したところ、実際には2%向上していました。2%の向上は一見すると小さく見えるかもしれませんが、私としてはかなり大きな改善だと感じています。というのも、その間にはレート(時間単価)の値上げも行っており、レートを上げたにもかかわらず請求時間が増えたということになるからです。
しかも導入直後の段階で2%の上昇が見られたという点にも、大きな意味があると感じています。単純に考えても、たとえば売上が数億円規模であれば、2%の差は数百万円以上に相当します。さらに、タイムチャージの運用改善による効果も加われば、それ以上のインパクトがある可能性があります。そう考えると、業務効率化によって、システム開発にかかったコストも、早くも一定程度回収できているのではないかと感じています。特に、ある程度の規模がある事務所ほど、情報共有や権限委譲のメリットを生かしやすく、その効果も大きくなりやすいのではないかと思います。その意味でも、この2%という数字は非常に大きいと捉えています。特に、導入直後からいきなり5%や10%の効率化を実現することは難しいと思いますので、この段階で2%の改善が見られたことは大きな成果です。このように請求効率が上がるメリットは、二つあると考えています。一つ目は、実際に働いた時間に対して得られる成果・報酬が大きくなることです。二つ目は、同じ金額を請求するために必要な作業時間を短縮できることです。これからは、むしろ後者の価値がより重要になってくるのではないかと思います。弁護士自身もワークライフバランスを非常に意識しているため、たとえば働く時間が2%減るだけでも、実際はもっと減らせていると思いますが、まとまった時間を生み出すことができます。そうした観点から見ても、LEALAの導入は大きな効率化につながっていると感じています。

事務所に関わってくださる人々にかけがえのない存在でありたい
山下先生:将来の展望として、私たちが非常に大切にしているのは、事務所に関わってくださる方々にとって、私たちがかけがえのない存在であり続けることです。まず所員にとっては、「どこでも働けるけれど、この事務所で働きたい」と思ってもらえる存在でありたいと考えています。また、LEALAの皆さまをはじめ、ご一緒してくださる方々にも、「山下総合法律事務所と仕事がしたい」と思っていただけるような存在でありたいという理想を掲げています。私は、そのために何より大切なのは、まず事務所の中にいるメンバーが満足し、安心して、本当に仕事に集中できる環境を整えることだと思っています。そこから良い影響がお客さま・お取引先さまへと広がり、さらに社会へと広がっていくと考えています。企業法務は、どうしても労働集約型になりやすい側面があります。タイムチャージはまさにその典型で、人が増えなければ売上が増えにくく、時間が増えなければ収益や報酬にもつながりにくいという構造があります。だからこそ、そうした構造を変えていくことも重要ですし、そのような状況の中でも、本当に価値のある仕事や、価値を生み出す仕事、メンバーが本当にやりたい仕事に集中できるようにしていくことが必要だと考えています。そのためにも、私たちはDXの推進や、LEALAをはじめとするさまざまな方々の力を借りながら、よりよい環境づくりを進めていかなければならないと思っています。今後もDX化や業務支援の取り組みは継続していくつもりですし、それらをさらに有効に活用していきたいと考えています。そうすることで、これまでできなかったことを実現し、所員が満足して力を発揮し、その結果としてお客さまにもより大きな満足をお届けでき、事務所自体も成長していく――それが私たちの理想です。ですから、私たちがこれからさらに成長していく姿を、ぜひLEALAの皆さまにも見ていただきたいと思っています。
井端様:法律事務所には、従来の考え方や慣習が根強く残っている面もあると感じています。そうした中で、変化に柔軟に対応していくことが、これからますます重要になるのではないかと思います。もちろん、これまで大切にしてきたやり方の中にも守るべきものは多くありますが、一方で、システムを上手に活用しながら柔軟に変化し、成長していくことも非常に大切だと感じています。LEALAは、年齢や立場を問わず、多くの人が便利だと実感できる仕組みだと思います。そうしたツールを前向きに活用しながら、時代の変化とともに私たちの事務所も変化を楽しみ、一人ひとりが利便性を実感しながら成長していけるとよいと、私も考えています。
























