公開日 2026/09/17 更新日 2026/09/17
法律事務所がシステム導入を成功させる要因とは
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのカスタマーサクセス(CS)・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるには」について5回シリーズで紹介していきます。前回はシステム導入に成功しない法律事務所の共通点について紹介しました。今回はシステム導入を成功させる要因について紹介します。
- 第1回 システムを導入しても成果が出ない法律事務所の共通点
- 第2回 法律事務所がシステム導入を成功させる要因とは ←今回はここ
- 第3回 法律事務所のシステム導入「それって必要ですか?」が成功のカギ
- 第4回 法律事務所がシステム導入で見落としがちな3つのリスク
- 第5回 法律事務所のシステム導入、本当のゴールとは
システム導入に成功しない要因がわかったら、成功する要因についても知りたいと思う人も多いのではないでしょうか。ここでは、成功する要因について詳しく紹介します。
- システムを浸透・定着させることはなぜ難しいのか
- 成功の要因は「代表の本気の取り組み」であることの意味
- 代表の意思を継ぐプロジェクト責任者の意思も必要な理由
システム導入の成功は事務所内への浸透・定着から
システムを導入して業務効率化などの目的を達成させることがシステム導入の成功ということができるでしょう。しかし、そのためには事務所内にシステムが浸透し、システムを利用することが当たり前になる、つまりシステムを定着させる必要があります。これは当たり前のように思いますが、システムの浸透・定着に悩む法律事務所は多いというのが実情です。そして、システム導入後の一番の悩みとなっています。なぜ浸透・定着が難しいのでしょうか。理由は大きく2つあるといえるでしょう。
- これまでのツール活用からの脱却の難しさ
- 業務フローや考え方の違い
それぞれ見ていきましょう。
これまでのツール活用からの脱却の難しさ
パッケージのシステムを利用するようになると、これまでエクセルなど他のツールで管理していたものをシステムで行うことになります。エクセルや他のツールへの入力や管理に慣れてしまっているため、システムへの入力の仕方や何を知りたい時にどの画面を確認すればいいかなど、最初は戸惑うことも多いでしょう。慣れないことをする心の負担だけでなく、やり方に慣れるまで対応に時間がかかる場合もあり、元のやり方のほうがよかったとシステムを入れてもツールやエクセルに戻ろうと考える人がいてもおかしくありません。慣れたツールからの脱却はハードルが高いものです。脱却の難しさがシステムの浸透・定着の妨げになるのです。
業務フローや考え方の違い
支店を多く抱える法律事務所では、支店ごとに業務フローが異なることはめずらしいことではありません。支店によって微妙に考え方が異なる場合もあります。システムを導入するということは業務フローを統一するということでもあります。そのため、支店ごとに業務フローや考え方が異なると統一へのハードルが高くなるのです。では、支店がない事務所なら簡単にシステムの浸透・定着ができるのかというと、それも簡単ではありません。支店ごとほど大きな違いではないかもしれませんが、弁護士ごとに業務フローや考え方の違いは多少ともあり、それが浸透・定着への障壁になるのです。
システム導入を成功させる要因は「代表の本気の取り組み」
システムの浸透・定着が難しい中でも、システムを事務所内に定着させ、システム導入を成功へと導くことができている事務所があります。一方で、システムを定着させることに課題を抱えたままの事務所もあります。この違いは「代表の本気の取り組み」にあります。これは、取扱業務や規模の違いなどとは関係なく、どの事務所にもあてはまることだといえます。
代表の本気の取り組みとは
では、代表が本気で取り組むとは具体的にどのようなことなのでしょうか。まず、代表が「システムを浸透・定着させる」という強い意志を持ち、事務所内に明言する、態度で示していくことがもっとも重要であるといえるでしょう。
「システムの定着に向けた言動以外は許容しない」くらいの意気込みが必要です。なぜなら、先述のように慣れ親しんだツールのほうが使いやすい、このシステムの業務フローは自分、自分の支店には合わないと言ってくる人は必ずいるものだからです。他にも、今はこれをしているから、自分がシステムを使うのはもう少し先にしたいなど、賛同はしていてもすぐに動かないという人もいるかもしれません。それらをすべて許容しない強い気持ちと態度が代表には求められます。 代表の強い意志、意気込みが事務所全体に伝わることで、プロジェクトの責任者になっている弁護士や、事務局など、システムの浸透・定着に向けた動きが取りやすくなるといえるでしょう。
代表の明言により、絶対的にシステムを定着させ、成功に導くことができるのです。
成功に不可欠なプロジェクト責任者の役割

代表がシステムの浸透・定着に向けて意気込みを示すとはシステム導入を成功させる要因であることには変わりませんが、一つだけ注意すべきことがあります。それが、システムの浸透・定着を進めるプロジェクトの責任者の意向です。プロジェクトの進行においても代表が指揮をとる事務所ばかりではありません。多くの事務所では、プロジェクトの責任者として事務所内の他の弁護士が指揮をとることが多いといえるでしょう。代表の意向を受けて、プロジェクトの責任者がどれだけ積極的に動くかというのが重要です。
代表はシステムの浸透・定着を進めたい、システム導入を成功させたい、それには、まず所員にシステムへの入力をちゃんとさせたいという意気込みになっても、プロジェクトを統括する弁護士が後ろ向きという場合があります。代表の意向を受けて、LEALA側でもプロジェクト責任者に「何がしたいんですか」「業務効率化ですか」「属人化からの脱却ですか」とシステムを導入した目的の確認をしたり、「業務効率化の支援のために今の事務所の業務フローを教えてください」など事務所の現状の把握をしようとします。後ろ向きのプロジェクト責任者の場合、LEALAの質問に答えようとしない、コミュニケーションをとろうとしないということが起こります。それで頓挫するということもあります。
システム導入にはコストがかかります。それを支払ってでもやりたいと思うからこそ、代表はシステム導入を成功させようという意気込みが強いといえるのかもしれません。一方で、プロジェクトの責任者である弁護士は、自分で支払うわけではないので代表ほどの意気込みにはなりにくいといえるでしょう。そうなると、自分の業務を優先してしまいがちになり、LEALAとコミュニケーションをとって、連携をとって何とかしようという思考になるのは簡単なこととはいえないでしょう。
もし、プロジェクト責任者がシステム導入の提案者であった場合は、状況は異なるかもしれません。自分が進めたいと思っているシステム導入に代表の意気込みが加われば、当然のごとく積極的に動くのではないでしょうか。つまり、プロジェクト統括者の推進しようという気持ち次第、責任感次第で、システムの導入が成功するかどうかが左右されるのです。
システム提供会社の支援は事務所の本気があってこそ
システム提供会社は、法律事務所のシステム導入時、導入後に対し支援をしています。しかし、事務所自身がシステムの浸透・定着に本気にならないと、どんな支援をしても定着につなげるのは難しいというのが、これまでの経験からわかっています。
例えば、LEALAでは導入後の支援として、システムのマニュアルを制作する、困りごとなどの相談がしやすい専用のお問い合わせサイトを設置し、サポート担当やエンジニアが迅速に対応する体制を作っています。必要なカスタマイズへの対応や、業務フローの改善やシステム定着のための使い方の提案もしています。しかし、どんなに支援をしても、法律事務所側がシステムを受け入れる気持ち、業務フローを変えることを許容する気持ちがなければ、事務所がシステムを定着させることは難しいといえるでしょう。所員がやらざるを得ないと思わせる事務所側の統率、これがシステム定着の最後の決め手になります。
そして、プロジェクトの責任者が後ろ向きの場合は、どんなにLEALA側からアクションを起こしても、どうにもならず成功につながらないというのも実情なのです。
事務所が本気にならなければ、システムの定着は難しい
システムを導入するという決断も、事務所にとっては大きなことだといえます。一方で、導入したシステムを事務所内に浸透・定着させなければ、システムを導入した効果を得られることはありません。導入後もシステムの浸透・定着をさせるためには、まず代表が本気になり、それを受け継いだプロジェクトを統括する弁護士が責任をもって進めることが重要です。LEALAのCSはあくまでもサポートの位置づけであり、浸透・定着の主体は事務所です。このことを忘れずに、自所のシステムの浸透・定着が進まないと思ったら、CSへの相談と同時に自所の本気度を確認するのがいいでしょう。進まない要因が自所の中で見つかるかもしれません。本気になって、システムの浸透・定着につなげましょう。
第3回である次回は、システム導入を成功させる事務所内の姿勢について紹介します。
LEALAは法律事務所向け業務基盤システムです。本気でシステムを浸透・定着させたいと考える法律事務所には、これまでの経験から貴所にあった提案、サポートが可能です。LEALAに興味がある、聞いてみたいことがある場合は、お気軽にお問い合わせください。サービス資料、お役立ち資料はこちらからダウンロードいただけます。
著者情報:
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
監修/協力:
上原真由
株式会社レアラ カスタマーサクセス シニアマネージャー
弁護士事務所勤務や複数の医療系IT企業でのCS業務やマネジメントを経てレアラに参画