事務所経営お役立ちコラム記事

Column

公開日 2026/09/10  更新日 2026/09/10

「相談者にとっての最適解を提供する」選ばれる弁護士に求められる姿勢とは

「相談者にとっての最適解を提供する」選ばれる弁護士に求められる姿勢とは

 

 

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのセールス・シニアマネージャーへのインタビュー第2弾、「法律事務所が商談する時に役立ててほしいこと」を3回シリーズで紹介していきます。前回は企業法務系弁護士が信頼を獲得するのに必要なことについて紹介しました。3回目、最終回の今回は、選ばれる弁護士に求められる姿勢について紹介します。

 

 

前回、前々回は一般民事系の弁護士が相談者への対応で大切にしたいこと、企業法務系の弁護士が顧客企業の信頼を獲得するために必要なことと、一般民事系、企業法務系それぞれについて紹介してきました。今回は、どのような案件を扱う弁護士かに関わらず、相談者に選ばれる弁護士になるために求められる姿勢について説明します。

 

  • 自分ができることを具体的な言葉に落とし込む必要性
  • パターンと選択の観点を提示する必要性
  • 相談者にとっての最適解を考え、伝えることの大切さ

 

選ばれる弁護士に求められることとは

多くの相談者が訪れることも大切ですが、相談に来た人が依頼してくれる、受任率が高まるのは法律事務所、弁護士にとって喜ばしいことといえるでしょう。そして、受任率が高まり、依頼者が満足してくれれば、口コミにより相談者が増える可能性もあります。では、何をすれば、相談者が依頼したい、選ばれる弁護士になることができるのでしょうか。

選ばれる弁護士に求められる主な4つの姿勢は以下になります。

・案件ではなく一人の相談者(相談企業)と向き合う
・自所、自分が提供できることを具体的な言葉に落とし込む
・パターンと選択の観点を提示する
・相談者にとっての最適解、最短ルートを考える

それぞれについて見ていきましょう。

 

案件ではなく一人の相談者(相談企業)と向き合う

これは第1回「「”案件”ではなく”人”を見る」一般民事系弁護士の商談で最も大切なこと」、
第2回「「契約書の向こうに何を見るか」企業法務系弁護士が信頼を獲得するのに必要なこと」で見てきたことであり、選ばれる弁護士の姿勢としての基本といえます。

相談に来ているのは、何かしら法的な困りごとを抱えている人たちです。弁護士の経験値では、この案件は結論としてこうすればいいとわかっていても、それで終わらせるのではなく、丁寧に何に困っていて、何を解決してほしいのかをしっかりと聞くことが大切です。案件や契約書ではなく、相談者である個人、企業と向き合うこと、この基本は忘れないようにしましょう。

 

自所、自分が提供できることを具体的な言葉に落とし込む

法律事務所や弁護士が提供しているのは「サービス」です。商品はどういう機能があり、価格はいくらであるかを伝えることができます。選択の際には、例えばお店に行って試してみる、営業の人にデモをしてもらうことで、購入前に商品の評価をすることができるでしょう。同じ種類の商品を現在使用している場合は、機能の違いを見ることで、価格の妥当性を検討できるかもしれません。

一方、サービスは顧客の課題を解決する、または解決するサポートすることが提供価値となるため、顧客はサービスを利用してみないと評価が難しいといえます。美容室、理容室などを思い浮かべれば、わかりやすいかもしれません。「暑くなってきたので、すっきりした髪型にしたい」「イメチェンしたい」など、髪をカットするということだけでも顧客の課題はそれぞれです。顧客は、事前に口コミなどお店の情報を仕入れてお店を選択し、そして、実際に髪をカットしてもらい、仕上がりや美容師、理容師の接客、お店の雰囲気なども含め、自分の課題が解決されたかどうか、要望が満たされたかどうかで、その店を評価するのではないでしょうか。

法律事務所でいえば、何かしらの課題、困りごとを抱えた相談者は、事前に仕入れた情報から相談する法律事務所を選択し、実際に相談してみて、依頼するかどうかを決断することになります。美容室、理容室は、お客様が来店した時点でサービスの提供ができるのに対し、法律事務所はサービスの提供のためには、相談時に依頼するかどうかの選択、つまり2回目の選択をされることが異なる点といえるかもしれません。

2回の選択場面を切り抜けて、依頼につなげるためには、サービスの特徴である「顧客の課題を解決する、または解決のサポートをする」ために自所ができることを具体的な言葉に落とし込み、相談者に伝えることが必要です。

例えば、「うちの事務所は親切丁寧に対応します」と謳っている法律事務所があったとします。しかし、それだけでは自所が提供するサービスを相談者が理解し、自所を選択するのは難しいかもしれません。だからこそ、その法律事務所は、その弁護士は何をしてくれるのか、どのような課題を解決してくれるのかが理解できる具体的な説明が必要となるのです。

他所との違い、自所が提供するサービスの強みを、それぞれの法律事務所、弁護士は持っているのではないでしょうか。それを具体的な言葉に落とし込んでいきましょう。この際、法的知識が十分ではない相談者が自所を選択したいと思わせる言葉、内容になっているかという視点は忘れないようにしたいものです。

 

パターンと選択の観点を提示する

相談者は何をしていいかわからないから、自所に相談に来ている、この当たり前のことを忘れないようにすることが大切です。この当たり前のことを忘れて、「どうしてもらいたんですか」と弁護士が言ってしまったら、相談者は何をしに法律事務所を訪れたのかがわからなくなってしまうでしょう。

相談内容の対処法としては、だいたいこういうパターンとこういうパターンがあるというような、選択肢を提示するのがいいでしょう。パターンを提示した後は、どのパターンを選択するといいのかの観点を説明していきましょう。例えば、「今一番困っていることは、この中の何になりますか」「この場合はこちらのパターンのほうがいいと思いますが、そちらのパターンを選択しても問題ないと思いますよ」といった、相談者がパターンの内容と選択の観点を理解しやすいように、選択の案内をすることが大切です。選択の観点を示しながら、一緒に選択していくことで、相談者自身が納得しながらパターンを選択することができるでしょう。それは相談者の安心感にもつながります。

最初から対処法が1つしか提示されない、つまり結論だけを言われると、自分の状況も把握できないまま決断を迫られているように思い、不安が払しょくされないままになる可能性もあるでしょう。

状況の整理、選択肢の提示、そして選択の観点を伝えながら一緒に選択をしていく、それが相談者の安心と、弁護士への信頼につながるといえるのです。

 

相談者にとっての最適解、最短ルートを考える

このタイトルを見て、「相談者にとっての最適解、最短ルート」なら、いつも考えていると思われる弁護士も多いのではないでしょうか。しかし、その最適解は「自所内で対応できること」に絞った最適解となっていることはありませんか。

自所を訪れた人の相談であれば、まず自所内で何ができるか考える、これは当然のことといえます。一方で、稀に、相談者の話を聞いているうちに、相談者の課題を解決する最短ルートは、〇〇専門の他の事務所に相談したほうがいいのではないかと気が付く瞬間もあるのではないでしょうか。例えば、自所でも対応はできるけど、専門性を考えたらあっちの事務所に依頼したほうが処理が早いかも知れないというようなことです。

それに気が付いたときに、相談者にそのことを伝えることができる、それが「相談者にとっての最適解、最短ルートを考える」ことになります。これは、提示までしてはじめて「考えた」ことになり、そう思っただけで伝えなかったのであれば「考えた」こととはいえないでしょう。

「相談者の話を聞いて、相談者にとっての最適解、最短ルートが他の事務所への相談であったら、その旨を伝える」、一見、自所、自分にとって損になる言動のような気がします。しかし、「損して得取れ」という言葉があるように、その相談については自所への依頼につながらなかったかもしれませんが、相談者は自分のことを理解し、自分のために考えてくれた弁護士に信頼を寄せるでしょう。そして、その弁護士のリピーターになる可能性が高くなります。この相談ももしかしたら先生の専門とは別かもしれないけど、まずは相談してみようと思うようになるでしょう。

自所内で何とかしようとして、「所内で確認させてください」というより、相談者が何に困っているのか、どうすることが最適解なのかを自所に限定せずに考え、伝えられること、これが相談者の信頼を勝ち取ることになるでしょう。
自分が相談者の立場だったら、どうしてもらえるのがうれしいのかを考えて、相談者に対応すること、たまにお節介かもと思うようなことがあっても、そこまでやってくれる弁護士には好感をもたない相談者はいないのではないでしょうか。

 

自所、自分のメリット優先では、選ばれる弁護士になれない

選ばれる弁護士の姿勢は、結局は相談者の立場に立ち、相談者優先で話を聞く、提案をするということに尽きるでしょう。「自所、自分が提供できることを具体的な言葉に落とし込む」のも、相談者に自所を理解してもらうために行うことですので、相談者の視点を無視して法的専門用語をたくさん並べても、自所の良さは伝わらないでしょう。だからこそ、選ばれる弁護士になるためには、自所、自分のメリットを優先させるという姿勢ではなく、相談者優先の姿勢を常に意識することが大切であるといえるのです。

3回にわたって、営業経験者だから伝えられる、商談を成功させる、契約を継続させるために弁護士に求められることについて説明してきました。これからもレアラ社員が持つ専門性から、法律事務所に役立つようなコラムをアップしていきます。ご活用ください。

 

LEALA(レアラ)とは法律事務所向けの案件管理システムです。Salesforceによる世界最高峰の技術基盤と、実務経験15年以上の現役弁護士の知見が融合し、法律事務所の収益や依頼者満足度など、成果を最大化する完成度の高い機能を提供します。さらに、継続的に機能が進化していきます。相談者優先の姿勢を貫くためには、業務を効率化し時間的、心理的な余裕をもてるようにしましょう。

LEALAにご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。資料をご覧になりたい方はこちらです。

 

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事

監修/協力

金 大翔
株式会社レアラ セールス シニアマネージャー
複数社で営業・事業開発に従事後、コンサルティング業務を経てレアラに参画

 

関連記事

Column
  • 弁護士におすすめの案件管理システム5選!導入するメリットも解説
    2024/06/18

    弁護士におすすめの案件管理システム5選!導入するメリットも解説

  • 法律事務所の受任率を高める相談・商談に役立つマーケ視点3つのポイント
    2026/07/14

    法律事務所の受任率を高める相談・商談に役立つマーケ視点3つのポイント

  • 請求書をエクセル(Excel)で管理する方法は?課題点も徹底解説
    2026/04/08

    請求書をエクセル(Excel)で管理する方法は?課題点も徹底解説

弁護士・法律事務所業務を効率化する
充実した機能が揃っています

LEALAをもっと知りたい方に、
資料のご共有とデモによるご説明をご用意しております。
まずは、お気軽にお問い合わせください。