公開日 2026/09/15 更新日 2026/09/15
システムを導入しても成果が出ない法律事務所の共通点
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。今回からレアラのカスタマーサポート・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるには」について5回シリーズで紹介していきます。LEALAのカスタマーサポート(CS)で、システム導入後の法律事務所をずっと支援してきたからこそ、伝えられる内容になっています。このシリーズが、導入検討中の法律事務所、導入したけど成功していると自信を持って言えない法律事務所のお役に立てることを願っています。
これまで、レアラのセールス・シニアマネージャーにインタビューしたコラムにおいて、システム導入がうまくいく事務所は何をしているのかなどを紹介してきました。導入する前の法律事務所についてインタビューしたセールス・シニアマネージャーと、CSシニアマネージャーにインタビューした導入後の法律事務所、同じようで違う課題が見えてきます。第1回である今回は、導入に至るまでに考えたはずのことが、実は導入後もボトルネックになっているという、導入を決心する際には再度、導入する意味を考えようと思わせてくれる内容となっています。ぜひ、お読みください。
- 第1回 システムを導入しても成果が出ない法律事務所の共通点 ←今回はここ
- 第2回 法律事務所がシステム導入を成功させる要因とは
- 第3回 法律事務所のシステム導入「それって必要ですか?」が成功のカギ
- 第4回 法律事務所がシステム導入で見落としがちな3つのリスク
- 第5回 法律事務所のシステム導入、本当のゴールとは
システムを導入するには、コストも労力も必要です。それを乗り越えて導入したはずなのに、システム導入に成功しない法律事務所があるのはなぜなのでしょうか。ここでは成功しない事務所の共通点(2大要因)について紹介します。
- 「システムを導入すれば勝手に楽になる」が誤解である理由
- 運用を変えないことでシステムの導入効果を得られない理由
- 「カスタマイズできる=自所の業務フローに合わせること」が勘違いである理由
要因1:「システムを導入すれば勝手に楽になる」という誤解
「システムを導入すれば勝手に楽になる」、その通りだと思っていたのに誤解というのはどういうことなのか、と思われている人も多いかもしれません。導入までの長い道のりを頑張ってきたのだから、そのあとはきっと楽になるはずと思うのは当然だとお考えの人もいるでしょう。ここでは、システムを導入する前の道のりを振り返りながら、導入後になぜ勝手に楽にならないかについて説明します。
システムを導入するまでの道のり
セールス・シニアマネージャーのインタビューから導入までの道のりについて振り返ってみましょう。システム導入にたどり着くまで、導入を成功させるために法律事務所が行っていることは、主に以下のようなことでした。
・業務の効率化などシステムを導入する目的を明確にする
・現在使用しているツールを洗い出し、業務フローにおける各ツールの役割、情報公開の範囲などを整理する
・現時点の課題にだけ注目することなく、今後のことも考えて課題を整理する
・システム導入を進めるために所内の賛同者を増やす
・システムの導入に向けて事務所内の意識を統一する
主なものを書き出しても、導入までの道のりが遠く、険しいものであることがわかります。これらを乗り越えて、導入に辿りいているのなら、導入後は比較的スムーズに業務効率化が進むのではないかと、CSシニアマネージャーにインタビューするまでは筆者も期待を寄せていました。しかし、インタビューで、最初に伝えられたのが「導入すれば勝手に楽になるって思ってるっていうのが大きな失敗の一つの原因」というものでした。
なぜ、システムを導入しても勝手に楽にならないのか
システムを導入しても「勝手に」楽にならない要因を挙げるとしたら、2つのことが考えられるのではないでしょうか。
1つは、システムを導入するまでの主な道のりで挙げたことについて、例えば事務所内の意識の統一が十分にできていなかったなど、クリアしているといえない状況で導入まで辿りついてしまうことです。すべてクリアしていたら「勝手に」まではいかなくても、もう少し「楽」が手に入るかもしれません。
そして、「勝手に」楽にならない最大の要因は、導入しても、例えば入力しなければいけない項目は入力をするという「作業」をしなければ、システム導入の効果は得られることはありません。入力するという、システムを導入すれば当たり前のこと以外にも、システムを導入後に業務効率化などの効果を得るためには、やらなければならないことはあるでしょう。つまり、システムを活用するという意識を持ち、そのための作業をしないまま、「勝手に」楽になることはないといえるのです。
もちろん、「勝手に」という言葉が持つ範囲は、法律事務所によって多少異なるかもしれません。しかし、システム導入後にすべきことへの対応が十分ではないまま、「勝手に」楽になると思っているというのは同じではないでしょうか。システム導入によって効果を実感したいのであれば、効果を得るために必要なことを自所内で話し合う、またはシステム提供会社のCSに相談することをお勧めします。
要因2:運用を変えない

自所で開発したシステムではない、他社のシステム、パッケージを導入した場合は、パッケージにある「運用」というものを意識する必要があります。この意識が十分ではない、つまり、現在の運用を変えようとしないというのが、システムを導入してもうまくいかない2つめの要因です。
CSの実体験から、法律事務所が運用を変えようとしない理由は2つ挙げられます。
- 自所の業務フローが一番正しいという思い込み
- カスタマイズできる=自所の業務フローに合わせること、という誤解
それぞれ見ていきましょう。
自所の業務フローが一番正しいという思い込み
自所、自分の業務フローに慣れているので、システムを入れても変えずに、そのままでいたいという気持ちは大小関わらず、どの事務所、弁護士にもあるかもしれません。一方で、業務で課題を感じることがあって、それを解消するためにシステムを導入したということも確かなことではないでしょうか。
しかし、例えば業務の課題を解消するためにシステムを導入したはずであっても、導入後に自所での業務フローは変えたくない、それが一番正しいと思い込んでる法律事務所があることも事実です。業務フローの変更に対する許容範囲がゼロという反応をされることもあります。そのような事務所は、パッケージのシステムであるLEALA(レアラが提供している法律事務所向け業務基盤システム)から外れた業務フローがたくさん出てきてしまい、カスタマイズが発生することになります。そして、カスタマイズしなくてはならないことが多くなっていくと、自所の業務フローが思うように再現できないという発想になり、このシステムは使えないという判断をしてしまうことも起こります。
ここで、なぜLEALAのようなパッケージのシステムを導入するのかということを考えてみましょう。パッケージのシステムというのは、もともと法律事務所の業務効率化などを目指して、いろいろな事務所の声を集めて、いい形の業務フローにしているものです。少なくともLEALAは、導入前後の支援に加え、お客様の声をもとに、いい形の業務フローになるよう機能の改善をし続けているシステムです。(参考:リリース「レアラ、法律事務所向け業務基盤システム『LEALA』のサービス継続率99%を2026年も達成 手厚いサポートと4年間累計424件の機能改善がお客様の業務定着を支援」)
そのようなパッケージのシステムの良さを取り入れることなく、自所の業務フローにこだわる、自所の業務フローだけが正しいという思い込みを持ち続けることは、パッケージのシステムを導入することによる効果を得られず、損をしているともいえるのです。
カスタマイズできる=自所の業務フローに合わせること、という誤解
LEALAは、開発基盤としているsalessforceの特長も備えているため、カスタマイズが可能な柔軟性をもったシステムです。カスタマイズができる、柔軟性があるということを、自所用にカスタマイズできるという発想に切り替えてしまう法律事務所もあります。そのような事務所は、導入までたどり着いても、この機会に業務効率化のために自所の業務フローを見直そうという発想には残念ながら至りません。自所の業務フローにカスタマイズでどれだけ合わせられるかということに焦点を当ててしまうため、先述のようにパッケージのシステムだから得られる業務の効率化につながる業務フローを受け入れることが難しいといえます。
LEALAでは、パッケージのシステムにある業務フローを受け入れることが、システム導入にとって重要だと考えます。法律事務所にとって最適な業務フローになるよう機能改善を続けているLEALAだからこそ、このパッケージを活用してほしいと考えています。そのため、基本的に大きなカスタマイズをしないことを前提にし、カスタマイズは有償化しています。有償化することで、法律事務所が「カスタマイズできる=自所の業務フローに合わせること」という発想から、パッケージを最大限活用しようという発想に切り替える機会になればと考えています。
パッケージにある業務フローを活用しないのは損!誤解や思い込みから抜け出そう
これまで、パッケージにある業務フローについて深く考えたことはなく、自所のやり方が正しいものだと思っていた法律事務所も多いかもしれません。今回の記事を読んで、パッケージにある業務フローについての認識が自分のイメージと異なっていることに気が付いた人もいるのではないでしょうか。
パッケージはいろいろな事務所の声を集めて、いい形の業務フローにしているものという認識をもち、自所の業務効率化に向けて、最大限に活用していきましょう。
次回は法律事務所がシステム導入を成功させる要因について紹介します。
LEALAは法律事務所向けの業務基盤システムです。法律事務所の課題に真剣に向き合い、サポートと機能の改善に力を入れてきました。LEALAに興味がある、LEALAが築いてきた業務フローを知りたいなど、何かあればお気軽にお問い合わせください。LEALAの資料はこちらからダウンロードいただけます。
著者情報:
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
監修/協力:
上原真由
株式会社レアラ カスタマーサクセス シニアマネージャー
弁護士事務所勤務や複数の医療系IT企業でのCS業務やマネジメントを経てレアラに参画