公開日 2024/05/31 更新日 2026/09/24
弁護士業界の競争激化の背景とは?勝ち残るためのポイントも解説
この記事では、弁護士業界で競争が激化している背景を解説します。
弁護士の業界では近年競争が激化しているといわれており、その背景は広告の自由化や司法制度の改革などさまざまです。勝ち残るポイントを把握しておけば、安定して案件を獲得できるでしょう。
この記事では、弁護士業界の競争が激化している背景や勝ち残るためのポイントを解説します。よくある質問にも回答するので、弁護士業界で働いている人はぜひこの記事を参考にしてください。
- 弁護士業界における競争激化の背景
- 競争激化の中で弁護士が勝ち残るためのポイント
- 弁護士業界の競争に関するよくある質問
- 弁護士業界の競争を意識するなら差別化戦略が重要
弁護士業界における競争激化の背景
ここでは、弁護士業界の競争が激化している背景を解説します。下記3点を順番に見ていきましょう。
- 弁護士数の増員
- 広告の自由化
- 他士業による参入
弁護士数の増員
国民がより容易に法律サービスを受けられることを目的として、1999年頃から段階的に司法制度改革が実施されました。この改革によって弁護士などの法曹の人口が拡大され、新たな司法試験制度の導入によって弁護士の数は増加しています。
以下は、『司法制度改革元年』と呼ばれた1999年からの弁護士数を5年ごとにまとめた表です。
|
年 |
弁護士数 |
|
1999年 |
16,731人 |
|
2004年 |
20,224人 |
|
2009年 |
26,930人 |
|
2014年 |
35,045人 |
|
2019年 |
41,118人 |
|
2024年 |
45,808人 |
※参考:弁護士数(1950年~2025年)|日本弁護士連合会
上記の表より、1999年から2024年までの25年間で、弁護士数は約2.7倍に増加していることがわかります。司法制度改革を背景とした弁護士数の増加は、弁護士業界における競争に影響を与えた要因の一つと考えられます。
広告の自由化
弁護士業界で競争が激化している要因の1つに、広告の自由化が挙げられます。
かつて弁護士や法律事務所の広告は厳しく制限されていましたが、2000年に弁護士の広告営業が解禁されました。最近では多くの法律事務所がリスティング広告などのネットを活用した広告を取り入れており、広告を利用して顧客を獲得するケースは増加していると考えられます。
弁護士業界に広告が導入されたことで競争が激化したといえますが、弁護士の広告には以下に提示した日本弁護士連合会の規制があるため、それに則った広告を作成する必要があります。
※参考1:日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程(会規第44号)」
※参考2:特集 弁護士の業務広告の現状と課題丨東京弁護士会
他士業による参入
近年では、行政書士や司法書士が弁護士の業務を担当するケースがあります。
行政書士は相続関係や売買、贈与などの権利に関する書類や事実証明に関する書類の作成が可能です。また、特別行政書士であれば、許認可行政に対する不服申立ての手続きを、弁護士と同様に実施できます。
司法書士で法務大臣の認定を受けていれば、訴額が140万円以下である場合の簡易裁判所における訴訟代理を担当できます。上記のように、他士業が弁護士と同様の業務を担当できる場合が増えていることが、弁護士業界の激化に繋がっていると考えられるでしょう。
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競争激化の中で弁護士が勝ち残るためのポイント

ここでは、競争が激化する中で弁護士が勝ち残るためのポイントを解説します。下記4点を順番に見ていきましょう。
- 特定の分野に特化する
- クライアントの満足度を高める
- 他業種とのつながりを構築する
- 業務効率化を図り案件数を増やす
特定の分野に特化する
多くの弁護士が存在する市場では、1つの専門分野に特化したスペシャリストになることが重要です。
以下は、裁判所が公表している「全裁判所の新受全事件数」について、民事・行政、刑事、家事、少年の4区分を主な年ごとにまとめたものです。民事・行政事件と家事事件は件数、刑事事件と少年事件は人員で集計されています。
| 年 |
民事・行政(件) |
刑事(人) |
家事(件) |
少年(人) |
合計 |
|
2003年 |
3,520,500 |
1,636,719 |
683,716 |
274,267 |
6,115,202 |
|
2008年 |
2,252,426 |
1,238,808 |
766,013 |
175,734 |
4,432,981 |
|
2013年 |
1,524,022 |
1,050,777 |
916,408 |
123,088 |
3,614,295 |
|
2018年 |
1,552,744 |
937,306 |
1,066,374 |
66,219 |
3,622,643 |
|
2023年 |
1,477,740 |
864,412 |
1,182,689 |
53,361 |
3,578,202 |
|
2025年 |
1,665,665 |
927,559 |
1,231,130 |
63,791 |
3,890,336 |
|
2003年から |
▼1,854,835 |
▼709,160 |
△547,414 |
▼210,476 |
▼2,224,866 |
※参考:全裁判所の新受全事件数|裁判所データブック2026
※「▼」は減少、「△」は増加を指す
2003年から2025年までの変化を見ると、4区分のうち増加しているのは家事事件で、54万7,414件増えています。ただし、家事事件には弁護士が関与しない事件も含まれるため、この増加がそのまま弁護士への依頼件数の増加を示すものではありません。
家事分野に限らず、特定の分野で知見や対応力を高めることは、他の法律事務所との差別化につながる可能性があります。
クライアントの満足度を高める
1人ひとりのクライアントの満足度を高めることは、同じクライアントのリピートや、クライアントによる新しい顧客の紹介など、間接的な顧客獲得につながります。
突発的な依頼に迅速に対応したり親身にコミュニケーションを取ったりするなど、クライアントの期待を超えるサービスを提供するように心がけることが大切です。クライアントを満足させられたら、新たな顧客との出会いに繋がるでしょう。
他業種とのつながりを構築する
会計士や不動産業者などの他業種でプロとして活躍している人とのつながりを構築しておけば、新しいビジネスチャンスへのきっかけとなるでしょう。
相談された案件に対するアドバイスの内容を充実させたり、さまざまなクライアントのニーズに対応したりできるため、依頼される案件の増加に繋がると考えられます。充実した法サービスであれば、件数の増加だけでなく1件ごとの単価アップを見込めるでしょう。
業務効率化を図り案件数を増やす
日頃の情報管理を徹底したり一部業務を自動化することによって、業務の効率化を図れます。
業務を効率化できれば、クライアント1人ひとりに対してスピーディーかつ親身な対応ができ、顧客の満足度を高められるだけでなく、より多くの案件に取り組めるでしょう。
業務効率化に取り組む際には、クラウド業務管理システムの導入がおすすめです。
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- 顧客/案件管理
- 進捗管理/期限のアラート
- タスク・スケジュール管理
- 所内外とのコミュニケーション(チャット)
- 案件ごとの弁護士単価/配分率の設定
- 損害額や養育費の自動計算
- タイムチャージ管理・タイムチャージ明細書の発行
- 定型書面の自動作成・インボイス制度対応の請求書の発行
- 会計情報の自動集計/一覧化
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他の法律事務所と差をつけて、日々の弁護士業務を効率化したい先生方は、ぜひLEALA(レアラ)のクラウド業務管理システムの導入をご検討ください。
弁護士業界の競争に関するよくある質問
ここでは、弁護士業界の競争に関するよくある質問に回答します。下記3つの質問を順に見ていきましょう。
- 弁護士が「食えない」というのは嘘?
- 弁護士業界は今後も競争が激化していく?
- 競争激化の対策としてDX化は有効?
弁護士が「食えない」というのは嘘?
近年の弁護士数増加や訴訟件数の減少から、1人あたりの担当件数が減少しており弁護士が”食えない仕事になった”と考える人もいるでしょう。
しかし、先述の通り訴訟件数全体は減少傾向にあるものの、家事事件は増加傾向です。そのため、家事事件のような成長分野に特化するなども弁護士として活躍する手段の1つです。
また、弁護士は国民に法律サービスを提供する重要な仕事です。訴訟件数が減ったとしても確実に必要とされる仕事であるため、弁護士の仕事で生計を立てられないケースは考えにくいでしょう。
この記事では、弁護士に将来性について「食えない」といわれている理由を解説します。 弁護士は幅広い独占業務を担う専門性の高い職業です。一方で、平均年収の減少やAIの進出により、弁護士の将来性について心配している人も少なくありません。 本記[…]
弁護士業界は今後も競争が激化していく?
弁護士業界における競争は、今後も激化すると予想されます。
司法試験の合格者は2008〜2012年頃に2,000人を超えていましたが、現在では1,500人程度に落ち着いています。とはいえ、司法試験の合格率は近年増加傾向にあるため、志望者数が増加すれば合わせて合格者数も大幅に増加するでしょう。
また、一般民事でも大型・中型以上の組織化された法律事務所が増えているため、弁護士同士だけではなく事務所同士の競争も激化すると考えられます。
この記事では、弁護士の人数の推移について解説します。 弁護士の数は年々増加しており、特に近年はその増加率が高い傾向にあります。弁護士事務所を運営する方や弁護士として活動する方にとっては、どの地域でどのような弁護士が増加しているのか把握して[…]
競争激化の対策としてDX化は有効?
DX(デジタルトランスフォーメーション)化によって顧客情報などをデジタル上のデータ化することで、クライアントの情報管理が容易になり、業務効率化に繋がるでしょう。
情報管理や書類作成の手間を削減することで、クライアントとの打ち合わせにかける時間を増加でき、顧客満足度の向上が見込めるでしょう。高い満足度は顧客のリピートや新しい顧客の紹介に繋がる場合があるため、DX化は競争激化の対策として有効だといえます。
しかし、堅牢なセキュリティのもと情報管理する必要があることを忘れてはいけません。
弁護士業界の競争を意識するなら差別化戦略が重要
この記事では、弁護士業界の競争が激化している背景を解説しました。広告営業が解禁されたことや司法制度の改革が実施されたことなど、さまざまな要因から弁護士の業界は激化を続けています。
弁護士業界の競争に負けないためには、他事務所との差別化を図ることは極めて重要です。一案として、堅牢なセキュリティのもとで情報管理ができ、法律事務所の業務効率化を促進するクラウドシステムの導入をおすすめします。
弁護士・法律事務所向けクラウド業務管理システム『LEALA(レアラ)』は、世界各国の政府系機関や大手金融機関等も利用している”Salesforce”をシステム基盤に採用することで、堅牢なセキュリティ環境のもとで情報を管理することができます。
また、Salesforceは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(通称:ISMAP)※に準拠したシステムですので、安心してご利用いただけます。
さらに、Salesforceと連携可能なアプリ数はグローバルで5,000種類を超えており、LEALAとも連携可能なアプリ※を使用することでシームレスな運用管理を実現します。
すべての業務データを1つのシステムにまとめることで、データ入力や確認、集計が容易になり、所内全体の作業負担が軽減することができます。
激化する弁護士業界で業務を効率化して案件数を増やしたい方は、LEALAのクラウド業務管理システムをぜひご検討ください。お問い合わせはこちらから。ダウンロード資料の一覧はこちらからご覧いただけます。
※参考:ISMAP – 政府情報システムのためのセキュリティ評価制度|ISMAP概要
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