公開日 2026/09/28 更新日 2026/09/28
法律事務所がシステム導入で見落としがちな3つのリスク
株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。レアラのカスタマーサクセス(CS)・シニアマネージャーにインタビューした「法律事務所がシステム導入を成功させるには」について5回シリーズで紹介していきます。前回はシステム導入を成功させる事務所内の姿勢について紹介しました。今回はシステム導入の時に考えたい「リスク」について紹介します。
- 第1回 システムを導入しても成果が出ない法律事務所の共通点
- 第2回 法律事務所がシステム導入を成功させる要因とは
- 第3回 法律事務所のシステム導入「それって必要ですか?」が成功のカギ
- 第4回 法律事務所がシステム導入で見落としがちな3つのリスク ←今回はここ
- 第5回 法律事務所のシステム導入、本当のゴールとは
システムの導入の目的で一番大きなものは、業務効率化といえるでしょう。一方で、システムの導入により、さまざまなリスクが回避されるようになることをご存じでしょうか。CSシニアマネージャーが、システムを導入する事務所は理解していると思っていたのに、実は理解していないことが多いという、システム導入により回避できるリスクについて紹介します。
- 法律事務所が取り扱っているデータの重要性とは
- 情報消失・漏洩のリスクの先にあるものとは
- 属人化によるリスクとは
法律事務所が回避したい3つのリスクとは
業務を行っていれば、大小あってもリスクが生まれる可能性はあります。ここでは法律事務所が避けたいリスクのうち、システム導入によって回避できるリスクについて説明します。回避できるのは以下の3つになります。
・データの消失
・情報漏洩
・属人化
もちろん、導入するシステムによってどこまで回避ができるのかは、異なる可能性もあります。そのため、当社で提供している法律事務所向け基盤管理システムLEALA(レアラ)の導入で回避できること、そしてなぜ回避できるのかについて説明します。
重要性を理解しているつもりでも、甘くなりがちなデータの取り扱い
ここでは、LEALAの導入で回避できるリスクのうち、「データの消失」について説明します。普段の行動が、実はリスクをあまり意識していないものだったかもしれないなど、データの重要性を改めて考える機会になるかもしれません。
- 重要性を理解しているのに意外とやってしまいがちな行動とは
- システムでデータの消失を防ぐとは
一つずつ見ていきましょう。
重要性を理解しているのに意外とやってしまいがちな行動とは
法律事務所が扱っているデータは、個人情報も含め重要であることは誰でも知っている当たり前のことだといえるでしょう。一方で、本当に重要性を理解しているのかと思われる行動をしてしまうことがあります。
法律事務所に限ったことではありませんが、長い間、紙文化のなかで我々は業務を行ってきました。PCが普及し、情報をデータとして管理することができる時代になっても、昔からの癖が抜けずに紙を使ってしまう人も多いでしょう。例えば、弁護士が事務局に依頼する時、付箋にメモを書いて渡すというようなことです。メールやチャットで依頼するよりも、付箋にメモして渡すほうが手っ取り早いと思っている弁護士もいるのではないでしょうか。
しかし、ちょっと立ち止まってみてください。そのメモに書かれた情報の重要度について、考えたことはありますか。例えば、そのメモを紛失し、外部の目に触れることがあっても問題ないといえるのでしょうか。問題ない内容だからメモにして、それ以外はデータでやり取りしていると言い切れるのでしょうか。
また、紙文化が長かったことで多くの情報が紙として保管されていることも多いでしょう。紙で保管していることについてリスクを考えたことはあるでしょうか。多くの人が、あまりにも当たり前すぎて、今でも何の疑問もなく書類をファイルに閉じている事務所もあるかもしれません。所員しか閲覧できない場所にあるという安心感もあるでしょう。しかし、ファイルに閉じている情報の重要度を考えると、先ほどのメモと同じようにリスクに対する注意が十分であるといえるのでしょうか。
システムでデータの消失を防ぐとは
メモを書いた紙だけでなく、ファイルに閉じている書類についても消失する可能性はゼロではありません。盗難被害にあわないように厳戒な警備をしている事務所もあるでしょう。一方で、どんなに厳戒な警備をしたとしても、例えば事務所が火災にあえば書類は消失してしまうのです。その時、火災にあって消失してもいい情報だから、問題ないといえるのでしょうか。
システムを利用し、様々な情報をデータとしてクラウドに保管していれば、たとえ火災にあってもデータを消失することはありません。もし、火災でPCが消失した場合でも、クラウドであれば、他のPCから情報を閲覧することが可能です。つまり、クラウドのシステムを利用することで、情報、データの消失のリスクを回避することができるのです。
絶対避けたい情報漏洩
どの事務所も避けたいのが情報漏洩ではないでしょうか。先述の情報、データの消失も大きなリスクですが、情報漏洩はそれ以上のリスクと考えている事務所も多いでしょう。ここでは、情報漏洩のリスクとシステム利用でできることについて紹介します。
- 情報漏洩がもたらすリスクとは
- システム利用がなぜ情報漏洩のリスクを避けることにつながるのか
情報漏洩がもたらすリスクとは
情報漏洩が事務所にもたらすリスクは、誰でも想像できることであり、ここで改めて書く必要もないことなのかもしれません。流失した内容にもよりますが、事務所に大きな損害が発生します。支払い義務が発生すれば、事務所の経営を揺るがすことになるかもしれません。それ以上に、事務所の信用にもかかわってくる場合もあるでしょう。信用をなくすことで、その先仕事を依頼されなくなることもあります。また今はネットの時代、どんなに時間が経過してもどこかのwebサイトにその事務所が情報漏洩したという情報が残り続けることになります。
誰もが想像できるこのようなリスク、だからこそ絶対避けたいと思っているでしょう。一方で、どこかで自所とは遠い話と思っていることはないでしょうか。実際に情報を盗られたという事務所からレアラの法律事務所向け業務基盤システムLEALAを導入したいと申し込みがあったケースもあります。他人事と思いがちな情報漏洩について、この機会に自所の対策がどうなっているかの確認してみてはいかがでしょうか。
システム利用がなぜ情報漏洩のリスクを避けることにつながるのか
提供されているシステムには、ランサムウェアやハッキングなどのリスクに対して、程度の差はあっても強固な対策をしているはずです。ここでは、LEALAがどのような対策をとっているかを紹介します。
LEALAはSalesforceを開発基盤とし、幅広い法律事務所業務に対応した業務基盤システムです。Salesforceは、大規模な開発投資により、40以上のセキュリティ認証*を取得している世界最高水準のセキュリティです。さらに二段階認証を強固にすることで入口からも外部の侵入を防ぐ強化をしています。
*Salesforce、クラウドを対象とするコンプライアンス
LEALAを導入することで、法律事務所のデータを盗られるリスクを回避できるという点では、どのシステムよりも安心感は強いと自負しています。先述のデータを盗られた法律事務所も何もしていなかったのではなく、他のシステムを利用していて盗難に合い、より強固なセキュリティを求めてLEALAを導入いただきました。
システムを導入することは情報漏洩から事務所を守るために重要な手段にもなります。だからこそ、導入するシステムを検討する際は、セキュリティについての確認をきちんとすることをお勧めします。そして、システム導入後は、データ消失同様、データを盗まれないためにシステムに情報を集めていきましょう。
実は影響が大きい属人化のリスク

3つめのリスクとして「属人化」について説明します。情報の消失や漏洩に比較すると、「属人化」については、あまりリスクと捉えていない法律事務所も多いかもしれません。しかし、属人化は業務を回らなくさせるという大きなリスクを持っています。ここでは以下の流れで属人化のリスクについて説明します。
- 何もしなければ必ず属人化していくのはなぜか
- システムでできる属人化リスクの回避とは
詳しく説明していきます。
何もしなけば必ず属人化していくのはなぜか
法律事務所にかかわらず、どの企業においても、ある業務に慣れている人が必ず存在します。そして、意識するしないに関わらず、慣れた人にその業務が集中していくようになります。そのうち、その業務については、その人に聞かないとわかる人がほどんどいないという状況になっていく、それが属人化です。
属人化のリスクは、その人がいないと業務が進まなくなる可能性を秘めていることです。問い合わせなど外部への対応で業務が進められなければ信用問題になります。そして、事務所によっては、この事務所のことをすべて知っているのは「この人」という存在がいる場合もあります。実際、そのような人がいる事務所もありました。そのような場合、事務所の業務について、何か知りたいことがあればこの人に聞けば教えてもらえる、逆に言えば、事務所全体のことを知っている人はこの人だけということになります。そのような場合、この人が病気などで不在になったらどうなるのでしょうか。想像するだけで、事務所にとって大きなリスクであり、避けるべきものだと実感できるのではないでしょうか。
システムでできる属人化リスクの回避とは
進んでしまった属人化を回避する方法がシステムの導入です。LEALAを例になぜシステムを導入すると属人化のリスクが解消されるのかについて、説明します。
LEALAを導入することで、システムの中でお問い合わせの対応、取引先の管理、請求書の発行などを行います。そして、金額が確定し、案件の請求残高、どれくらい回収できたかも明らかになります。業務の流れがすべてシステム上で行えることに加え、いつ誰が何を入力して、今どうなっているのかがわかります。さらにそれをするためにはどの資料を出す必要があるのかというような、これにはあれが必要ということもわかるようになります。それにより、誰かに聞かなくてはわからない状況から抜け出せる、つまり属人化せずに業務を続けることができるのです。システム導入により属人化のリスクの解消につながること、これはシステムを導入する魅力でもあります。
意外と浅いリスクの認識
これまで紹介してきた3つのリスクについて、当然のことであり、いつも意識していると感じた人も多いのではないでしょうか。しかし、意外にも、現実ではリスクに対する意識が高いと言い切れない場合もあるようです。
著者が第1回「システムを導入しても成果が出ない法律事務所の共通点」にて、「システムを導入する意味」をしっかりと考えたうえで導入に至っており、導入した法律事務所は比較的スムーズに業務効率化が進むと思っていたという話をしました。そのため、「システムを導入すれば勝手に楽になる」と考えている事務所が多いというのはかなり衝撃的でした。実は、リスクについて、CSシニアマネージャーも筆者と同じように感じていたのです。
LEALA導入を決めた法律事務所は、これまで説明してきたリスクを十分に理解しているからこそLEALAを選択いただき、リスクを解消して、より業務の効率化や蓄積されたデータの分析に目を向けている意識の高い弁護士という前提で、導入時にリスクの話はすことはなかったといいます。しかし、何かあれば簡単に他のシステムへの変更を考えるなど、データの移動を簡単に考えていると思われる事務所もあることを経験し、そのような発言をされた際には、リスクの話をするようにしています。例えば、「リスクってわかっていますか」、「データの取り扱いや考え方も含めて、本当にそれでいいんですか」という確認が必要になるのです。
リスクを考えて、それを回避したいという理由でLEALAを選んでくださったというより、そこまでリスクに対する認識が深くないまま、LEALAの導入を決めている事務所も多いということでしょう。この機会にぜひ、自所のリスクへの認識を再度確認してみてください。思ったよりリスクについて深く考えていなかったことに気が付くかもしれません。
システムの導入費用は見えないリスクへの対価でもある
システム導入には費用が掛かります。その費用は決して安いものとはいえないでしょう。しかし、考えてみてください。生命保険や医療保険に入るのは見えないリスク、可能性のリスクがあり、それに対してお金を支払っています。システム費用も同様に、見えないリスクや可能性のリスクを回避するための対価であるといえるのではないでしょうか。一方で、システムは保険と異なり、もともとが業務を効率化させるためのものです。可能性のリスク回避に加え、業務が効率化されて、使い方次第で最小限の人数で事務所が発展し、結果的に利益のほうが大きくなる可能性を秘めています。システム導入の費用は業務効率化だけではなく、リスク回避への対価と両方を含んでいると思えば、費用に対する考え方も変わるのではないでしょうか。
LEALAのCSチームは、業務効率化とリスク回避の両方に対してLEALAが役立つことを法律事務所にしっかりと語り、LEALAをリスク回避にも役立てようという思考になってもらうことも自分たちの役割だと考えています。業務効率化とリスク回避について、自分たちがしっかりと理解したうえで、責任感を持ってお客様に伝え、お客様と同じ方向を向いて、導入を進めていく、それがLEALAのCSチームなのです。
認識をしっかり持たなければリスク回避はできない
システム導入によって回避可能なリスクについて、説明してきました。リスク回避で最も重要なことはリスクに対する認識です。しっかりと認識していればこそ、システムを選択する時に業務効率化の視点だけでなく、リスクが回避できるかどうかという視点でも検討できます。リスクへの認識を新たにして、システム導入について考えてみるのもいいでしょう。
次回は、このシリーズの最終回です。システム導入のゴールとは、そして、ゴールの先にあるゴールとは、について紹介します。
LEALAは紹介した3つのリスク回避に役立つ、法律事務所向け業務基盤システムです。世界最高水準のセキュリティをもつSalesforceを開発基盤とし、属人化させず業務効率を高めるために、お客様の声を反映した機能改善も継続しています。LEALAに興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。サービス資料、お役立ち資料はこちらからダウンロードいただけます。
著者情報:
鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
監修/協力:
上原真由
株式会社レアラ カスタマーサクセス シニアマネージャー
弁護士事務所勤務や複数の医療系IT企業でのCS業務やマネジメントを経てレアラに参画