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公開日 2026/08/27  更新日 2026/08/27

AIに推薦される法律事務所—サイト情報との連動を実測

AIに推薦される法律事務所—サイト情報との連動を実測

 

 

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。「企業法務系法律事務所 ウェブマーケティング実態調査 2026」の結果を、6回シリーズで紹介しています。第4回では、70事務所の調査結果の全体像について紹介しました。第5回の今回は、36項目のうち、どの項目がAIの推薦と連動していたのかについて紹介します。

 

 

この調査では、企業法務を主に扱う法律事務所70事務所のウェブサイトを、企業担当者の行動を想定した36項目のチェックリストで確認し、あわせて企業担当者が法律事務所を探すときに実際にしそうな質問を5つの生成AIに行い、回答を記録しました。そして、AIが名前を挙げた事務所のウェブサイトには共通点があることがわかりました(第2回「5つのAIの回答とは—推薦された法律事務所の共通点」参照)。もう一歩踏み込んでカテゴリではなく項目ごとに見ると、より詳しく、どの情報がAIの推薦とつながっているかが見えてきます。ここでは、連動が強かった項目と小さかった項目、そしてなぜ連動するのかを紹介します。

 

  • AIの推薦との連動が強かった項目
  • 連動が小さかった項目からわかること
  • なぜ、具体的な情報がAIの推薦につながるのか

 

AIの推薦との連動が強かった項目1位は資料ダウンロード

36項目それぞれについて、AIの推薦との連動の強さを調べました。連動が強かったのは次の2つです。

  • 資料ダウンロード
  • 顧問先・取引実績

「資料ダウンロード」は、企業法務系法律事務所において考えると、企業が参考にできる法的な情報や契約書のテンプレートなどが該当します。「顧問先・取引実績」は、守秘義務から顧客名を出せないという事務所も多いかもしれません。しかし、顧客名を出せなくても、その業界での取引件数や平均の取引継続年数など、工夫したら出せる実績があれば、AIだけでなく、企業の担当者も参考にできるでしょう。上位2つほどではないものの、連動が高かった「解決事例ページ」についても、簡単にはできない事情を持っている事務所が多いかもしれません。しかし、AIとの連動が強いことを考えれば、今後AIで推薦される法律事務所を目指す場合、掲載するために何かしらの工夫ができないか検討してみる価値はあるかもしれません。

 

連動が小さかった取扱案件・サービス内容

一方で、興味深い結果もありました。多くの事務所が掲載している「取扱案件・サービス内容」(掲載率81%)や、「取扱分野のテキスト明記」(同97%)は、AIの推薦との連動が小さかったのです。

ほぼすべての事務所が掲載している情報では、事務所ごとの違いが出にくいため、AIが推薦するための判断材料とはなりにくいのではないかと考えられます。取扱分野を書くこと自体は大切です。ただ、取扱分野だけでは、その事務所の特徴をつかむことは難しく、AIも推薦する事務所として選びにくいというのは想像に難くないでしょう。そのため、具体的にその分野で何をしてきたかを示す情報である「実績」「事例」「資料」は、AIも推薦するかどうかの判断材料として利用しやすいのではないでしょうか。

なお、達成率が高い事務所ほどAIに名前が挙がりやすい傾向はありますが、例外もあります。調査では、達成率が上位でも、AIからの言及がなかった事務所もありました。理由は簡単です。36項目の達成率が高くても、AIが推薦する判断材料となる項目への対応が十分でなければ、AIは推薦できないからです。AIを意識する場合は達成率だけでなく、どの項目に対応していくかを検討する必要があるといえるでしょう。

 

掲載情報はAIが推薦するための判断材料になるかがカギ

AIは、ネット上にある情報を収集し、推薦する事務所とその理由を回答します(第2回「5つのAIの回答とは—推薦された法律事務所の共通点」参照)。取扱分野だけが書かれたサイトと、その分野の実績や事例、解説資料まで掲載されたサイトを比べると、後者のほうが、AIが推薦の根拠にできる材料が掲載されているといえます。つまり、AIに推薦してもらうには、判断材料になる情報を掲載しているかがカギといえるのです。

これは、企業が人を採用する時を想像すれば、さらに理解が深まるかもしれません。「○○ができます」という応募者と、「○○ができます。この分野でこのような経験をしてきました」と具体的な説明をした応募者では、採用担当は、何を任せられるかなどのイメージが付きやすい後者に興味を持つといえるでしょう。AIの推薦でも、同じことが起きていると解釈できます。

そして、こうした具体的な情報は、業界全体ではまだ掲載している事務所が多くありません(第3回「企業の担当者が注目する情報—法律事務所サイトの掲載状況」参照)。掲載が少ない情報だからこそ、掲載している事務所の情報は、AIが判断材料として認識し、推薦につなげやすいといえるのです。

 

自所サイトに掲載する内容を検討する時は、AIの判断材料になるかを意識する

今回は、AIの推薦と連動している項目について紹介しました。AIが推薦するか否かを決める判断材料が十分にそろっている法律事務所のサイトはまだ多くありません。取扱分野を見直すときは、プラスアルファで、AIの判断材料として追加できるものがないかを検討してみるのもいいでしょう。その際、AIの推薦と連動が強かった項目についての検討を忘れないようにしましょう。

次回は、企業法務系法律事務所のウェブマーケティング実態調査の結果紹介コラムの最終回です。ウェブサイトを見直そうと思ったら何を優先すべきか、36項目を「取り組む順番」で整理した結果について紹介します。

この調査の結果はダウンロードが可能です。ご興味がありましたら、ぜひこちらからダウンロードしてください。また、調査結果の理解を深めていただくために、2026年9月16日(水)18:00より「AIはどの法律事務所を推薦するのか—実測データが示す“選ばれるサイト”の共通点」と題したセミナーを開催します。AIからの回答では、調査対象事務所だけでなく大規模事務所の名も挙げられています。質問によって挙げられる事務所がどう異なるかなどセミナーならではの情報もありますので、ぜひご参加をご検討ください。セミナー情報及び申し込みはこちらからご覧いただけます。

 

LEALA(レアラ)は幅広い法律事務所業務に対応した生産性と依頼者満足度の向上を実現する案件管理システムです。マーケティングにも活用できます。各ポータルサイトや各種広告施策からの流入・受任・売上比率をリアルタイムに可視化し、マーケティングの結果を定量データとして分析、効果的な施策を導き出すことが可能です。他の法律事務所の案件管理の事例だけでなく、マーケティングとしてどのように活用しているのかについてご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
資料一覧からダウンロードいただくことも可能です。

 

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
市場調査会社を含め調査業務の経験多数。本調査の設計・実査・分析を担当

 

 

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