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公開日 2026/08/24  更新日 2026/08/24

企業法務系法律事務所サイトの実態—数字でみる全体像

企業法務系法律事務所サイトの実態—数字でみる全体像

 

 

株式会社レアラのマーケティング・シニアマネージャーです。「企業法務系法律事務所 ウェブマーケティング実態調査 2026」の結果を、6回シリーズで紹介しています。第3回では、BtoBサイトで効果が実証されている情報と、70事務所のウェブサイトの現状について紹介しました。第4回の今回は、少し視点を引いて、70事務所の調査結果の全体像について紹介します。

 

 

ここまでの回では、「AIはどの事務所を推薦したか」「効果が実証されている情報は掲載されているか」という切り口で調査結果を紹介してきました。今回はそうした個別の切り口から離れて、業界全体を数字で眺めてみます。全体の数字は、自所のウェブサイトを客観的に見るときの目安になります。

 

  • 70事務所の達成率の全体像(平均と分布)
  • カテゴリ別にみた、整っている領域とこれからの領域
  • 事務所の規模と達成率の関係

 

70事務所の達成率の平均は55.2%

この調査では、筆者がBtoBサイトの調査・運用に携わってきた経験をもとに洗い出し、効果が実証されているBtoBマーケティング調査・研究とも照らし合わせた36項目のチェックリスト(第3回「企業の担当者が注目する情報—法律事務所サイトの掲載状況」参照)で、70事務所のウェブサイトを実際に確認し、達成率(達成した項目の割合)を算出しました。70事務所の平均は55.2%でした。

達成率の分布をみると、最も多かったのは50%台で、70事務所のうち25事務所がこの帯に入ります。一方で、最も高い事務所は87.5%、最も低い事務所は20.8%と、事務所によって達成率に大きな開きがありました。

業界全体として、平均55.2%ということは、BtoBサイトに求められていることの半分強は対応しているが、まだ対応が回っていない、または必要性を感じていない領域もあるということです。逆に言うと、手が回れば、必要性を感じれば対応できるところは広く、ウェブサイトを効果的な集客手段として発展させていくことができる余地が大きいといえます。

 

カテゴリ別にみる「整っている領域」と「これからの領域」

36項目は、「ナビゲーション」「技術的対応」「信頼・実績の可視化」「費用・サービスの透明性」「問い合わせ導線」「ポジショニング」「コンテンツ・情報発信」の7つのカテゴリに分かれています。カテゴリごとに業界平均をみると、はっきりした濃淡がありました。

業界平均が最も高かったのはナビゲーションで、9割を超えています。スマートフォンからの見やすさや、サイト内の移動のしやすさといった基本的な作りは、業界全体でしっかり整っている、ということです。

一方、業界平均が低かったのはポジショニングとコンテンツ・情報発信で、それぞれ4割、3割弱でした。第3回「企業の担当者が注目する情報—法律事務所サイトの掲載状況」で紹介した「効果が実証されているのに掲載が少ない情報」にあった「強み・得意分野の明示」「専門特化の打ち出し」はポジショニングのカテゴリに、「ダウンロード資料」はコンテンツ・情報発信のカテゴリに属しています。業界全体では、ポジショニングとコンテンツ・情報発信はこれからの領域です。中でも効果が実証されている「強み・得意分野の明示」「専門特化の打ち出し」「ダウンロード資料」は、今後、自所サイトの改善を検討することがあれば、注意を向けるのがよい項目といえるでしょう。

 

規模と達成率の関係で見えた2つの事実

ウェブサイトの充実度は、事務所の規模(弁護士数)とどのくらい関係しているのでしょうか。調査では、70事務所を弁護士15〜30名(44事務所)と31〜100名(26事務所)の2つの区分に分けて、達成率を比較しました。

この比較から2つのことがわかりました。1つめは、規模と達成率には正の関係があることです。実際、弁護士数と達成率との関係を分析すると、弁護士数が多い事務所ほど達成率が高い傾向がありました(弁護士1名増で+0.34pt)。そして、平均達成率を比較すると15〜30名の区分と31〜100名の区分の差が約10ポイントでした。

2つめは、同じ区分の中でも達成率には大きな幅があることです。15〜30名の区分、31〜100名の区分ともに達成率の差は50pt以上という幅の広さでした。このように、規模と達成率には関係がある一方で、同じ規模であっても達成率に幅があることがわかりました。

※ 規模は、各事務所のウェブサイトで「弁護士」と表記された人のみを数えた調査時点の人数で区分しています。実際の所内リソースとは必ずしも一致しません。

 

全体像を参考に自所サイトの今後を検討する

今回は、70事務所の調査結果の全体像を紹介しました。業界平均や分布は、自所サイトの状況を客観的に把握するのに役立ちます。やりたいと思ってなかなかできていなかったことが、効果が実証されているのに業界では浸透していないことだとわかれば、実現に向けて動き出すきっかけになります。頑張っていることが業界で当たり前になっているとわかれば、他にも力を入れるところがあるかを検討するきっかけになります。自所のサイトを見直すときの参考の一つとして、この調査結果を活用してみてはいかがでしょうか。

次回は、AIの推薦とウェブサイトの情報がどう連動しているのか、調査からみえてきたことを紹介します。

この調査の結果はダウンロードが可能です。ご興味がありましたら、ぜひこちらからダウンロードしてください。また、調査結果の理解を深めていただくために、2026年9月16日(水)18:00より「AIはどの法律事務所を推薦するのか—実測データが示す“選ばれるサイト”の共通点」と題したセミナーを開催します。AIからの回答では、調査対象事務所だけでなく大規模事務所の名も挙げられています。質問によって挙げられる事務所がどう異なるかなどセミナーならではの情報もありますので、ぜひご参加をご検討ください。セミナー情報及び申し込みはこちらからご覧いただけます。

 

LEALA(レアラ)は幅広い法律事務所業務に対応した生産性と依頼者満足度の向上を実現する案件管理システムです。マーケティングにも活用できます。各ポータルサイトや各種広告施策からの流入・受任・売上比率をリアルタイムに可視化し、マーケティングの結果を定量データとして分析、効果的な施策を導き出すことが可能です。他の法律事務所の案件管理の事例だけでなく、マーケティングとしてどのように活用しているのかについてご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
資料一覧からダウンロードいただくことも可能です。

 

著者情報

鈴木陽子
株式会社レアラ マーケティング シニアマネージャー
多業界において長年BtoB・BtoCマーケティングに従事
市場調査会社を含め調査業務の経験多数。本調査の設計・実査・分析を担当

 

 

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